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カワサキ・W175

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カワサキ・W175
W175 SE
W175 SE
基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗カワサキ
エンジン 177 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 65.5 mm × 52.4 mm / 9.1:1
最高出力 9.6 kW (13 PS) / 7,500 rpm
最大トルク 13.2 N⋅m (1.3 kgf⋅m) / 6.000 rpm
車両重量 126 kg
      詳細情報
製造国 インドネシアの旗 インドネシア
製造期間 2017年 -
タイプ
設計統括
デザイン
フレーム セミダブルクレードル
全長×全幅×全高 1,930 mm × 765 mm × 1,030 mm
ホイールベース 1,275 mm
最低地上高 165 mm
シート高 780 mm
燃料供給装置 キャブレター (VM24)
始動方式 エレクトリックスターター
潤滑方式 強制潤滑方式
駆動方式 チェーン駆動
変速機 常時噛合式5段リターン
サスペンション テレスコピックフォーク (インナーチューブ径30 mm)
スイングアーム
キャスター / トレール 26.0° / 76 mm
ブレーキ シングルディスク (外径220mm)
ドラム (外径110mm)
タイヤサイズ 80/100-17M/C 46P
100/90-17M/C 55P
最高速度 190
乗車定員
燃料タンク容量 13.5 L
燃費
カラーバリエーション
本体価格
備考
先代
後継
姉妹車 / OEM カワサキ・バラコ英語版
同クラスの車
テンプレートを表示

W175は、2017年からカワサキモータースが製造している単気筒バイクである[1]

日本国外で販売されており、サイドカーのベースとしてフィリピンで販売された「バラコII」を基にして、タンクやヘッドライトなどを変更してクラシカルな雰囲気に仕上げた[2]。他のWシリーズエストレヤ(現在はW250)と並んでレトロなスタイルが特徴的である[3][4][5]

概要

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カワサキは、2017年11月にジャカルタでワールドプレミアを開催し、インドネシア国内向けに販売を開始した[6][7]。現在はタイフィリピンといった東南アジア市場や、ウルグアイメキシコボリビアなどのラテンアメリカ市場に輸出されている[8][9][10][11][12]

W175は、チョッパー英語版スタイルの改造車両を所有するインドネシアのジョコウィ大統領や西ジャワのリドワン・カミル知事など、バイク改造愛好家や著名人の間で人気を博した[13][14][15][16][17]

バリエーションはW175 SE、W175 Cafe、W175 TR(デュアルパーパス)など、いくつかの異なる仕様で販売されている。デュアルパーパスを除くすべての仕様には、ティアドロップ型の13.5Lの燃料タンクがある[18][19]。W175 TRは7.5L燃料タンクを備えている。灯火類には、H4 60/55ヘッドライトにハロゲン電球を使用し、クリアマルチリフレクターを採用している[20][21]。ウインカーランプやサイドミラーはKLX150と同じパーツを使用している[20]

2024年モデルではW175 SEとW175 Cafeの塗装色が変更され、前者にはレッドおよび淡い青、後者にはシルバーと濃い目のブルーとそれぞれ2色が採用された[22]

メカニズム

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エンジンはリジッドマウントとしているが、クランクの前方に1軸バランサーを装着しているため振動は非常に少ない[2]。低中速域を重視したような性格であり、実用性を意識したためなのか加速におけるトルクの変化は少なく、高回転まで引っ張ってもパワーが盛り上がることなくそのままレッドゾーンまで回る[23]W800と同様にキックスターターがなく、代わりにエレクトリックスターターが装備されている。サイドスタンドは標準装備されているがセンタースタンドがないほかに、タコメーターや燃料インジケーターが装備されない[24][25][26]

インドネシアやベトナム仕様では燃料供給装置にミクニ製VM24キャブレターを採用し、メンテナンス性を高めている[27]。リヤサスペンションのショックアブソーバーはプリロードを5段階に調整可能で、前輪側に取り付けられるブレーキは外径220mmのディスクブレーキとなる[2]

インド向けはインジェクション仕様とし、触媒を内蔵したことでEURO5並の排出ガス規制をクリアしている。また、法律で義務化されているABSが前輪に装備されている[28]。この影響で前輪側に取り付けられるブレーキは外径270mmのディスクブレーキとなる[2]。ちなみにこちらの仕様は、インドネシアに逆輸入されて2025年モデルにW175 Lとして追加された。

パフォーマンスに関しては、自動車ジャーナリストチームによるテストで最高速度は110.1km/hに達した。テストによれば、バイクは時速100kmまでの加速に16.3秒かかった[25]

バリエーション

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  • SE - クロームメータークラスターリング、燃料タンクラバーパッド、ブラックリム、リブ付きシート
  • Cafe - カラードリアショックアブソーバー、クロームエキゾーストカバー、ヘッドライトバイザー、カフェレーサースタイルシート、専用グラフィック(シート高:785mm)
  • TR - オフロードスタイルのフロントフェンダー、流線型の燃料タンク、高い最低地上高、金属製アンダーガード
  • L - インジェクション仕様、ABS内蔵、「KAWASAKI」プレート(インド仕様のスタンダードと同じ)

なお、寸法は各仕様によって微妙に異なる。

脚注

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  1. ^ Katana, Satria (20 Nov 2017). “kawasaki rilis w175 motor retro karburator seharga 29.8 juta”. Autonetmagz. 27 Apr 2021閲覧。
  2. ^ a b c d 大屋雄一 (2020年2月24日). “カワサキ W175 SE 試乗インプレッション【30万円弱で想像以上の完成度】”. ヤングマシン. 2024年10月18日閲覧。
  3. ^ W175”. Top Gear Philippines. 27 Apr 2021閲覧。
  4. ^ Sharma, Punya (17 Feb 2021). “kawasaki-w175-gets-a-new-shade-in-indonesia”. Bike Dekho. 27 Apr 2021閲覧。
  5. ^ M, Surendrar (13 Oct 2020). “retro-styled-kawasaki-w175-could-create-a-niche-segment-in-india”. Gaadi Waadi. 27 Apr 2021閲覧。
  6. ^ Fachrudin, Fachri (20 November 2017). “W175 Melanjutkan Tradisi Kawasaki di Indonesia”. Kompas.com. 15 April 2021閲覧。
  7. ^ Tipan, Eric (15 Feb 2018). “awasaki-launches-8-new-motorcycles”. Manila Bulletin. 27 Apr 2021閲覧。
  8. ^ kawasaki-w175-buatan-indonesia-siap-merambah-ke-asia-tenggara.html”. Semisena (Nov 2017). 28 Apr 2021閲覧。
  9. ^ Nueva W175 SE”. Kawasaki Uruguay (2019年). 28 Apr 2021閲覧。
  10. ^ 2020 W175 SE”. Kawasaki Bolivia (2020年). 28 Apr 2021閲覧。
  11. ^ W175 AUTHENTIC RETRO: DOORWAY TO THE "W" WORLD”. Kawasaki Thailand (2020年). 28 Apr 2021閲覧。
  12. ^ W175”. Kawasaki Philippines (2020年). 28 Apr 2021閲覧。
  13. ^ Dirgantara, Dimas Fitra (21 Feb 2021). “Selain bobber milik Jokowi, Berikut 5 pilihan modifikasi kawasaki W175”. IDN Times.com. 27 Apr 2021閲覧。
  14. ^ Nugroho, Adhit (25 Aug 2020). “Kawasaki W175 Cafe The Little Racer”. Drive Tribe. 27 Apr 2021閲覧。
  15. ^ Ravel, Stanly (5 Nov 2018). “Ini Detail Chopper Kawasaki W175 Milik Jokowi”. Kompas. 27 Apr 2021閲覧。
  16. ^ Maulana, Aditya (15 Jan 2019). “kawasaki-cukup-percaya-diri-dengan-motor-retro”. Kompas.com. 27 Apr 2021閲覧。
  17. ^ Kendarai Motor Presiden Jokowi Jajal Jalan Perbatasan Kalimantan”. www.presidenri.go.id (19 Dec 2019). 27 Apr 2021閲覧。
  18. ^ 2019 W175”. Kawasaki Motor Indonesia (2019年). 16 April 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。15 April 2021閲覧。
  19. ^ 2020 W175TR”. Kawasaki Motor Indonesia (2020年). 15 April 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。15 April 2021閲覧。
  20. ^ a b Putra, Taufan Rizaldi (9 Dec 2017). “Ini Hasil Lengkap Test Ride Kawasaki W175 Ternyata Mantap Juga Bro”. GridOto.com. 27 Apr 2021閲覧。
  21. ^ Ferdian, Ignatius (3 Jan 2021). “Kawasaki W175 Kustom Jadi Kado Ridwan Kamil ke Istri Bawa Konsep Klasik dan Elegan”. GridOto.com. 27 Apr 2021閲覧。
  22. ^ カワサキ「W175 SE」と「W175カフェ」の2024年モデルが登場! ブラックスタイルに続くニューカラー 【海外】”. ヤングマシン (2023年8月17日). 2024年10月18日閲覧。
  23. ^ 後藤武 (2020年7月4日). “カワサキW175 Cafe試乗|パワーや力強さはないのだけれど……、今どきキャブ車なのも愛らしい。”. Motor-Fan BIKES. 2024年10月18日閲覧。
  24. ^ Syaikh, Nizam (22 Nov 2020). “kawasaki-starts-testing-w175-motorcycle-in-india-will-be-their-cheapest-model”. Shifting Gears. 27 Apr 2021閲覧。
  25. ^ a b Pradopo, Dimas (12 Jan 2018). “Wow Test Akselerasi Kawasaki W175 Tempel CB150R Tinggalkan Megapro”. GridOto.com. 27 Apr 2021閲覧。
  26. ^ Banaran, Iwan (30 Nov 2017). “Bedah Impresi Test Ride Kawasaki W175 Handling Lincah dan Engine Rileks”. IWB - Iwan Banaran. 27 Apr 2017閲覧。
  27. ^ Maulana, Aditya (16 Jan 2019). “/alasan-kawasaki-pertahankan-teknologi-jadul-pada-w175”. Kompas.com. 27 Apr 2021閲覧。
  28. ^ 小松信夫 (2022年10月1日). “カワサキ「W175」|インドで販売するために地味に大きくアップデート【小松信夫の気になる日本メーカーの海外モデル Vol.73】”. webオートバイ. 2024年10月18日閲覧。

外部リンク

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