ガールパワー
ガールパワー(英語: girl power)は、少女同士の結束、少女と若い女性の中の独立独歩の態度などを表す言葉。フェミニズムの一環としても使われる。
初期の使用と語源
[編集]「ガールパワー」という言葉の初期使用の1つに、ロンドンに拠点を置く女性グループに属する「ミント・ジュレップス(Mint Juleps)」が1987年に発表した「Girl of the Power of 6」という曲がある。
「ガールパワー」という言葉は後にパンクバンド、ビキニ・キルによって、1991年のフェミニスト・ファン雑誌のタイトルとして使われた。ボーカルのキャスリーン・ハンナは「ブラック・パワー」運動に触発されたと語っている[1]。この用語は1990年代前半と中頃のパンク・ロック文化で人気を博した。「ローリング・ストーン」は、スローガンに関連したファン雑誌と議題について書いている。「ビキニ・キルのファン雑誌は、彼らの音楽の外側と内側の若い女性のための議題を明記し、そのアイディアを実践した(皮肉なことに、ファン雑誌は後にイングランドのバブルガム・ポップバンド、スパイス・ガールズが選んだ『ガールパワー』スローガンを最初に作り出した)。ビキニ・キルはそのジャンルの特定の基準に対抗するために、パンクのアンダーグランドで評判を得た。例えば、女性が正面から押し出されず、女性にマイクを持ち、性的虐待について話すように呼びかけた。」[2]。
この言葉は、最初はライオット・ガールに関連付けて「grrrl power」と綴られることがあった[3][4]。ウェールズのバンド、ヘレン・ラブ[5]、プラムステッドのパンクデュオ、シャンプーなどいくつかのバンドが1990年代初期に曲名に「ガールパワー」を採用している[6]。
スパイス・ガールズと学問
[編集]しかし、この言葉は1990年代半ばにイギリスの5人組ガール・グループ、スパイス・ガールズと共に主流となった[7][8][9]。大学教授のスーザン・ホプキンスは2002年に著書「Girl Heroes:Popular Culture」の中で、20世紀末の「ガールパワー」スパイス・ガールズと女性アクション・ヒーローの相関関係を示唆している[10]。スパイス・ガールズのメンバーであるジェリ・ハリウェルは、ガールパワーのイデオロギーの先駆者として、イギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーを称賛している[11][12]。
オックスフォード英語辞典
[編集]2001年に『オックスフォード英語辞典』(OED)に「ガールパワー(girl power)」が追加された[13]。この言葉は次のように定義されている。
- 「パワーを行使する女の子、その様。野心、自己主張、個人主義に現れた少女と若い女性の自立的態度。より広範に(特にスローガンとして)使用されるが、この言葉は特にポピュラー音楽に繰り返し関連付けられる。最も注目すべきは1990年代半ばに、アメリカ合衆国で短期間で著名な『ライオット・ガール』運動が行われたことである(ライオット・ガールを参照)。1990年代後半にはイギリスの女性グループ、スパイス・ガールズと結びついた。」[14]
OEDはさらに、この用語の例として、雑誌「ドリームウォッチ」2001年3月24日号におけるテレビシリーズ『ダークエンジェル』に関する記事「Angel Delight」を引用している。
- 「1980年代のサラ・コナーとエレン・リプリーの後、1990年代のスーパー・ウーマン・フォーマットはあまり親切ではなかった-ジーナを除いて。しかし、それは2000年前になって新しくなった。チャーリーズ・エンジェルやグリーン・デスティニーが映画スクリーンで嵐を巻き起こしているが、ジェームズ・キャメロンは女性戦士をテレビのスクリーンに戻すことに成功した。そして、キャメロンは、彼のターミネーターやエイリアン2のキャラクターの冷酷なフェミニズムを、ブリトニー・スピアーズのコンサートで性的に興奮したガールパワーと融合することによってそれを行ったと言える。その結果が、ダークエンジェルだ。」[15]
脚注
[編集]- ^ “Kathleen Hanna on ‘Hit Reset,’ Her Recovery and Her Feminist Path”. ニューヨークタイムズ. (2016年7月12日)
- ^ “Bikini Kill Bio”. ローリングストーン. (2017年)
- ^ Gonick, Marnina (2008). “Girl Power”. Girl Culture. Westport, Conn. [u.a.]: Greenwood Press. pp. 310–314. ISBN 978-0-313-33909-7
- ^ Leonard, Marion (1997). “'Rebel Girl, You Are the Queen of My World': Feminism, 'Subculture' and Grrrl Power”. Sexing The Groove: Popular Music and Gender. London: Routledge. pp. 230–55. ISBN 978-0-415-14670-8
- ^ “Helen Love - Gabba Gabba We Accept You”. Homepage.ntlworld.com. 2012年9月30日閲覧。
- ^ “Shampoo - Interview by Alexander Laurence”. Free Williamsburg (April 2001). 2012年9月30日閲覧。
- ^ “From Title IX to Riot Grrrls”. Harvard Magazine (January–February 2008). 2012年9月30日閲覧。
- ^ “Girl power | You've come a long way baby”. BBC News (December 30, 1997). 2012年9月30日閲覧。
- ^ Sarler, Carol (21 July 2006). “Girl Power: how it betrayed us”. Daily Mail. 2012年9月30日閲覧。
- ^ Costi, Angela (October 4, 2002). “Super Slick Power Chicks: The New Force or Elaborate Parody?”. Senses of Cinema. 2012年9月30日閲覧。
- ^ Amanda Evans and Tara Brabazon, "I'll never be your woman: the Spice Girls and new flavours of feminism." Social Alternatives 17#2 (1998): 39.
- ^ “Spice Girls: Too Hot to Handle”. Rolling Stone (10 July 1997). 7 March 2017閲覧。
- ^ “Girl power goes mainstream”. BBC News (17 January 2002). 2012年9月30日閲覧。
- ^ “OED:Girl power”. Oxford English Dictionary. 2012年9月30日閲覧。
- ^ E y e s <-> <-> O n l y[リンク切れ]