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クマヤナギ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クマヤナギ属
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : バラ上類 Superrosids
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : マメ類 Fabids
: バラ目 Rosales
: クロウメモドキ科
Rhamnaceae
: クマヤナギ属 Berchemia
学名
Berchemia Necker ex DC. (1825)[1][2][3]
和名
クマヤナギ属[2][3][4]
  • 本文参照

クマヤナギ属(クマヤナギぞく、学名Berchemia Necker ex DC. (1825))は、クロウメモドキ科の一つ[1][2][3][4]

特徴

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落葉もしくは常緑の直立する低木から小高木、またはつる植物は黄緑色で平滑、はなく、短枝がある。は単葉で、多くは互生し、縁は全縁、葉脈は羽状脈で、4-18条の側脈が強い平行脈となって葉縁まで達する。托葉は小型で合着し、多くは宿存し、基部は枝に沿着する。花序は円錐状の複総状花序、または総状花序になり、葉腋に少数の花がつくだけのものもある。は両性で5数からなり、小型で黄緑色、花柄がある。萼筒(花托)は円板状、杯状または半球状。裂片は三角状で直立し、まれに線形になる。花弁は小さく倒卵形で内側に巻き、基部は短い爪になって萼筒の縁につく。雄蕊は5個あり、花弁と対生する。子房は上位で、2室あり、各室に胚珠が1個あり、花柱は短く、柱頭は単一か2分岐する。果実は円柱状長楕円形または倒卵状楕円形の核果で、黄色から紅色になり、さらに熟すと紫黒色になる。果実中にきわめて硬い1個の核があり、中に2室あり、各室に種子が1個ある[2][3][4]

分布

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世界に約20種ある[3]東アジア南アジアヒマラヤの温帯、熱帯地域が主要な分布地になっており、中国大陸に多くのが分布する。北アメリカニューカレドニアにもそれぞれ1種ある[3]

名前の由来

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属名 Berchemia は、17世紀のフランスの植物学者 Jacon Pierre Berthoud van Berchem への献名である[5]

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ヒメクマヤナギ沖縄県中頭郡読谷村
ホナガクマヤナギ福島県会津地方

日本に分布する種

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  • ヒメクマヤナギ Berchemia lineata (L.) DC.[6] - 姫熊柳[7]。矮性の低木で、葉はきわめて小さく、長さ5-20mm、葉の側脈は4-5対。花は総状花序につく。奄美大島以南の琉球諸島の海岸に多い。国外では、台湾中国大陸南部、インドシナに分布する[3]
  • ホナガクマヤナギ Berchemia longiracemosa Okuyama[8] - 穂長熊柳[7]。高さ2-3mの直立する低木。葉の長さ4-10cm、葉の側脈は7-11対。花は総状花序につき、花序の長さは5-10cmで花が密につく[3]。日本固有種[9]。本州の日本海側に分布し、山地に生育する[3]
  • オオクマヤナギ Berchemia magna (Makino) Koidz.[10] - 大熊柳[4]。つる性の低木で他の樹木に巻きついて高くのぼる。葉は大きく、長さ3.5-9cm、葉の側脈は9-13対。主枝の先の花は複総状花序につき、第2次花序柄も再分枝する。本州の関東地方以西、四国、九州に分布し、山地に生育する。国外では、中国大陸中部に分布する[3]
  • ミヤマクマヤナギ Berchemia pauciflora Maxim.[11] - 深山熊柳[7]。高さ2-3mの直立する低木。葉は長さ2.5-4cm、葉の側脈は5-7対。花は総状花序につき、花序の長さは1-3.5cmと短く花が疎らにつく[3]。日本固有種[9]。本州の関東地方甲信地方に分布し、山地の岩石地に生育する。稀な種[3]
  • クマヤナギ Berchemia racemosa Siebold et Zucc.[12] - 熊柳[7]。つる性の低木。葉の長さ4-6cm、葉の側脈は7-8対。主枝の先の花は複総状花序につき、第2次花序柄は再分枝しない[3]。日本固有種[9]。北海道、本州、四国、九州に分布し、丘陵地、山地に生育する[3]

上記以外の主な種

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  • アリサンクマヤナギ Berchemia arisanensis Y.C.Liu et F.Y.Lu[13] - 台湾に分布[14]
  • フンキコクマヤナギ Berchemia fenchifuensis C.M.Wang et F.Y.Lu[15] - 台湾に分布[16]
  • タイワンクマヤナギ Berchemia formosana C.K.Schneid.[17] - 台湾に分布[18]

脚注

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  1. ^ a b Berchemia (Neck.) DC. (1825), Tropicos.
  2. ^ a b c d 『原色日本植物図鑑 木本編I(改訂版)』pp.246-248
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 五百川裕 (2016) 「クロウメモドキ科」『改訂新版 日本の野生植物 2』pp.317-319
  4. ^ a b c d 太田和夫 (2001)「クロウメモドキ科」『山溪ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花2』pp.512-515
  5. ^ 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1451
  6. ^ ヒメクマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  7. ^ a b c d 『新分類 牧野日本植物図鑑』pp.650-651
  8. ^ ホナガクマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  9. ^ a b c 秋山忍 (2011)「クロウメモドキ科」『日本の固有植物』p.89
  10. ^ オオクマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  11. ^ ミヤマクマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  12. ^ クマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  13. ^ アリサンクマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  14. ^ Berchemia arisanensis, International Plant Names Index.
  15. ^ フンキコクマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  16. ^ Berchemia fenchifuensis, International Plant Names Index.
  17. ^ タイワンクマヤナギ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  18. ^ Berchemia formosana, Tropicos

参考文献

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  • 北村四郎・村田源著『原色日本植物図鑑 木本編I(改訂版)』、1984年、保育社
  • 茂木透写真、高橋秀男・勝山輝男監修『山溪ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花2』、2009年改訂、山と溪谷社
  • 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
  • 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 2』、2016年、平凡社
  • 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』、2017年、北隆館
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
  • International Plant Names Index
  • Tropicos