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クラフティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラフティ
クラフティ
発祥地 フランスリムーザン地域
主な材料 砂糖小麦粉牛乳バターさくらんぼその他の果実
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クラフティ: clafoutis)は、フランスリムーザン地方の伝統菓子[1][2]

伝統的には、耐熱皿に種を抜かずにブラックチェリーを並べ、鶏卵牛乳砂糖小麦粉を混ぜたクレープ風の生地を流し込み、オーブンで焼き上げ、粗熱が取れたら粉糖をかけて供する[1][3]。生地に生クリームを入れるレシピもある[3][4]

ブラックチェリーの代わりに、赤サクランボやリンゴ、その他の果実を使うこともあるが、伝統を重んじる者の中にはこれを「クラフティ」と認めず、「フロニャルド」であると主張する人もいる[3][5][6][7]

家庭料理であるため、実際には材料も作り方も幅広いバリエーションがある[4][1]

名前の由来

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「クラフティ」の名前が記録に見られるようになったのは、19世紀後半になってからである[7][8]

語源については以下を含む諸説がある。

  • フランス語の動詞"remplir"(満たす)に相当するオック語: "clafir"または"claufir"が原形の"clafotís"が由来とする説[1]
  • 「釘で固定する」という意味の古フランス語"claufir"が語源とする説[9]

定義をめぐる争い

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1ピースのクラフティ

ラルース出版の料理事典"Larousse gastronomique"によると、アカデミー・フランセーズ辞典に記載するクラフティの定義を「果実を使ったフランの一種」にしようとしたところ、リモージュ住民の猛反対に遭い、アカデミーが「ブラックチェリーを使ったケイク(: cake)」に変更することを決めたという[10][7]。もっとも、アカデミー・フランセーズ辞典の第9版(2022年時点で最新版)では、「果実を使ったフランの一種」となっている[7][11]

脚注

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  1. ^ a b c d with the assistance of the Gastronomic Committee President Joël Robuchon ; [English edition editor Bridget Jones] (2011). New concise Larousse gastronomique : the culinary classic : revised and updated. [London]: Bounty. p. 304. ISBN 978-0-7537-2150-6. OCLC 1311055021 
  2. ^ 千石玲子; 千石禎子; 吉田菊次郎 (1989). 洋菓子用語辞典. 白水社. p. 54. ISBN 4-560-00022-0. OCLC 672918362 
  3. ^ a b c 河田勝彦; 瀬戶理恵子 (2014). 「オーボンヴュータン」河田勝彦のフランス郷土菓子. 東京: 誠文堂新光社. p. 150. ISBN 978-4-416-71396-9. OCLC 870254848 
  4. ^ a b とっておきのヨーロッパだより / この季節におひとついかがでしょうか, (2022), https://www.tsuji.ac.jp/oishii/recipe/letter/totteoki/cerise.html 13 November 2022閲覧。 
  5. ^ Cayne, A. (2017). The Haven's Kitchen Cooking School: Recipes and Inspiration to Build a Lifetime of Confidence in the Kitchen. Artisan. p. 467. ISBN 978-1-57965-787-1. https://books.google.co.jp/books?id=4W14EAAAQBAJ&pg=PT467 2022年11月13日閲覧。 
  6. ^ Branget, F.; Seaver, J. (2015). French Country Cooking: Authentic Recipes from Every Region. Arcade. p. 503. ISBN 978-1-61145-858-9. https://books.google.co.jp/books?id=8DeCDwAAQBAJ&pg=PT503 2022年11月13日閲覧。 
  7. ^ a b c d Le clafoutis, Le Monde, (2001), https://www.lemonde.fr/archives/article/2001/10/10/le-clafoutis_4187471_1819218.html 13 November 2022閲覧。 
  8. ^ >Hippolyte-François (1798-1874) Auteur du texte Jaubert, Glossaire du centre de la France. Volume 1 / par M. le comte Jaubert,…,‎ 1856-1858 (lire en ligne), p. 259.
  9. ^ Alain Rey (dir.), Dictionnaire historique de la langue française, Dictionnaires Le Robert, 1998, p. 768
  10. ^ Patrice Maubourguet, ed (1996) (フランス語). Larousse gastronomique. Paris: Larousse. p. 290. ISBN 2-03-507300-6. OCLC 413770437 
  11. ^ Dictionnaire de l’Académie française” (2022年). 13 November 2022閲覧。

関連項目

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