グヤトーン
種類 |
エレクトリック・ギター 電気・電子楽器 音楽関係機器 |
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所持会社 | 東京サウンド株式会社 |
使用開始国 | 日本 |
主要使用国 | world |
使用終了 | 2013年1月31日 |
登録商標 | 日本 |
ウェブサイト | guyatone.jp |
グヤトーン(英語: Guyatone)は、かつて東京サウンド株式会社が製造した電気・電子楽器、音楽関係機器のブランドである[1][2]。
略歴・概要
[編集]創業者の松木三男(1915年 - 1992年)は、第二次世界大戦前の1934年(昭和9年)、日本国内では初のエレクトリック・ギター(エレキギター)製造に成功、とりわけ大戦後のハワイアン・ミュージックブームを支えた[2]、日本のエレクトリック・ギター製造のパイオニア的存在である[1]。1960年代に始まる「エレキブーム」、あるいはグループ・サウンズにおいても、グヤトーンは重要な位置づけをもつ[2]。「エレキブーム」の火付け役と呼ばれたテレビ番組『勝ち抜きエレキ合戦』(1965年 - 1966年)では、模範演奏を行なった井上宗孝とシャープ・ファイブのギター奏者、三根信宏(1945年 - )がグヤトーンを使用、三根が「グヤトーン・シャープファイブ・モデル」を設計したことでも知られる[3]。
エフェクターの開発を得意としており、数多くの種類のエフェクターを世に送り出した[1]。1990年代以降には、主に「世界最小・最軽量」マイクロエフェクツシリーズ他さまざまな種類のエフェクター開発に力を注いでおり、多くのミュージシャンから愛用されている。製造元の東京サウンド株式会社は、当初はグヤ電気楽器製作所、その後改称して、1976年(昭和51年)までは「株式会社グヤ」であった。
東京サウンドの資金繰りの悪化などによる倒産の為、2013年(平成25年)1月31日をもって業務を終了と発表、1956年(昭和31年)の設立から半世紀以上の歴史に幕を閉じた[1]。倒産時の社長は松木耕一(1949年 - )[1]。
東京サウンドの業務終了後、「グヤトーン」の商標はアメリカ合衆国の楽器店経営者でビザールギター愛好家としても知られるナザニエル・デモント(Nathaniel DeMont)が取得し、グヤトーンの元ビルダー・鳥居利彦の協力の下でイリノイ州オスウェゴにおいてエフェクター[4]やギターなどを製造している。ただし、製品の多くは海外向けに発売されており、日本で入手可能なのはエフェクターやギターピックなどに留まる。
「グヤトーン」の名前の由来は、創業者である松木三男の中学時代から呼ばれていた「グヤさん」というあだ名に由来している。工作道具を常に大切にしていたことから「道具屋さん」がやがて「グヤさん」に転化、それを自社ブランド名にしたという。
脚注
[編集]- ^ a b c d e 「Guyatone」ブランドの楽器メーカー 東京サウンド株式会社 営業停止、帝国データバンク、2013年2月7日付、インターネットアーカイブ、2013年2月10日付アーカイヴ、2015年8月27日閲覧。
- ^ a b c 無念グヤトーン 初の国産エレキ 東京サウンド営業終了、東京新聞、2013年2月9日付、2015年8月27日閲覧。
- ^ minenobuhiro.com、三根信宏、2015年8月27日閲覧。
- ^ 名ブランドのグヤトーンが復活!
参考文献
[編集]- 『ギター・エフェクター実用バイブル 自分らしいサウンドを出すために 歴史と基本原理、接続&トーン攻略まで[改訂拡大版]』、デイヴ・ハンター、DU BOOKS、2014年1月15日発行 ISBN 4925064746
関連項目
[編集]- 東京サウンド
- 三根信宏
- 井上宗孝とシャープ・ファイブ
- 成毛滋 - 1980年代から1990年代まで多くの真空管アンプの開発に関与した。
- グループ・サウンズ
- ロリー・ギャラガー - 初来日時にグヤトーンのエレキギター「LG-50H」を探したが見つからず、後に同じモデルを探してもらって使用している。その後も「マロリー」や「グローリー」といったモデルを使用している。
- ハンク・マーヴィン
外部リンク
[編集]- 東京サウンド株式会社 - 公式ウェブサイト(閉鎖、2013年1月18日時点のインターネットアーカイブ)
- グヤトーン - 公式ウェブサイト(閉鎖、2012年11月16日時点のインターネット・アーカイブ)
- Guyatone.com - ナザニエル・デモントによる現在の公式ウェブサイト