クラーケン海
種類 | 湖 |
---|---|
天体 | タイタン |
場所 | 北極付近 |
座標 | 北緯68度 西経310度 / 北緯68度 西経310度座標: 北緯68度 西経310度 / 北緯68度 西経310度 |
全長 | 約 1,170 km |
深度 | 約 160 m |
表面積 | 約 400,000 km² |
発見者 | カッシーニ |
名の由来 | 北欧の怪物クラーケン |
クラーケン海(クラーケンかい、英: Kraken Mare、ノルウェー語: Kraken Mare)は、土星の衛星タイタンの北極に存在する液体の湖。タイタンで2016年現在発見されている最大の湖である。
発見
[編集]2007年に土星探査機カッシーニによって発見され[1]、2008年にクラーケン海と名づけられた。名前は北欧伝承に登場する海の怪物クラーケンに由来する。
地形
[編集]クラーケン海は全長約1,170km、面積約400,000km²の広大な液体の湖で[2]、タイタンの北極地域では最大の湖だと考えられている[1]。湖の最大深さは160mほどであり、1.5cmと浅い表面張力波 が秒速0.7mで動くのが観測されている[3]。レーダー観測から、湖の主成分は炭化水素(主に液体メタン)であることが判明している。地球のカスピ海よりも大きいと見積もられている。
クラーケン海の北端には、湖で最大の島であるメイダ島が位置する。クラーケン海は、タイタン北極地域第2の湖リゲイア海と水文学的に繋がっている可能性がある。[4] 北部中央にはベイタ海峡を挟んでビミニ島とポンライ島がある。
クラーケン海の北緯67度西経317度の地点には、幅約17kmと地球のジブラルタル海峡に近いサイズの細い海峡がある。通称「クラーケンの喉」正式にはセルダン海峡と命名されたこの海峡は[5]、クラーケン海の海流にとって重要な場所だと考えられている[6]。タイタンの軌道離心率はクラーケン海に1mほどの潮汐を引き起こしている可能性があり、生み出された流れはこの水域で秒速0.5mに達し、渦を巻いているかもしれない[4]。
探査
[編集]2016年現在提案されているタイタン・サターン・システム・ミッションでは、探査機をクラーケン海に着水させ、その組成に水深、その他多くの情報を観測する計画もある。
画像
[編集]-
可視光/赤外線の画像にレーダー画像を重ねて作成したタイタン北極地域。クラーケン海の全域が示されている。
-
クラーケン海の海岸線と他の小さな島々
脚注
[編集]- ^ a b Titan: Kraken Mare
- ^ “Titan's Northern Polar Clouds”. NASA JPL (March 17, 2011). 2016年1月23日閲覧。
- ^ Hand, Eric (December 16, 2014). “Spacecraft spots probable waves on Titan’s seas”. Science 2015年1月14日閲覧。
- ^ a b Lorenz, R. D. (2014). The Throat of Kraken : Tidal Dissipation and Mixing Timescales in Titan’s Largest Sea (PDF). 45th Lunar and Planetary Science Conference (2014). The Woodlands, Texas. p. 1476. 2014年6月9日閲覧。
- ^ “Seldon Fretum”. USGS planetary nomenclature page. USGS. 2015年5月23日閲覧。
- ^ Rincon, P. (2014年3月18日). “'Waves' detected on Titan moon’s lakes”. BBC web site. BBC. 2014年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月9日閲覧。