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マイクロン・テクノロジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クルーシャルから転送)
マイクロン・テクノロジー株式会社
Micron Technology, Inc.
種類 株式会社
市場情報 NASDAQ: MU
略称
  • Micron(マイクロン)
  • MTI
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
83707‐0006
設立 1978年10月23日 (46年前) (1978-10-23)
業種 製造業
事業内容 半導体メモリ開発および製造
代表者 サンジェイ・メイロトラ (CEO)
資本金 $12,928百万
発行済株式総数 1,041,537,057
売上高 $12,399百万
営業利益 増加$168百万
純利益 減少$276百万
純資産 $12,928百万
総資産 $27,540百万
従業員数 約31,400
決算期
  • 2016年度
  • (2015年10月1日 (2015-10-01)⁓2016年9月30日 (2016-9-30)
関係する人物
外部リンク https://www.micron.com/home
特記事項:額面は連結アメリカ合衆国ドル建てである。
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マイクロン・テクノロジ: Micron Technology)(マイクロン・テクノロジー)は、アメリカ合衆国アイダホ州ボイシ市本社を置く、半導体製造多国籍企業である。

なお、ナスダック上場されている同社の株式ナスダック100指数の銘柄の一つにも成っている。

詳細

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「クルーシャル」ブランドのエンドユーザー向けSSD

マイクロン・テクノロジーは、1978年10月23日に、デニス・ウィルソンダグ・ピットマンジョー・パーキンソンの3人のエンジニアおよび弁護士であったウォード・パーキンソン(初代CEO)により[R 1]モステック向けの[R 2]半導体製品の設計会社としてアメリカ合衆国アイダホ州ボイシ市の西部にあった歯科医院建物地下室にて創業された[R 3]

現在では、同社はコンピューターにおける主記憶ストレージ用の各種半導体メモリDRAMフラッシュメモリとそれらの搭載製品群)を開発・製造・販売している[R 4]。 ただし、エンドユーザー向けの製品はクルーシャル・テクノロジーバリスティクス・ゲーミングブランドで製造・販売されている。

なお、同社は、2012年から毎年連続でTop100グローバル・イノベーターに選ばれ[R 5]研究開発では2014年時点で世界第8位と多額の投資を行っている[R 6]。 同社は、ガートナーから発表された2014年の半導体メーカー売上高ランキングでは、垂直統合型デバイスメーカー (IDM) としては世界第4位の市場シェアを持つ[R 7]

また、インテルと共同設立したIM・フラッシュ・テクノロジーズ英語版がフラッシュメモリの製造を行っている。 さらに、KTIセミコンダクターの買収で既にDRAMの開発研究拠点を築いていた日本で、更にエルピーダメモリ[R 8]買収したことで、メインフレームワークステーションPCなどの汎用DRAMの他に、モバイル用のDRAM[C 1]ラインナップに加わった。

2020年、1α(1-alpha)[1]と呼ばれるDRAMプロセス技術を公表、2021年初頭から同プロセス技術を適用したメモリチップの出荷を開始した旨を発表している[2][3]


日本法人

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日本内に登記されているマイクロン・テクノロジーの子会社は2系統存在する。

  1. 神戸製鋼所テキサス・インスツルメンツ (TI) からの流れを汲むマイクロンジャパン (MJP)(【旧】KTIセミコンダクター)[R 9]
  2. 日本電気日立製作所および三菱電機からの流れを汲むマイクロンメモリジャパン (MMJ)(【旧】エルピーダメモリ)[R 10][R 11]

新型メモリの開発

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2015年7月28日に、マイクロン・テクノロジーはインテルと共同で新型の半導体メモリとして3D XPointを発表した[4]

両社によれば以下のような特徴を有しているとしている。

  • 不揮発性のメモリセルを採用
  • NANDフラッシュメモリ比で最大1000倍のスイッチング速度と耐久性を備え、更に、DRAM比で10倍の集積度
  • メモリセルの高密度化とコスト削減の為に、その選択に従来用いられてきたトランジスタを排したクロスポイント構造を採用
  • 市松格子パターンのメモリセル配列を採用し、ノイズに因る影響を低減
  • メモリセル配列を複数層に積層した3次元構造を採用し、更なる記憶容量向上を実現

2019年現在に至るまで両社はメモリセルの詳細は公表していないが、外部企業による調査の結果相変化メモリであることが明らかになっている[5]。インテルから「Optane」として商品化された一方で、マイクロンからは「QuantX」というブランド名は発表されたものの2019年8月時点まで発売されていない[6]

沿革

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テレビ番組

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注釈

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  1. ^ モバイル用DRAMは要求仕様が顧客ごとに異なり、価格も市況で決まるのではなく、顧客との交渉や採用製品内のコスト構成比で決まる。一方で、PC用DRAMでは市場価格ベンチマークにして、数週間単位で価格の見直しが行われる。
  2. ^ テキサス・インスツルメンツの半導体メモリ事業の買収で実質的に神戸製鋼所との合弁会社となっていた
  3. ^ マイクロン・テクノロジーに買収される直前までは、東芝がIBMの出資持株全額を買い取って全額当社出資の子会社にしていた。

出典

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  1. ^ Allan, Roy A. (1 October 2001). A History of the Personal Computer The People and the Technology (英語). Ian Allan Publishing. ISBN 0968910807
  2. ^ Micronʼs first contract was for the design of a 64K memory chip for Mostek Corporation.” ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 2017年2月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g 脇英世. “アイダホのポテト王からパソコン王へ”. ITmedia. アイティメディア. 2009年3月6日閲覧。
  4. ^ Memory and Storage Products” ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 2013年11月22日閲覧。
  5. ^ Top100 グローバル・イノベーター・アワード”. クラリベイト・アナリティクス. 2017年1月1日閲覧。
  6. ^ Top semiconductor R&D leaders ranked for 2014” ((英語)). エクステンション・メディア. 2015年4月7日閲覧。
  7. ^ "Worldwide Semiconductor Revenue Grew 7.9 Percent in 2014, According to Final Results by Gartner" (Press release) ((英語)). ガートナー. 7 April 2015.
  8. ^ 2013年2月27日経営破綻して会社更生法の適用を申請した
  9. ^ a b マイクロン・テクノロジー社によるKMTセミコンダクター(株)の経営権取得について』(プレスリリース)神戸製鋼所、2000年10月18日http://www.kobelco.co.jp/column/topics-j/messages/75.html 
  10. ^ NECと日立、DRAMの合弁会社を設立』(プレスリリース)日本電気、1999年12月29日http://www.nec.co.jp/press/ja/9911/2903.html 
  11. ^ NEC日立メモリ株式会社を設立』(プレスリリース)日立製作所、1999年12月27日https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9912/1227a.html 
  12. ^ “Entrepreneur J.R. Simplot Dies At 99” ((英語)). フォーブス (フォーブス・メディア). (2008年5月26日). http://www.forbes.com/2008/05/26/simplot-micron-potato--face-markets-cx_mlm_0526autofacescan03.html 
  13. ^ “マイクロン・テクノロジー、トーマス・ニコルソン取締役の2005年度末での退任を発表”. ビジネス・ワイヤー (ビジネス・ワイヤー). (2005年8月22日). http://www.businesswire.com/news/home/20050822005853/ja/ 
  14. ^ “Simplot Reduces Stake In Micron Technology” ((英語)). シアトル・タイムズ (シアトル・タイムズ・カンパニー). (1996年7月13日). http://community.seattletimes.nwsource.com/archive/?date=19960713&slug=2338950 
  15. ^ “J.R. Simplot Further Reduces Stake In Micron Technology” ((英語)). シアトル・タイムズ (シアトル・タイムズ・カンパニー). (1996年7月31日). http://community.seattletimes.nwsource.com/archive/?date=1996-07-31 
  16. ^ KMTセミコンダクター(株)の株式譲渡契約の締結について』(プレスリリース)神戸製鋼所、2000年10月18日http://www.kobelco.co.jp/column/topics-j/messages/94.html 
  17. ^ 長広恭明 (2000年10月18日). “神戸製鋼と米Micron, KMTの株式譲渡を正式発表”. Tech-On! (日経BP社). https://xtech.nikkei.com/dm/article/NEWS/20070417/131009/ 
  18. ^ ドミニオン・セミコンダクタ社の買取によるメモリ事業体制の再編について』(プレスリリース)東芝、1999年7月7日http://www.toshiba.co.jp/about/press/1999_07/pr_j0701.htm 
  19. ^ Microelectronics Facility” ((英語)). IDC. 2013年11月22日閲覧。
  20. ^ タワージャズジャパンについて”. タワージャズジャパン. 2014年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月22日閲覧。
  21. ^ “Hughes Sees Little Financial Impact From Micron Layoffs” ((英語)). ワシントン·ポスト (WPカンパニー). (2003年2月23日). https://www.washingtonpost.com/archive/local/2003/02/23/hughes-sees-little-financial-impact-from-micron-layoffs/c0f1ae77-1b99-412e-bd6e-492d7cfdfafb/ 
  22. ^ "Aptina Imaging Enhances Technology and Product Portfolio" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 4 March 2008.
  23. ^ 加納征子 (2008年3月5日). “米Micron Technology社, CMOSセンサ事業を分社化”. Tech-On! (日経BP社). https://xtech.nikkei.com/dm/article/NEWS/20080305/148557/ 
  24. ^ "Micron Launches Aptina Imaging: A CMOS Image Sensor Division" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 4 March 2008.
  25. ^ History / Legacy” ((英語)). アプティナ・イメージング. 2014年7月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月22日閲覧。
  26. ^ “Micron to cut up to 2,000 more jobs” ((英語)). CNET (CNETネットワークス). (2009年2月23日). https://www.cnet.com/news/micron-to-cut-up-to-2000-more-jobs/ 
  27. ^ "Micron Announces Agreement to Acquire Numonyx" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 9 February 2010.
  28. ^ "Micron Announces Closing of Numonyx Acquisition" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 7 May 2010.
  29. ^ Steve Appleton 1960-2012” ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 2013年11月22日閲覧。
  30. ^ 福田昭 (2012年2月6日). “半導体メモリ大手MicronのCEO、Appleton氏が急逝”. Impress Watch (インプレス). https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/510087.html 
  31. ^ "Micron Technology Announces Update" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 3 February 2012.
  32. ^ 不本意な敗戦 エルピーダの戦い日本経済新聞出版社、2013年10月8日。ASIN 4532318998ISBN 9784532318994https://nikkeibook.nikkeibp.co.jp/item-detail/31899 
  33. ^ "Micron and Elpida Announce Sponsor Agreement" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 2 July 2012.
  34. ^ エルピーダとマイクロンがスポンサー契約に合意』(PDF)(プレスリリース)エルピーダメモリ、2012年7月2日。オリジナルの2013年12月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20131203095139/http://www.elpida.com/pdfs/pr/2012-07-02j.pdf 
  35. ^ "Micron and Elpida Announce Closing of Sponsor Agreement Transactions" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 31 July 2013.
  36. ^ エルピーダとマイクロンがスポンサー契約手続を完了』(PDF)(プレスリリース)エルピーダメモリ、2013年7月31日。オリジナルの2013年12月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20131203173001/http://www.elpida.com/pdfs/pr/2013-07-31j.pdf 
  37. ^ Annual Report” ((英語)). マイクロン・テクノロジー>. 2013年8月29日閲覧。
  38. ^ “Micron to layoff 50% of Italian workforce” ((英語)). Evertiq (ディスカス). (2014年1月23日). http://evertiq.com/design/33645 
  39. ^ “Micron Italy lay-offs escalate into international diplomatic row” ((英語)). エレクトロニクス·ウィークリー (メトロポリス·インターナショナル). (2014年1月31日). http://www.electronicsweekly.com/news/business/finance/micron-italy-lay-offs-escalate-international-diplomatic-row-2014-01/ 
  40. ^ a b "A Revolutionary Breakthrough In Memory Technology" (PDF) (Press release) ((英語)). インテル. 28 July 2015.
  41. ^ "3D XPoint Technology Media Kit" (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 28 July 2015.
  42. ^ "Introducing Intel Optane Technology ― Bringing 3D XPoint Memory to Storage and Memory Products" (Press release) ((英語)). インテル. 28 July 2015.
  43. ^ "Intel and Micron Produce Breakthrough Memory Technology ― New Class of Memory Unleashes the Performance of PCs, Data Centers and More" (PDF) (Press release) ((英語)). マイクロン・テクノロジー. 28 July 2015.
  44. ^ “Micron Layoffs: 2,400 Job Cuts, 7.5 Percent of Staf” ((英語)). チャンネルE2E. (2016年6月30日). https://www.channele2e.com/2016/06/30/micron-layoffs-2400-job-cuts-7-5-percent-of-staff/ 
  45. ^ Micron reportedly completes layoffs ((英語)). KTVB-TV. 14 July 2016.

関連項目

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外部リンク

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