コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

クライスラー・レバロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クライスラー・レバロンChrysler LeBaron)(クライスラー・レバロン・GTSChrysler Lebaron GTS)、クライスラー・ファントムChrysler Phantom))は、クライスラー社が生産/販売していたミッドサイズ/コンパクトサイズの乗用車である。

レバロン(LeBaron)とはスペイン語で「男爵(Le Baron)」という意味である。スペイン語で読むとレバロンであるが英語ではルバロンと読むため「クライスラー・ルバロン」とよばれることもある。 また、本来は「LeBaron」ではなく「Le Baron」であるためクライスラー・レ・バロンクライスラー・ル・バロンとよばれることもある。

レバロンは元々はクライスラーの最上級ブランド、インペリアルで使用していた名前であった。

初代レバロン(1977 - 1981年)

[編集]
クライスラー・レバロン(初代)
1977 - 1979年型 レバロン
概要
販売期間 1979年 - 1981年
ボディ
乗車定員 6人
ボディタイプ ミッドサイズ・2ドア・クーペ、4ドア・セダン、4ドア・ステーションワゴン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 「225ci L6」「318ci V8」
変速機 3速AT
系譜
後継 クライスラー・ニューヨーカークライスラー・ニューヨーカー・フィフスアベニュー
テンプレートを表示
1977-1979年レバロン
1980年レバロン・ワゴン
1981年型レバロン・フィフスアベニュー

1977年に新開発のミッドサイズのMボディーを使用して登場した。 2ドア・クーペは同社の中・高年齢向けミッドサイズ・クーペのクライスラー・コルドバの若者向けバージョンというかたちで登場した。 4ドア・セダン、ステーションワゴンはクライスラー初のミッドサイズとなった。 姉妹車はダッジ・ディプロマット(カナダでの名前はプリムス・カラベル)。

1980年にモデルチェンジ(ビッグマイナー)し、同年から上級モデルのレバロン・フィフスアベニューも登場する。 このレバロン・フィフスアベニューは1982年からニューヨーカー・フィフスアベニューに改名され進化していくことになる。

1981年のみポリス・パッケージ(警察使用車)が存在する。

2代目レバロン(2ドア1982 - 1986、4ドア1982 - 1988年)

[編集]
クライスラー・レバロン(2代目)
1985 - 1988年型 レバロン・セダン
概要
販売期間 2ドア1982 - 1986年、4ドア1982 - 1986年
ボディ
乗車定員 5、6人
ボディタイプ コンパクトサイズ・2ドア・クーペ、2ドア・コンバーチブル、4ドア・セダン、4ドア・ステーションワゴン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 「2.2 L4」「2.2 L4 ターボ」「2.5 L4」「2.6 L4」
変速機 5速MT/3速AT
テンプレートを表示
1982 - 1984年型 レバロン・ワゴン
1984年型 レバロン・コンバーチブル
1986年型 レバロン・クーペ

1982年、レバロンはミッドサイズからコンパクトサイズのKカーにフルモデルチェンジする。

同時に米国では久々となる2ドアコンバーチブルも用意された。 2ドアコンバーチブルは安全の問題で1976年型のキャデラック・エルドラドを最後に姿を消していたが、当時の会長リー・アイアコッカの市場調査の結果、小規模な市場であるが、「運転好きの人々にドライブの楽しさを取り戻す」ことを目的に用意された。 価格帯は1万4000ドルであったが、必要資金の大きさを考え失敗を予想するものが多かったが、実際は発表直後大量の注文が入っていた。 注文主のなかにはブルック・シールズの名前もあったという。

1985年にモデルチェンジ(マイナー)する。

2ドア・クーペ、2ドア・コンバーチブルは1986年を最後にKカーベースのものが生産終了し、1987年からはJボディー(2代目)を使用してフルモデルチェンジした。

なお4ドアは1988年まで生産される。

コマーシャルの出演者は1975年~1981年までクライスラー・コルドバのコマーシャルに出演していたリカルド・モンタルバンであった。 リカルドは、他のクライスラー車のコマーシャルにも出演していた。

GTSシリーズ(1985 - 1989年)

[編集]
クライスラー・レバロンGTS / レバロン
85 - 88年型 レバロンGTS
概要
販売期間 1985年 - 1988年、1989年
ボディ
乗車定員 5、6人
ボディタイプ ミッドサイズ・5ドア・ハッチバック
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 「2.2 L4」「2.2 L4 ターボ」「2.5 L4」
変速機 5速MT/3速AT
テンプレートを表示

レバロンGTSは、名前こそレバロンの名が含まれるが、プラットフォーム、ボディパネル共にレバロンとは別のものが用意されたスポーツセダンとして登場した派生モデルである。

レバロンGTSは小型のスポーツセダンとして開発され、当時の海外製スポーティセダンよりも優れた性能を売りにしていた。

初期のレバロンGTSにはベースモデルというものがなく「ハイライン」がベースモデルの役目をはたしていた。その上級には「プレミアム」が用意されていた。

1986年のみに"パシフィカ"という限定モデルが販売されている。


なお、このレバロンGTSは、1989年のみ普通の"レバロン"として販売されており、これは1988年に生産終了したレバロンと1990年から販売される新型レバロンまでの"つなぎ"といったカタチのモデルであった。 この1989年型レバロンに関しては、グレードは"GTS"のみとなっており、前年までのレバロンGTSと内容が同じであることを物語っている。

3代目 レバロン(2ドア 1987 - 1995年)

[編集]
クライスラー・レバロン(3代目)・クーペ、コンバーチブル/クライスラー・ファントム
92年型 レバロン・GTC
概要
販売期間 クーペ1987 - 1993年、コンバーチブル1987年 - 1995年
ボディ
乗車定員 5、6人
ボディタイプ ミッドサイズ・2ドア・クーペ、コンバーチブル
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 「2.2 L4 ターボ」「2.5 L4 ターボ」「2.6 L4」
変速機 3AT、4AT、5MT
系譜
後継 クライスラー・セブリング
テンプレートを表示
87~92年型 レバロン・クーペ(リトラクタブルヘッドライト開状態)
93~95年型 レバロン・コンバーチブル

レバロン・クーペとコンバーチブルは4ドアよりいち早く1987年にフルモデルチェンジを行った。 この時点で2ドアと4ドアは名前は同じもののプラットフォームの共有はしなくなっていた。 大きさはコンパクトサイズからミッドサイズに大型化したが、そのモダンでエアロダイナミックなデザイン、性能などで先代に負けない人気を博した。

メキシコでは4ドアのレバロンと区別するため「クライスラー・ファントム」の名前で販売され、より高性能な「ファントム・R/T」が存在した。

日本にも正式輸入されていた。

1987年~1992年まではヒデュン・ヘッドライト(リトラクタブル・ヘッドライト)が採用された。

アメリカの人気ドラマヴェロニカ・マーズの主人公「ヴェロニカ・マーズ(クリスティン・ベル)」の愛車が1993年~1995年型のレバロン・コンバーチブル(外装:黒、内装:タン)であり日常生活の移動手段として使用されていた。

3代目 レバロン(4ドア 1990 - 1994年)

[編集]
クライスラー・レバロン(3代目)、クライスラー・ニューヨーカー、クライスラー・サラトガ
レバロン・ランダウ
概要
販売期間 1990 - 1994年
ボディ
乗車定員 5、6人
ボディタイプ ミッドサイズ・4ドア・セダン
駆動方式 FF
パワートレイン
エンジン 「2.5 L4」「3.0 V6」
変速機 3AT、4AT
系譜
後継 クライスラー・シーラス
テンプレートを表示
1994年型 レバロン・LE
1992年型 サラトガ
1994年型 サラトガ・LE

2ドアのフルモデルチェンジから3年過ぎてからのフルモデルチェンジとなった。 2ドア同様、コンパクトサイズからミッドサイズに大型化した。

同クラスのセダンと比べると手ごろな価格ながら、国内外の高級セダンに劣らない装備が設定されていた。

メキシコでは「レバロン」の名前で販売されていたが、姉妹車として「ニューヨーカー」の名前でもほぼ同じものが販売されていた。 このため、本来アメリカで販売されていた1988年~1993年型「ニューヨーカー・シリーズ」はメキシコでは販売されなかった。

ヨーロッパでは「クライスラー・サラトガChrysler Saratoga)」の名前で販売された。 サラトガは販売区域により、味付けが変わっており、場所によっては外見がシンプルにまとめ上げられたスポーティ仕様に、場所によっては米国版レバロンと同じものが販売されていた。