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カイコガ上科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カイコガ上科
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目(チョウ目) Lepidoptera
階級なし : 有吻類 Glossata
階級なし : 異脈類 Heteroneura
階級なし : 二門類 Ditrysia
上科 : カイコガ上科 Bombycoidea
学名
Bombycoidea Latreille, 1802[1][2]
和名
カイコガ上科

本文参照

カイコガ上科 (Bombycoidea) は、鱗翅目(チョウ目)に属する上科の一つ。カイコガ科スズメガ科ヤママユガ科などのよく知られるグループが属するが[3]、本上科にかんしてはさまざまな分類体系が提唱されており、下位分類は混乱している[2][4]

世界のカイコガ上科の目録を作成した Kitching et al. (2018) は、本上科に6092の有効な種を認めている[2]。日本からは100種ちかくが知られる[3][5]

分類

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前述のとおり、本上科にかんしては多くの分類体系が提唱されている。ここではみっつの分類体系を紹介する。和名は特記のない限り、駒井 et al. (2011) に拠る。

Fletcher (1982) Minet (1991), Minet (1994),
Lemaire & Minet (1998)
van Nieukerken et al. (2011),
Kitching et al. (2018)
上科 ミマロガ上科 Mimallonoidea ミマロガ上科 Mimallonoidea ミマロガ上科 Mimallonoidea
  • ミマロガ科 Mimallonidae
  • ミマロガ科 Mimallonidae
上科 カレハガ上科 Lasiocampoidea カレハガ上科 Lasiocampoidea
  • カレハガ科 Lasiocampidae
上科 カイコガ上科 Bombycoidea カイコガ上科 Bombycoidea カイコガ上科 Bombycoidea
  • アンテラガ科 Anthelidae
  • Apatelodidae
  • カイコガ科 Bombycidae
    • Mirina
  • イボタガ科 Brahmaeidae
  • ヤママユモドキガ科 Carthaeidae
  • Cercophanidae
  • カバガ科 Endromidae
  • オビガ科 Eupterotidae
  • カレハガ科 Lasiocampidae
  • トゲアシオビガ科 Lemoniidae
  • Oxytenidae
  • ヤママユガ科 Saturniidae
  • Apatelodidae
  • オビガ科 Eupterotidae
  • イボタガ科 Brahmaeidae
  • Phiditiidae
  • アンテラガ科 Anthelidae
  • ヤママユモドキガ科 Carthaeidae
  • カバガ科 Endromidae
  • カイコガ科 Bombycidae
  • ヤママユガ科 Saturniidae
    • 亜科 Cercophaninae
    • 亜科 Oxyteninae
  • スズメガ科 Sphingidae
上科 スズメガ上科[6]Sphingoidea
本上科の系統樹の一例

カレハガ科 Lasiocampidae外群

Apatelodidae

オビガ科 Eupterotidae

イボタガ科 Brahmaeidae

カバガ科 Endromidae

アンテラガ科 Anthelidae

ヤママユモドキガ科 Carthaeidae

Phiditiidae

スズメガ科 Sphingidae

カイコガ科 Bombycidae

ヤママユガ科 Saturniidae

Kitching et al. (2018) による、ZWICK et al. (2011) に基づくカイコガ上科の系統樹の模式図。姉妹群カレハガ科外群として置かれている。カイコガ科の系統的位置関係は不確定とされる[2]

本上科は形態学的に、カレハガ科およびミマロガ科との近縁性が指摘されてきた分類群であり[7][8]、 なかには本上科とカレハガ科およびミマロガ科をひとつの上科に統合する Brock (1971) のような分類体系もある[7]。近年の分子系統学的研究では、本上科とカレハガ科が姉妹群を形成する一方で[4]、ミマロガ科とは遠縁であることが示唆されている[9][10]。また、スズメガ科はかつては本上科とは独立した上科として扱われることが多かったが、現在は基本的に本上科に含められる[7][4]

日本には(カレハガ科を除き)オビガ科、カイコガ科、ヤママユガ科、イボタガ科、スズメガ科の5科が分布する[3][5][11]

人との関係

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人間が絹糸を利用する「絹糸昆虫」として知られる種が多く含まれる[12]

ギャラリー

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脚注

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参考文献

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和文

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  • 岸田, 泰則(編)日本産蛾類標準図鑑1』学研教育出版、2011年https://books.google.co.jp/books?hl=ja&id=VETCOnhuzOkC&dq=%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%82%AC%E7%A7%91&q=%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%82%AC%E4%B8%8A%E7%A7%91#v=snippet&q=%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%82%AC%E4%B8%8A%E7%A7%91&f=false 
  • 駒井古実; 吉安裕; 那須義次; 斉藤寿久(編)『日本の鱗翅類 : 系統と多様性』東海大学出版会、2011年。ISBN 978-4-486-01856-8https://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/000011131937.html 

英文

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外部リンク

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