キイロサンゴハゼ
キイロサンゴハゼ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Gobiodon okinawae Sawada, Arai and Abe, 1972 | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Yellow clown goby | ||||||||||||||||||||||||
キイロサンゴハゼの分布
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キイロサンゴハゼ (Gobiodon okinawae)は、スズキ目ハゼ科コバンハゼ属に属する魚の一種。南日本からグレートバリアリーフ南端までの西太平洋に分布する。頬に白っぽい部分があるほかは、名前通り全身が鮮やかな黄色である。
特徴
[編集]体型は紡錘形で、背びれには7本の棘と10本の軟条、尻びれには1本の棘と9本の軟条がある。最大でも全長3.5cmほどの小さな魚である[1][2]。
外見は同属種のGobiodon citrinusとよく似ているが、G. citrinusは顔に青と白の模様が必ずあるのに対し、キイロサンゴハゼにはそのような模様がなく、一様に黄色であることで識別できる。
同種に対してはなわばりを防衛するが、基本的には攻撃的ではない。体表に有毒の粘液を分泌し、捕食者から身を守っている[3]。
生息環境
[編集]サンゴ礁の礁湖から礁池、礁斜面、および内湾の中ほどから湾奥などに生息する。コバンハゼ属の他種と同じく、ミドリイシ属のサンゴにすむ。1つのサンゴに単独から数尾で見られ[2]、5尾から15尾ほどの群れになることもある[1]。
食性
[編集]プランクトン食である。サンゴから離れて浮かび、群れをつくってプランクトンを食べることがある[4]。餌が近くに来るまで待ち、飛びついて食べると元の場所に戻るといった、待ち伏せ型の採食行動を見せる[3]。
繁殖
[編集]他のコバンハゼ類と同様、初めは雌として成熟し、その後雌性先熟の性転換を行い雄になるが、双方向の性転換を行う能力も持つ[4]。そのため、雌ばかりで飼育すると大きいものが雄に、逆に雄ばかりで飼育すると小さいものが雌に性転換する。
サンゴの枝に、一度に最大1000個程度の卵を円盤状に産卵する。雄は産卵後すぐに卵を受精させると、孵化までの約5日間保護する。孵化した仔魚はおよそ33日後に変態し、着底し始める。体色は40日目ごろまでに現れる[3]。
参考文献
[編集]- ^ a b Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2011). "Gobiodon okinawae" in FishBase. November 2011 version., 2012年3月9日閲覧。
- ^ a b 鈴木寿之・渋川浩一(解説)、矢野維幾(写真)『決定版 日本のハゼ』瀬能宏(監修)、平凡社、2004年、169頁。ISBN 4582542360。
- ^ a b c "Fish Tales - Let's clown around with more Gobies - the Gobiodon species", Henry C. Shultz III, Reefkeeping Magazine, October 2002, 2010年5月9日閲覧
- ^ a b Cole, Kathleen S.; Hoese, Douglas F. (2001). “Gonad morphology, colony demography and evidence for hermaphroditism in Gobiodon okinawae (Teleostei, Gobiidae).”. Environmental Biology of Fishes 61 (2): 161-173. doi:10.1023/A:1011032228716.