クンネチカプ
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クンネチカプ(アイヌ語:Kunne-cikap)は、アイヌに伝わる妖怪[1]。
概要
[編集]吉田巌『アイヌの妖怪説話(続)』によれば、クンネチカプ(黒い鳥)はポンヤウンペの征服した北方クンネペッ(黒い川)の怪鳥だという。同じくポンヤウンペの征服した北方フウレケナシ(赤い林)にはフウレチカプ(赤い鳥)という怪鳥がいたと記されている[1]。
クンネチカプがいたクンネペッとの関連性は不明だが、中田千畝『アイヌ神話』によれば山越郡の海岸にはクンネナイ(闇の川)という場所があると記されている[2]。昔、このクンネナイにフリカムイという怪鳥が飛来した時は、太陽が覆われて光が失われ、川魚が死に、人々も死んでしまったという[3]。国縫または君縫という地名はこれに由来する[4]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 中田千畝「クンネナイ」『アイヌ神話』報知新聞社出版部、1924年、116頁。doi:10.11501/982448。 NCID BN02666782。OCLC 1402504064。国立国会図書館書誌ID:000000594542 。2024年8月14日閲覧。
- 吉田巖「アイヌの妖怪説話 (續)」『人類學雜誌』第29巻第10号、日本人類学会、1914年、397-409頁、CRID 1390282679287206400、doi:10.1537/ase1911.29.397、ISSN 00035505、NAID 130003881371、NCID BB10408187、OCLC 9658307662、国立国会図書館書誌ID:000000012475、2024年8月14日閲覧。
- 朝里樹『日本怪異妖怪事典 北海道』笠間書院、2021年、230頁
- 中島峻蔵「怪鳥神の復讐」『北方文明史話』北海出版社、1929年、360-362頁。doi:10.11501/1444073。 NCID BN06054336。OCLC 1021021971。国立国会図書館書誌ID:000000773758 。2024年8月14日閲覧。
- 太田爲三郎「クンヌイ」『帝國地名辭典 上卷』三省堂、1912年、623頁。doi:10.11501/1086067。 NAID 130000983765。 NCID BN04309833。OCLC 816842231。国立国会図書館書誌ID:000000424602 。2024年8月14日閲覧。