クビワコウモリ
クビワコウモリ | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[a 1] | |||||||||||||||||||||||||||
VULNERABLE (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Eptesicus japonensis Imaizumi, 1953 | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
クビワコウモリ | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Japanese northern Bat |
クビワコウモリ(首輪蝙蝠、Eptesicus japonensis)は、哺乳綱コウモリ目(翼手目)ヒナコウモリ科クビワコウモリ属に分類されるコウモリ。オオコウモリ科のクビワオオコウモリと混同しないよう注意。
分布
[編集]日本固有種[1][a 2]。種小名japonensisは「日本産の」の意。
石川県、岐阜県、埼玉県、静岡県、栃木県、富山県、長野県、福島県、山梨県で発見例がある[2]。1989年に乗鞍高原で繁殖集団の発見例があり[1]、野麦峠周辺でも繁殖している可能性がある[2]。
形態
[編集]体長5.5-6.5センチメートル[1][a 2]。尾長3.5-4.3センチメートル[1][a 2]。前腕長3.8-4.3センチメートル[1][a 2]。体重8-13グラム[1][a 2]。体色は黒褐色で、上毛の先端は薄褐色や白だが金属光沢がある個体もいる[1]。頸部の毛衣がやや薄色で、輪状に見えることが和名の由来になっている[3]。
分類
[編集]1951年に初めて、1953年に2例目が共に長野県で採集されて以降、1970年に富士山(1979年にも採集例あり)で採集されるまで採集例がなかった[2]。
生態
[編集]夜行性で、日没後に飛翔して採食を行い日没前には隠れ家に戻る[1]。昼間は樹洞、壁板の下や屋根裏などで休む[1]。乗鞍高原の家屋で発見された繁殖集団は100頭以上の群れを形成していた[1][a 2]。冬季の観察例はないが、晩秋から冬眠すると考えられている[1]。
メスのみで群れを形成し出産・保育を行う[1]。初夏に1回に1匹の幼獣を産むと考えられている[a 2]。生後1か月で飛翔できるようになる[1]。
種の保全状態評価
[編集]森林伐採や湿地開発による生息地の破壊などにより、生息数が減少していると考えられている[a 2]。
参考文献
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、49頁。
- ^ a b c 山本輝正、佐藤顕義、勝田節子 「長野県におけるコヤマコウモリNyctalus furvusとクビワコウモリEptesicus japonensisの採集記録」『哺乳類科学』、日本哺乳類学会、2008年、277-280頁。
- ^ 前田喜四雄 「シリーズ 日本の哺乳類 種名検討編, 日本産翼手目(コウモリ類)の和名再検討」『哺乳類科学』第36巻 2号、日本哺乳類学会、1997年、244頁。
脚注
[編集]- ^ The IUCN Red List of Threatened Species
- Maeda, K. & Sano, A. 2008. Eptesicus japonensis. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1.
- ^ a b c d e f g h 環境省 自然環境局 生物多様性センター
- ^ 環境省
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 栃木県におけるクビワコウモリEptesicus japonensis Imaizumiの初記録 栃木県立博物館研究紀要 自然 (24), 1-4, 2007
- 今泉吉典:クビワコウモリとヒメホリカワコウモリの区別点に就て 哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan Vol.1 (1952-1959) No.2 P27-28