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カドモインダイト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カドモインダイト
茂世路岳産のカドモインダイト
分類 硫化鉱物
チオスピネルグループ
シュツルンツ分類 2.DA.05
化学式 CdIn2S4
結晶系 立方晶系
対称 Fd3m
単位格子 a = 10.81 A; Z = 8
モル質量 470.32 g/mol
晶癖 微視的な八面体結晶
断口 貝殻状
光沢 ダイヤモンド光沢
黒色から暗茶色
透明度 半透明
光学性 等方性
文献 [1][2]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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カドモインダイト(Cadmoindite, CdIn2S4)は、希少なカドミウム-インジウム硫化鉱物で、択捉島茂世路岳の高温(450-600℃)噴気孔火道周辺で発見された。チェコ共和国ボヘミアのカタリナ炭鉱でも報告されている[2]

学名は、インダイト[3]Indite, FeIn2S4)のカドミウムCadmium)に置換していることによる[2]

結晶構造

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カドモインダイトは、8つの四面体配位及び16個の四面体配位陽イオン部位を持つ立方体の単位胞により定義されるスピネル構造を持つ。陽イオン部位におけるCd(II)とIn(III)の分布は、2つの種が等電子的であるため標準的なX線回折により解明するのは困難であるが、合成標本のラマン分光法[4]密度汎関数理論のシミュレーション[5]により、四面体部位の約20%がIn(III)陽イオンで占められていることが示される。

出典

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  1. ^ Cadmoindite Webmineral Data
  2. ^ a b c Cadmoindite mineral information from Mindat.org
  3. ^ Indite, mindat.org
  4. ^ Ursaki, V. V.; Manjon, F. J.; Tiginyanu, I. M.; Tezlevan, V. E. (2002). “Raman scattering study of pressure-induced phase transitions in MIn2S4 spinels”. J. Phys.: Condens. Matter 14 (27): 6801. doi:10.1088/0953-8984/14/27/304. 
  5. ^ Seminovski, Y.; Palacios, P.; Wahnon, P. M.; Grau-Crespo, R. (2012). “Band gap control via tuning of inversion degree in CdIn2S4 spinel”. Applied Physics Letters 100 (10): 102112. arXiv:1202.4752. Bibcode2012ApPhL.100j2112S. doi:10.1063/1.3692780.