ガンピ
ガンピ | ||||||||||||||||||||||||
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ガンピ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Diplomorpha sikokiana (Franch. et Sav.) Honda (1930)[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ガンピ(雁皮)、カミノキ[1] |
ガンピ(雁皮[4]、学名: Diplomorpha sikokiana)はジンチョウゲ科ガンピ属の落葉低木である。奈良時代から製紙原料として用いられている。別名はカミノキ[1]。
名称
[編集]和名「ガンピ」の名の由来は、カニヒ(伽尼斐)という植物の古名から転化したという説と、カミヒ(紙斐)が訛ったともいわれている。
分布・生育地
[編集]生育する東限は静岡の伊豆、北限は石川の加賀市付近までである。四国、九州(黒髪山)、静岡、兵庫などに多く分布する[4]。暖地を好み、山中の日当たりのよいところに生える[4]。
特徴
[編集]落葉広葉樹の低木で、高さ1.5 - 2メートル (m) になる[4]。枝はなめらかで濃褐色をしており、若い枝には毛がある[4]。葉は互生し、長さ3 - 5センチメートル (cm) の卵型で、全体に絹毛がある[4]。特に葉の裏面に絹毛が多く生える[4]。
花期は初夏(5 - 6月)[4]。枝の先に黄色の小花が頭状に数個集まってつく[4]。花には花弁がなく、萼が長さ7 - 8ミリメートル (mm) の筒状になり、先端が4裂して花冠状になる[4]。雄蕊は8個つく[4]。
果期は10 - 11月[4]。果実は痩果で、長さ5 - 6 mmの紡錘形をしており、萼筒に包まれて褐色に熟す[4]。
人工栽培
[編集]野生品は乱穫しすぎで収穫量は減少傾向にあるため、困難であるものの人工栽培が試みられている。実生、根分け、挿し木などにより苗を育てるが、1年目の植え替えの際によほど注意しないと枯死する[5]。苗を植え付けて3年目に第一回の収穫を行うが、4月 - 11月が適当。生皮を剥ぎ、乾燥して出荷する。製紙の過程は三椏和紙などと同様。
利用
[編集]樹皮の繊維がきめ細かく、高級和紙の原料となる[4]。繊維は楮の3分の1程度と短く、その質は優美で光沢があり、平滑にして半透明でしかも粘性があり緊縮した紙質となる。
富山県(主に県東部の地域)では模造紙のことを雁皮という。新方言の一つ。
歴史
[編集]遣唐使と共に唐に渡った最澄が、わざわざ土産として筑紫の斐紙(雁皮紙)を200張り持参している。当時紙の先進国であった中国に、土産として持参できるほどに高い評価を得ていたことになる。平安期の公家の女流詩人たちに、かな文字を書くのにもっともふさわしい紙として愛用され、中世から近世にかけて、鳥の子紙の名で紙の王としてその名を知られている。
脚注
[編集]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Diplomorpha sikokiana (Franch. et Sav.) Honda ガンピ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Wikstroemia sikokiana Franch. et Sav. ガンピ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Daphne sikokiana (Franch. et Sav.) Halda ガンピ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 45.
- ^ 渡辺資仲「ガンピ」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p128 日本林業技術協会 1984年
参考文献
[編集]- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、45頁。ISBN 978-4-05-403844-8。