カッポレ
カッポレ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Caranx lugubris Poey, 1860 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
カッポレ(活惚) クロヒラアジ(黒平鯵) イシカワギンガメアジ(石川銀紙鯵、石川銀河目鯵) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Black jack |
カッポレ(活惚、学名 Caranx lugubris 、Black jack)は、スズキ目アジ科に分類される海水魚の一種。全世界の暖海域に生息する大型の黒っぽいアジで、食用にもなる。
名称
[編集]イシカワギンガメアジ(石川銀紙鯵、石川銀河目鯵)という別名もある[1]。クロヒラアジ(黒平鯵)とした文献もあるが[2]、これは Carangoides ferdau (Forsskål, 1775) の標準和名に充てられており、混同の恐れがある[3]。他に日本での地方名としてヒラアジ、ポン等がある。
標準和名は釣り針に掛かった時の抵抗力が強く、暴れ回って釣り人を翻弄させるため、傍から見ると釣り人が「かっぽれ」を踊っているように見えることに由来する。一方、学名の種名"lugubris"は「陰鬱な」「不吉な」という意味がある[4]。英名は"Black jack"(黒いアジ)で、体色が黒っぽいことに由来する[5]。
特徴
[編集]成魚は全長1m・体重17.9kgの記録があるが、通常は全長70cmほどまでである。アジ科の中では大型種だがギンガメアジ属の中では中型である[5]。
体は長楕円形で体高が高く、側扁する。ギンガメアジ属としては額が高く前方に角張る。体色は緑褐色か黒褐色で、銀色光沢がやや鈍く、全体的に黒っぽい。側線は第二背鰭・臀鰭起部の間から直走し、この直走部の稜鱗は大きく、しかも黒いので目立つ。鰭は胸鰭・第二背鰭前端・臀鰭前端が鎌状に伸び、尾鰭も大きい。鰭の色は全体的に黒いが、第二背鰭前端部や臀鰭が白く縁取られる。胸に無鱗域はない[3]。
全世界の熱帯・亜熱帯海域に広く分布する。日本での分布域も三重県以南の暖流の影響が強い海域で、南西諸島や小笠原諸島で多く見られる[1][3]。
成魚はサンゴ礁・岩礁域の外洋に面した斜面に生息する。通常は水深25-65mの範囲に多いが、それより深い所にも生息し、水深354mから漁獲された記録もある。成魚は単独か小さな群れで生活し、主に夜に餌を探す。食性は肉食性で、主に小魚を捕食する[3][5]。
利用
[編集]釣りや定置網等の沿岸漁業で漁獲される。熱帯地方では重要な食用魚の一つにもなっている[3]。他のアジ類と同様に刺身、煮付け、塩焼き等で食べられる。ただしシガテラ中毒の報告もあり、大型個体を食べると中毒する可能性がある[5]。
大型魚なので大物釣りの対象にもなる。釣り針に掛かると強い力で抵抗し岩礁域に逃げ込むため、岩との摩擦で釣り糸を切られてしまうことも多い[1]。
参考文献
[編集]- ^ a b c 石川皓章『釣った魚が必ずわかるカラー図鑑』2004年 永岡書店 ISBN 4522213727
- ^ 檜山義夫監修『野外観察図鑑4 魚』1985年初版・1998年改訂版 旺文社 ISBN 4010724242
- ^ a b c d e 岡村収・尼岡邦夫監修『山渓カラー名鑑 日本の海水魚』(アジ科解説 : 木村清志)1997年 ISBN 4635090272
- ^ 中村庸夫『魚の名前』2006年 東京書籍 ISBN 4487801168
- ^ a b c d Caranx lugubris - Froese, R. and D. Pauly. Editors. 2009. FishBase. World Wide Web electronic publication. version (11/2009)