クエスチョン・オブ・タイム
『クエスチョン・オブ・タイム』 | ||||
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ジャック・ブルース の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
サンフランシスコ サヴェッジ・スタジオ、アルファ=オメガ・スタジオ[1] ニューヨーク エレクトリック・レディ・スタジオ、グリーン・ストリート・レコーディング・スタジオ[1] | |||
ジャンル | ロック、ジャズ・ロック、ハードロック | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック・レコード | |||
プロデュース | ジョー・ブレイニー、ジャック・ブルース | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
ジャック・ブルース アルバム 年表 | ||||
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『クエスチョン・オブ・タイム』(原題:A Question of Time)は、スコットランドのミュージシャン、ジャック・ブルースが1989年に発表した、ソロ名義では9作目のスタジオ・アルバム[2]。
背景
[編集]ブルースの他に制作の中心を担ったのは、ジミー・リップ(ギター)、ドゥギー・バウン(ドラムス)、バーニー・ウォーレル (キーボード)[3]。同年、ブルースはクリーム時代の盟友ジンジャー・ベイカーとの共演を再開しており[4]、本作では収録曲「ヘイ・ナウ・プリンセス」と「オブセッション」のレコーディングに招いた[5]。
「ブルース・ユー・キャント・ルーズ」はウィリー・ディクスンのカヴァーで、アルバート・コリンズやニッキー・ホプキンスといったゲストが迎えられた[5]。レゲエのリズムを取り入れた「KWELA」では、ブルースが1970年から1971年にかけて在籍したトニー・ウィリアムス・ライフタイム[6]を率いていたトニー・ウィリアムスがドラムスを担当している[5]。
評価
[編集]広瀬和生は『BURRN!』誌1989年12月号のレヴューで100点満点中73点を付け「幅広い音楽を余裕たっぷりに披露している」「予想以上に"真剣さ"が伝わってくるアルバムで、楽しめた」と評している[7]。また、Joe Viglioneはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、アルバムの全体像に関して「ロック界で第一級のベーシストによるアルバムとしては、熱狂的なファンにとっても普通のファンにとっても、特に親しみやすい物の一つである」、アラン・ホールズワース、ヴィヴィアン・キャンベル、ベイカーらが参加した「オブセッション」に関して「完全に『カラフル・クリーム』風の音楽性」と評している[5]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲は作詞:ピート・ブラウン/作曲:ジャック・ブルース。
- ライフ・オン・アース "Life on Earth" – 3:20
- 作詞・作曲:ジャック・ブルース
- メイク・ラヴ "Make Love" – 3:37
- ノー・サレンダー "No Surrender" – 4:25
- フライング "Flying" – 4;45
- 作詞:ピート・ブラウン、ジャック・ブルース/作曲:ジャック・ブルース
- ヘイ・ナウ・プリンセス "Hey Now Princess" – 3:17
- ブルース・ユー・キャント・ルーズ "Blues You Can't Lose" – 5:26
- 作詞・作曲:ウィリー・ディクスン
- オブセッション "Obsession" – 3:55
- 作詞:ピート・ブラウン、ジャック・ブルース/作曲:ジャック・ブルース
- KWELA "Kwela" – 5:20
- 作詞・作曲:ジャック・ブルース
- レット・ミー・ビー "Let Me Be" – 4:44
- 作詞:ピート・ブラウン、ジャック・ブルース/作曲:ジャック・ブルース
- オンリー・プレイング・ゲイムズ "Only Playing Games" – 4:42
- クエスチョン・オブ・タイム "A Question of Time" – 5:33
- 作詞:ピート・ブラウン、ジャック・ブルース/作曲:ジャック・ブルース
CDボーナス・トラック
[編集]- グリース・ザ・ホィールズ "Grease the Wheels" – 3:44
参加ミュージシャン
[編集]- ジャック・ブルース - ボーカル、ベース、ピアノ、キーボード、シンセサイザー、アコースティック・ギター、チェロ、ハーモニカ
- ジミー・リップ - ギター(#7を除く全曲)
- ヴァーノン・リード - リードギター(#1)
- ポール・バレア - スライドギター(#4)
- アルバート・コリンズ - リードギター(#6)
- アラン・ホールズワース - ギター(#7)、SynthAxe(#10)
- ヴィヴィアン・キャンベル - ギター(#7)
- マルコム・ブルース[注釈 1][8][9] - ギター(#12)
- バーニー・ウォーレル - ピアノ(#2)、シンセサイザー(#2)、キーボード(#3)、ハモンドオルガン(#4、#5、#12)、メロディカ(#11)、クラビネット(#12)、バッキング・ボーカル(#2、#3、#8、#9)
- ニッキー・ホプキンス - ピアノ(#6)
- ジョナス・ブルース[注釈 2][10] - ピアノ(#9)
- ドゥギー・バウン - ドラムス(#1、#3、#4、#6、#9、#10、#11、#12)、パーカッション(#9、#12)
- マーク・ナウシーフ - ガーニアン・ドラムス(#2、#9、#10)、パーカッション(#2、#5、#8、#9)
- ジンジャー・ベイカー - ドラムス(#5、#7)
- トニー・ウィリアムス - ドラムス(#8)
- スティーヴ・ジョーダン - パーカッション(#2)
- ザキール・フセイン - タブラ(#8、#11)、フレームドラム(#11)
- The Savage Horns - ホーン・セクション(#4、#8、#9)
- ゲイリー・ボーン・クーパー - バッキング・ボーカル(#2、#3、#8、#9、#12)、パーカッション(#12)
- The Golden Gate Boys Choir - クワイア(#10)
- The SoMa Footlights Chorus - クワイア(#11)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ブルースの次男。母親はブルースの最初の妻ジャネット・ゴドフレー。1970年生まれ。
- ^ ブルースの長男。1969年生まれ。1997年10月に重篤な喘息発作で急逝。
出典
[編集]- ^ a b “Jack Bruce - A Question of Time”. The Official Jack Bruce Website. 2021年8月8日閲覧。
- ^ Shapiro (2010), pp. 244–247.
- ^ Shapiro (2010), p. 244.
- ^ Havers, Richard (2019年10月25日). “Remembering Jack Bruce, A True Giant Of Music”. uDiscoverMusic. 2021年8月8日閲覧。
- ^ a b c d Viglione, Joe. “A Question of Time - Jack Bruce”. AllMusic. 2021年8月8日閲覧。
- ^ Skelly, Richard. “Jack Bruce - Biography & History”. AllMusic. 2021年8月8日閲覧。
- ^ 『BURRNIN' VINYL VOL.3』バーン・コーポレーション、1991年9月25日、178頁。ISBN 4-401-61348-1。
- ^ Shapiro (2010), p. 126.
- ^ “Discogs”. 2024年12月9日閲覧。
- ^ Shapiro (2010), p. 260.
引用文献
[編集]- Shapiro, Harry (2010). Jack Bruce: Composing Himself: The Authorised Biography by Harry Shapiro. London: A Genuine Jawbone Book. ISBN 978-1-906002-26-8