クロモアガーサルモネラ培地
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クロモアガーサルモネラ培地(クロモアガーサルモネラばいち、CHROMagerTM Salmonellar)とは、サルモネラSalmonella属を糞便検体から分離するのに優れた分離培地である。 この培地には酵素基質が含まれており、酵素反応によりコロニーが発色するため鑑別が容易にできるという特徴を持つ。
培地の組成
[編集]物質 | 量 |
---|---|
寒天 | 15.0g |
ペプトン酵母エキス混合物 | 7.0g |
酵素基質・選択剤混合物 | 12.9g |
水 | 1000ml |
PH=7.6になるように調整する。
- 本品を34.9g/Lの割合で粉末を精製水にて懸濁・攪拌する。
- 100℃まで加温して沸騰させ寒天を完全融解する。
- 約50℃まで冷却してシャーレに分注した後寒天面を乾燥させる。
- 作成後の培地は、冷暗所又は室温で数日使用することが出来る。
特徴
[編集]- 培養後のコロニーがSalmonella属とそれ以外の菌とで異なった発色をするため、Salmonella属の選別が行いやすい。
- 糖分解にて反応を見ていないためSalmonella TyphiやSalmonerlla Paratyphiの様な乳糖分解菌の鑑別も容易である。[2]
培養の方法
[編集]- 培地は、平板培地を用いる。
- 培地は使用する前に、無菌試験等を行ない問題の無い物を用いる。
- 検体を採取後できるだけ速やかに培地に画線塗末する。
- 平板培地を好気条件下において、35-37℃で24時間培養する。(Salmonella TyphiやSalmonerlla Paratyphiの場合は、24-48時間培養)[2]
- 最終判定は、この培地の培養結果のみによらず、生化学的試験や免疫学的試験のにより同定を行う。[2]
主な菌の発育の性状
[編集]菌名 | 性状 |
---|---|
Escherichia coliなど | 青色 |
Puroteusなど | 無色 |
Salmonella属 | 藤色 |
CHROMagerTMSalmonella培地の改良品
[編集]- Pseudomonas属やAeromonas属の汚染の激しい検体を用いる時はCHROMagerTMSalmonella培地にセフスロジンを5%添加した、セフスロジン加クロモアガーサルモネラも有用である。[2]
その他
[編集]- 本製品は、日本国内では数社が輸入販売を行っており粉末・生培地とも販売が行われている。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 関東化学 (n.d.), クロモアガーサルモネラ 2010年2月10日閲覧。
- ^ a b c d CHROMager Microbiology (n.d.), CHROMagar Product Range:CHROMagerTMSalmonella 2010年2月10日閲覧。