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クモガイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クモガイ
分類
: 動物Animalia
: 軟体動物Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
亜綱 : 新生腹足亜綱 Caenogastropoda
: タマキビ型目 Littorinimorpha
: ソデボラ科 Strombidae
: クモガイ属 Lambis
: クモガイ L. lambis
学名
Lambis lambis (Linnaeus1758)

クモガイ(蜘蛛貝) 学名Lambis lambis は、スイショウガイ科(ソデボラ科)に分類される海産の巻貝の一種。日本以南のインド西太平洋の浅海に生息する。殻長50~200mm前後で、殻口縁に長い突起が複数出ており、和名はこれをクモの脚に例えたもの。食用貝。

分布

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紀伊半島以南から熱帯インド洋や西太平洋域に広く分布する[1]。サンゴ礁の礁原や砂地に生息する。

形態

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殻長170mm前後、殻は紡錘形で螺肋は太い。殻口から外唇の周辺に7本の長い突起が発達する。水管溝はややねじれる[1]

分類

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日本に分布する類似種として以下の種類が知られている。

  • サソリガイ Lambis crocata (Link1807) - 殻長150mm前後、殻口外縁に7本の突起が発達し、前方の3本と下端の1本は強く右に曲がる。これらの突起はクモガイのそれよりずっと長い。殻口内は強いオレンジ色で、筋彫刻などがなく平滑。紀伊半島以南に分布。
  • フシデサソリ Lambis scorpius (Linnaeus1758) - 殻長150mm前後、上記サソリガイと同型で、7本の突起が節くれ立ち、殻口中心部が黒紫色でそこに多数の白く強い横筋がある。紀伊半島以南に分布。
  • ラクダガイ Lambis sebae (Kiener, 1843) - 殻長200mm以上に達する大型種で、殻口外縁に7本の短い突起がある。殻口内は肉色で平滑。九州南部以南に分布。
  • スイジガイ Harpago chiragra (Linnaeus1758) - 別属のスイジガイ属に分類される大型種。殻口外唇縁に太めの6本の突起を有し、その全形が漢字の「水」に見立てられる。紀伊半島以南に分布。

生態

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利用

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食用

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本邦では沖縄諸島から八重山諸島一帯において古くから利用され、その価値の高さから種苗生産や技術開発が試みられている。

装飾

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同科別属のスイジガイ Harpago chiragra のように特徴的な殻形態を有するが、本種には火難除けや魔除けとしての風習利用はなく、もっぱら殻そのものを愛でる、もしくは貝細工に利用される程度である。

脚注

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  1. ^ a b 奥谷喬司(編著)「日本近海産貝類図鑑(第二版)」東海大学出版部、2000年12月、1375pp.