オーガニックビル
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オーガニックビル (小倉屋山本本社ビル) | |
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情報 | |
用途 | オフィス、テナントビル |
設計者 |
ガエターノ・ペッシェ UDコンサルタンツ |
施工 | コーナン建設 |
建築主 | 小倉屋山本 |
管理運営 | 近鉄不動産 |
構造形式 | 鉄骨鉄筋コンクリート構造 |
敷地面積 | 1,065.8 m² [1] |
延床面積 |
4,239.45 m² [1] ※UDコンサルタンツによると7,052.86m2[2] |
階数 | 地上9階、地下1階 |
エレベーター数 | 乗用2基[1] |
駐車台数 | 立体駐車場180台[1] |
竣工 | 1993年2月[2] |
所在地 |
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4-7-21 |
座標 | 北緯34度40分38.5秒 東経135度29分56.8秒 / 北緯34.677361度 東経135.499111度座標: 北緯34度40分38.5秒 東経135度29分56.8秒 / 北緯34.677361度 東経135.499111度 |
オーガニックビルは、大阪市中央区南船場に所在する有機的建築物である。鮮やかな赤茶色の外壁に配置された、132基の鉢植えが外観の大きな特徴である。
建築
[編集]地下鉄心斎橋駅の北、渡辺筋と順慶町通が交わる南東角に位置する。1848年(嘉永元年)創業の老舗昆布商小倉屋山本による新社屋が計画されたのはバブル景気の頃で、設計が始まったのは1990年。イタリア出身の建築家・デザイナーのガエターノ・ペッシェによる大胆なアイデアを、大阪市の再開発コーディネート事業者のUDコンサルタンツにより現実化した[3]。『自然と健康』の企業理念から、緑と建物と人間の共存をコンセプトとしている[4]。植木鉢の形状は半球形や土管状などさまざまで、当初は世界各国から集められた50種あまりの植物が植えられていた[5]。竣工当初はコンピュータ制御で給水や施肥が行われたが[3]、のちに自生可能な品種に植え替えられている[5]。剪定が困難な造りもあり、植物はそれぞれ違った種類のようにも見える[3]。設計者の思想は外観だけではなく建物内部にも表現され、1階エントランスホールの極彩色のオブジェや1文字ずつ色を変えた社名プレートなどにも見てとることができる[3]。
9階に小倉屋山本の本社があり[4]、1階にセレクトショップ[6]、2階と地下1階にレンタルスペース「BPオーガニックスペース南船場」[7]、他にアパレル企業やデザイン事務所などのテナントが入居する[5]。本ビル内に小倉屋山本の実店舗はなく、「えびすめ」などの商品は近隣にある同社本店で販売している[8]。
1994年度にグッドデザイン賞を受賞[9]。2023年には近鉄不動産が本ビルを取得した[10]。
脚注
[編集]- ^ a b c d オーガニックビル(近鉄不動産)
- ^ a b オーガニックビル(UDコンサルタンツ)
- ^ a b c d (倉方 2015, pp. 158–159)
- ^ a b “映えスポ 南船場のオーガニックビル”. 日本経済新聞. (2021年5月26日) 2024年2月2日閲覧。
- ^ a b c “南船場・誰もが気になる『オーガニックビル』を見てきた。”. 渋井不動産 (2023年11月2日). 2024年2月2日閲覧。
- ^ “南船場「オーガニックビル」にセレクトショップ-ビルとの調和目指す”. なんば経済新聞. (2008年6月11日) 2024年2月2日閲覧。
- ^ BPオーガニックスペース南船場
- ^ “ビルと植物の融合オーガニックビル”. Exciteニュース. (2005年10月30日) 2024年2月2日閲覧。
- ^ “1994年度グッドデザイン賞 オーガニックビル(小倉屋山本本社ビル)”. 日本デザイン振興会 (1994年). 2024年2月2日閲覧。
- ^ “【売買】大阪・南船場のオーガニックビルを取得、近鉄不動産”. 日経不動産マーケット情報. (2023年9月25日) 2024年2月2日閲覧。(要購読契約)
参考文献等
[編集]- “外壁に植木鉢132個、いまも存在感あるバブル期の〝花〟 大阪・南船場の「オーガニックビル」”. 産経新聞ウエスト. (2015年4月19日) 2024年2月2日閲覧。
- 髙岡伸一、倉方俊輔、嘉名光市『生きた建築大阪』140B、2015年、158-159頁。ISBN 978-4-903993-22-5。(共著であるが、本建物の項は倉方による執筆。上記、産経新聞の連載を再構成し書籍化したもの。)