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グラウンドホッグデー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グラウンドホッグデーの様子(2005年パンクサトーニー)

グラウンドホッグデー英語: Groundhog Day, Groundhog's Day)とは、アメリカ合衆国及びカナダにおいて2月2日に催される、ジリスの一種グラウンドホッグ(ウッドチャック)を使ったの訪れを予想する天気占いの行事。この日、冬眠から目覚めたグラウンドホッグが自分の影を見れば冬はまだ長引くと占われる。

同様の風習はヨーロッパ各地にあるが、ドイツのアナグマによる気象伝承の由来説が有力[注 1]

ペンシルベニア州中部のパンクサトーニー英語版の式典が、いまや動員数最大のイベントである。

同州南西部のドイツ系移民が多い地域でも[注 2]、地元のロッジ・クラブが「グルンドサウ・ダーク[注 3]と称してドイツ方言で開催している町もある。

米国他州の数多くの場所でもグラウンドホッグの予想が式典として行われる。北米カナダでもオンタリオ州ワイアートン英語版他多数の例があり、ケベック州でも2009年来ジュール・ド・ラ・マルモット (フランス語: Jour de la Marmotte)を実施している。

概要

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「グラウンドホッグ(ウッドチャック)は2月2日に冬眠から覚めるが、外に出て自分の影を見ると、驚いて巣穴に戻ってしまう」とされており、春の到来時期は、晴天(影を見た)場合は「冬はあと6週間は続くだろう」、曇・悪天候(影が見えない)場合は「春は間近に迫っている」と占われる。

もっとも有名なのはペンシルバニア州パンクサトーニー英語版で開催される恒例行事だが、北米各地で同様のイベントが行われ、テレビや新聞で報道される。

その発祥については、ペンシルバニア州のドイツ系移民の記録が最も古く、その本国ドイツやオーストリアには、アナグマを同じ2月2日の聖燭祭に観測し、これが影をみると冬が長引くという、まったく同様の気象伝承が伝わっている。また、ドイツ系移民は、グラウンドホッグのことを「ダックス」[注 4]と呼んでおり、これはドイツ語でアナグマを意味する語 dachs に通じている。カナダ東部のノバスコシア方言でグラウンドホッグデーを意味する「ダックス・デー」も同じ語源とされる[注 5]

歴史

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グラウンドホッグ

異説としては、アイルランド起源説もあるが(§ヨーロッパ起源参照)、概してグラウンドホッグデーは、ドイツ系移民の本国が発祥と考えられる[注 6]

アメリカでの最古文献

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最古の文献は、ドイツ系が多いペンシルバニア州南東部(ペンシルバニア・ダッチ・カントリー英語版)に位置するモーガンタウン英語版で書かれた日記で、1840年2月2日付で「本日。ドイツ人たちがいうところによれば、グラウンドホッグが冬のねぐらから出て、影を見ると、あと40日間[ねぐらに]こもるらしい」と記録される。書いた本人はモリスという名でウェールズ系だったが、近辺のドイツ系住民について述べている[注 7][1][2]。翌年の記帳では「影を見るとまた6週間の居眠りにつく」という表現に変わっている[注 8]

ペンシルベニア州での祝日開始

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最初にグラウンドホッグデーにおけるこの動物の観測を報道し(1886年)[4][注 9]、最初に祝日として記念したのは(1887年)、現在このデーの式典で最も有名なペンシルバニア州パンクサトーニー英語版だとみなされている[5][6]

これは地元新聞編集者の発案で始動したとされる。『パンクサトーニー・スピリット』紙の編集者のひとりクライマー・フリースは、グラウンドホッグデー考案の「父」とも称される[注 10][7][注 11]。グラウンドホッグデーが広く米国各地やカナダに広まったのも、パンクサトーニーがその伝播の震源地になっていると示唆される[9]

前身団体のロッジは食す会

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1880年代のいつごろかの時期に、パンクサトーニー・エルクス・ロッジという団体によりグラウンドホッグデーの行事が主催され始めた。ただこのロッジは、当初はグラウンドホッグを狩猟目的(食用)にすることに主眼をおいた集まりだったという[10]

「グラウンドホッグ・ピクニック」(夏季のイベント) は、1887年すでに行われているという記述もあるが[7]、別の郷土史家の説明によれば、1889年前後にロッジの宴席でグラウンドホッグ肉の料理が出され、狩猟会はその後の出来事だという[10]

グラウンドホッグ・クラブ

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1899年、ロッジ会員を中核として「パンクサトーニー・グラウンドホッグ・クラブ」というものが形成され、「グラウンドホッグ・フィースト」と称して狩猟・バーベキュー会を9月恒例行事としておこなうようになった[11][12]。ただ当日の「狩猟」の部分はしだいに形式化されてゆく(実践的でない芝居がかった狩猟となっていった)。その理由は、当日供される肉は、マリネの下ごしらえのため数日前に用意する必要があったからである[注 12][13][14]。肉の味は、「ポークとチキンを掛け合わせたよう」だったと、その頃の記事に書かれている[15]。狩猟・食事会は、対外的に十分な関心を惹けず、廃止となった[11]

パンクサトーニーが対外的にグラウンドホッグデーを報道し始めたのは(つまり来訪者に披露するのを意識した行事となり始めたのは)、1902年以降だろうとされる[16]

そしてグラウンドホッグデー行事の黎明期のPRに、この晩夏の狩猟会は密接な関わりがあった。グラウンドホッグ・クラブはまず、その狩猟会の集会所を「カヌーリッジ・ウェザーワーク」[注 13]と改名し、気象予報士の会合であると発表した[16]。その狩猟会にピッツバーグの気象局のフランク・リッジウェイを招聘し、予報対決で敗北を喫した同氏が、その復讐として「グラウンドホッグをトーストに乗せた美味しい料理」で食べるのを楽しみにしている等という筋書きで、グラウンドホッグデーと狩猟会にまたがって広報活動がされたのである[17]。リッジウェイはブレア・グラウンドホッグ[注 14]の補佐役(アシスタント)とされ[16]、また、この局長を「派遣」したことで、国家政府は同地のグラウンドホッグ気象予報を正式認定したと報じた[17]

以後の広報戦略

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パンクサトーニーは、他のライバル町であるクウァリービル英語版(1907年にロッジを設立)等と競争優位に立つため様々なPRを展開し、競争に勝利したとされる[11]。以下、報道関係のできごとの年表である:[注 15][18]

  • 1886年 新聞にグラウンドホッグデーについての記事
  • 1887年 現在のようなGobbler's Knobでの祭が公式に始まる
  • 1908年 新聞一面で報道される
  • 1913年 新聞にグラウンドホッグの写真が掲載
  • 1924年 傘と新聞を持ったグラウンドホッグのロゴが使われ始める(写真
  • 1928年 ピッツバーグのラジオ局の番組に地元ロータリークラブとともに出演
  • 1947年 新聞に祭会場でのグラウンドホッグクラブのメンバーの写真が掲載
  • 1952年 2月4日のNBCの朝のテレビ番組"トゥデイ・ショー (Today Show)"で紹介される
  • 1955年 3つのテレビ局が取材に来る
  • 1986年 この年の3月にフィルがホワイトハウスのレーガン大統領を訪れる(下段写真
  • 1993年 2月12日に映画『恋はデジャブ』が公開される
  • 2001年 ニューヨーク市タイムズスウェアでフィルの予報がライブ中継される
  • 2002年 来場者38000人を記録
  • 2003年 ペンシルベニア州知事が祭に参加

今日の行事

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グラウンドホッグデーのイベントとしてはペンシルバニア州パンクサトーニーが最も動員数が多い(約4万人[19])が、同州や他州、カナダでも行事は行われている。

パンクサトーニーのフィル

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グラウンドホッグ

パンクサトーニーのフィルとは、パンクサトーニーで飼育されている有名なグラウンドホッグの名前である。フィルは毎年2月2日に、グラウンドホッグデーの主役として、町郊外の森の中にあるゴブラーズ・ノブという丘で占いを行う[注 16]。祭は日の出前から始まり、朝の7時半のフィルの登場と天気予報がメインイベントである。言い伝えに忠実に従うならば、巣穴から出てきたグラウンドホッグの行動を観察して占いをすべきだが、実際の祭では切り株型の小屋から出てきた(引っ張り出された)フィルとともに、その年の予報が読み上げられる。

パンクサトーニー・グラウンドホッグ・クラブがフィルの普段の世話をしており、なかでも「インナーサークル」と呼ばれる特別会員達は[20]、毎年の祭を主催し、グラウンドホッグデーにはタキシードとシルクハットを着用して登場する。

フィルの名前の由来はフィリップ王だとされ、長たらしい正式名称がつけられている[注 17]。ゴブラーズ・ノブに居させられるのは当日だけで、普段はパンクサトーニーの図書館にある空調の効いた部屋で、フィリスという名の妻と一緒に飼育されており、冬眠はしていない。

フィルによる占いが始まったのは1887年で、これまでに何匹ものグラウンドホッグが「フィル」を襲名をしていると思われるが、パンクサトーニー・グラウンドホッグ・クラブは「フィルは寿命を延ばすグラウンドホッグの秘薬を飲んでいるので、毎年おなじフィルが天気予報をし続けている」と主張している。ちなみに普通のグラウンドホッグの寿命は6~10年程。また「フィルの予報はクラブのメンバーが作っているわけではなく、フィルがクラブの会長に"グラウンドホッグ語"で教えてくれている」のだという。

パンクサトーニーで祭が始まった当初は、森の中で行われる小さなイベントだったが、映画『恋はデジャ・ブ』(原題:Groundhog Day、1993年2月12日全米公開)の翌年から人口6200人あまりの町に、世界中から数万人の観光客と多くの取材陣が集まるようになった。

また、何年から始まったかは不明だが、パンクサトーニーは現在「天気予報の世界首都」を名乗っている[注 18]

北米各地のグラウンドホッグデー

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他にも同ペンシルバニア州クウァリービル英語版では、1907年にザ・スランバリング・グラウンドホッグ・ロッジという会館が設立され[注 19]、グラウンドホッグ行事に携わり[22] 、一時はパンクサトーニーとしのぎを削ったこともあった[11]

そもそも発祥の地であるペンシルバニア南西部(ペンシルバニア・ダッチと称するドイツ系移民の密集地域)では、グラウンドホッグ・ロッジが主催して住民集会(fersommling)を執行するが[23]ペンシルバニアドイツ語以外厳禁ルールで、英語を喋ると一言あたり何セントかの罰金が課せられる[24]

ニューヨーク市の公式グラウンドホッグは、スタテン島のチャック英語版である[25]

アメリカ南部では、ジョージア州リルバーン英語版ボーリガード・リー将軍英語版がおり、テキサス州アービング市のダラス大学英語版主催のものは世界第2の規模と称している[26]

アラスカ州では2009年に2月2日を「マーモットの日」として公式の休日にした。

カナダではオンタリオ州ワイアートンのウィリーが最も有名である[27]。また2009年来、ケベック州ガスペ半島ヴァル=デスポワール英語版にマルモットのフレッド(Fred la marmotte)が「マルモットの日」のマスコットとして登場し[28][29] 、ケベック州すべてを代表する気象予報マルモットとして活動している[30]ノバスコシア州シュベナカディのサム英語版等の予報が報道されるが[31]、この州の方言として、グランドホッグデーはダックスデーと呼ばれる[注 20][32]

グラウンドホッグを飼育していない動物園などでは、プレーリードッグミーアキャットハリネズミなどを代用することもある[要出典]

ヨーロッパ起源

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グラウンドホッグデーの風習は、19世紀のアメリカのドイツ系移民の間で始まった。ドイツではアナグマがこの2月2日(聖燭祭にあたる)に出て陽を浴びると4週間冬が長引くという天気占いの文句があり、この動物をグラウンドホッグに代用し、4週間を6週間としたのがドイツ系アメリカ人版である。

ドイツ語圏

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ドイツやオーストリアでは、2月2日の聖燭祭のアナグマの動向が冬の終わりを占う風習が存在した[注 21]。地域によっては、その動物はクマキツネであった[34]。本来はクマだったが、数の減少とともに他の冬眠動物に代用されたとみられる[35]

じっさい、「アナグマが聖燭祭に日浴びしたなら、あと四週間は穴に戻る(Sonnt sich der Dachs in der Lichtmeßwoche, so geht er auf vier Wochen wieder zu Loche)」という一篇の農事金言(Bauernregel気象伝承を伝える韻律詩)があるが、これがグラウンドホッグデーの風習と同然なことは既に指摘されている[注 22][36]。これとほぼ同じ字句のものも1823年の金言集に見られる[37]

グラウンドホッグとアナグマの同一視

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ペンシルバニア州のドイツ系移民のあいだでは、本国とほぼ同じ農事金言が習俗とされていたが、影を見た場合の冬の長引きが4週間から6週間になっている違いがあった[38]。そしてドイツでアナグマ(: dachs)とされていた予報動物がグラウンドホッグ(ペンシルベニアドイツ語: dox, dachs)」に代わっている[注 23][3][39]

ドイツ系移民(ペンシルベニア・ダッチ)の方言では、グラウンドホッグのことを、母国語で「アナグマ」という意味の「ダックス」と呼んでいたのである[注 24][注 25]

しかし、その名は廃れていったらしく、英名と同じ「土の豚」を意味する「グルンド'サウ(Grund′sau)」が全区で主流となっていった:これを示すのが1915年刊行の『信仰と迷信集』で、「2月2日はグルンド'サウ・ドーク。もしグルンド'サウが影を見れば..」という格言が、ペンシルベニア・ダッチ・カントリー全14郡で使用されていると記される[注 26][41][注 27]

聖燭祭

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聖燭祭の気象伝承は、そもそもは単純に、「この日が晴れなら冬は長引く」と歌ったものだとされている[38] 。この単純形の天気占いの英語版(韻律詩)は何種かあるが、以下がその一例である:

If Candlemas is fair and clear (聖燭祭の日が晴朗ならば)
There'll be twa winters in the year(今年は2つの冬がある)[注 28][43]

同様の詩は、ドイツ語やフランス語にもあり、更にはラテン語版もあるので、かなり古いと考察される[注 29][43] キリスト教の聖燭祭は、2月2日に行われたローマ帝国時代の女神フェブルア英語版を称える行進の式典(のちルペルカーリア祭)に由来するとされる。そしてローマの祭典も、もともとは、ケルト文化の導入だと見られている。2月2日はケルト歴英語版におけるインボルクと符合し、これは冬至春分の中点にあたる。インボルクなど至点分点の中間は毎年四つあり、いずれもクロス・クォーター・デイズ英語版と呼ばれてケルト文化の重要な日である[44][1]

ブリテン諸島

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古典美術史学者リス・カーペンター英語版1946年)は、グラウンドホッグデーの起源の問題について、アナグマの日の伝承はドイツに根差しているが、伝承が希薄なブリテン諸島(イングランド・スコットランド・アイルランド)から米国に持ち込まれた可能性は無いと断じている[45]

しかしブリテンのカトリック信者のなかでは、ハリネズミによる同様の天気占いがあったと、スコットランド出身の米国記者トーマス・C・マクミラン英語版1886年)や[43]サミュエル・アダムズ・ドレイク英語版1900年)が記述する[46]

アイルランドの伝承にも、聖ブリギッドの祝日聖燭祭と同日)に冬眠から出てきたハリネズミの気象予言があり、これが米国のグラウンドホッグデーの起源になったのと意見するケルト学者も存在する[47][48]

関連項目

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注釈

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  1. ^ ドイツではアナグマを「ダックス」(ダックスフント犬参照)と称すが、同語は米国ドイツ系移民の言葉ではグラウンドホッグ等を指す。
  2. ^ ペンシルバニア・ダッチ・カントリー英語版
  3. ^ 従来語の「ダックス」に代わり、英語直訳の「グルンドサウ」を用いるようになった。 ペンシルベニアドイツ語:Grund'sau dåk(Grundsaudaag, Grundsow Dawg, Murmeltiertagとも表記)。
  4. ^ あるいは「グルン’ダックス」"grun′daks". 接頭語はgrund「土の~」
  5. ^ ただ、本家のペンシルバニアドイツ語でこれに相当する成句は顕著でなく、上記でも「グルンドサウ・ダーク」と掲載した。
  6. ^ ヨーダー(Don Yoder)の書籍で、ドイツ系移民に最古の形跡があることが述べられ、その「起源」の章では、ドイツの風習について詳しく述べていることについて端的に「ドイツ系移民が発祥」としたいところだが、この書籍の書評者クルージーの読む限りではアメリカでの発祥の部分はあいまいになっているとしているので[1]、「ドイツ系移民の本国が発祥」というように言い換える。
  7. ^ 1840年2月2日の原文:"Today the Germans say the groundhog comes out of his winter quarters and if he sees his shadow he returns in and remains there 40 days".
  8. ^ 1841年2月4日付けの日記。こちらが最古と思われている報道・著作もある。その日の記帳は「(おとといの)火曜日2日は聖燭祭で、ドイツ人たちによるとこの日にグラウンドホッグが冬のねぐらから覗きだし、もし影を見ると、また6週間の居眠りにつく、しかしそれが曇り日なら外に出たままでいる、なぜなら気候が温暖となるのがわかるからである(Last Tuesday, the 2nd, was Candlemas day, the day on which, according to the Germans, the Groundhog peeps out of his winter quarters and if he sees his shadow he pops back for another six weeks nap, but if the day be cloudy he remains out, as the weather is to be moderate)」[3]
  9. ^ 実際に観測したとする最古の報道であり、単にグラウンドホッグデーの到来とその気象伝承を告げた報道ならばより古い例はある。Meteorology, The Ohio Farmer, February 20, 1869の記事など。
  10. ^ Clymer Freas (1867-1942);H. C. Freas、 H. Clymer Freas、Clymer H. Freasとも。
  11. ^ 他にも同じ時期に編集者だったW・O・スミス英語版(のちアメリカ下院議員)、漫画家C・M・ペイン英語版『ピッツバーグ・ガゼット 』英語版誌のジョン・P・カウワンなどが貢献者に挙げられる[8]
  12. ^ 「グラウンドホッグホッグ・パンチ」なるカクテルも登場した。このカクテルは、ウォッカ、牛乳、卵、オレンジジュース等が材料。
  13. ^ Canoe Ridge Weather Works
  14. ^ Brer Groundhog。当時はフィルという名でない。
  15. ^ 新聞名の無いものは地元紙"The Spirit"のことと推測される。
  16. ^ Gobbler's Knob。映画ではロケ地であるイリノイ州ウッドストックの町内広場が使われた
  17. ^ 正式名称は「占い師のなかの占い師、賢者のなかの賢者、預言者のなかの預言者にして、類まれなる気象予報者、パンクサトーニーのフィル(Punxsutawney Phil, Seer of Seers, Sage of Sages, Prognosticator of Prognosticators and Weather Prophet Extraordinary)」。
  18. ^ "the weather capital of the world"。ピッツバーグ・ガゼット紙、1904年9月18日号では"all the apostles of good weather look upon Punxsutawney as their capital and the mecca..(すべての良い天気の使徒たるものはパンクサトーニーをその首都、巡礼先のメッカとみなし..)"と報道されている[21]
  19. ^ The Slumbering Groundhog Lodge
  20. ^ Daks Day。ドイツ語のdachs「アナグマ」に由来する。ノバスコシア州ルーネンバーグの町から方言例として採集されている。
  21. ^ ドイツのプロテスタント改宗地ではカトリック教会の聖燭祭は公式には廃止されたが、そこでも民俗的な風習として踏襲されていた。[33]
  22. ^ 指摘者はウーヴェ・ヨーンゾン。この農事金言はメクレンブルク市のVoß un Haas刊行の暦に掲載。
  23. ^ "Of course everybody knows that February 2 is groundhog day. If the dox (the dialect word for groundhog) sees its shadow on this day, the belief is that six weeks of bad weather will follow".
  24. ^ 日本語で「ムジナ」といえばアナグマかタヌキか不詳なように、ペンシルベニアドイツ語の"dachs"は、「アライグマ、グラウンドホッグ、足の短い犬」など広義に解釈される[39]
  25. ^ 19世紀の書籍によればグラウンドホッグはペンシルベニアドイツ語で"grun′daks"「土のアナグマ」と呼ぶのが標準で、ヨーク郡に限りgrundsauという英語直訳の名詞を使っていたとされている[40]
  26. ^ "Der zwet Hær′ning is Grund′sau dåk. Wânn di grundau îr schâtte sent.. ("February second is Groundhog day. If the groundhog sees its shadow..)"。
  27. ^ また、アレンタウンのロッジなどの使用例で、"grundsow"の綴りも見られる[42]
  28. ^ これは少しスコットランド英語混じりだが("twa"は"two"に同じ)、標準語で同一の詩はDavis (1985), p. 103に、他の詩例とともに掲載される。
  29. ^ "Si Sol splenescat Maria purificante / Major erit glacies post festum quam fuit ante"。 ここで Maria purificante すなわち「聖母マリアのお清」 The Purification of the Blessed Virgin Mary というのは聖燭祭を指す[1]

出典

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脚注
  1. ^ a b c d Kruesi, Margaret (Summer 2007). “Reviewed Work: Groundhog Day by Don Yoder”. Journal of American Folklore 120 (477): 367–368.  JSTOR 20487565
  2. ^ Yoder (2003), pp. 49, 54, 143。日記の掲載は: "Folklore from the Diary of James L. Morris, 1845–1646", Pennsylvania Dutchman 3:17 (February 1, 1952)"
  3. ^ a b Shoemaker, Alfred L. (1 February 1954), February Lore, 5, https://books.google.com/books?id=-r3WAAAAMAAJ&dq=%22James+L.+Morris+%22  (download)
  4. ^ Davis (1985), p. 110.
  5. ^ Davis (1985), p. 109.
  6. ^ This Is the Story Behind Groundhog Day”. Time. 2017年12月21日閲覧。
  7. ^ a b Yoder (2003), p. 10.
  8. ^ Davis (1985).
  9. ^ Yoder (2003), Chapter II, "Punxsutawney to the World"
  10. ^ a b Davis (1985), p. 106.
  11. ^ a b c d Carlson, Peter (3 February 2004). “His Moment In the Sun”. The Washington Post 23. https://www.washingtonpost.com/archive/lifestyle/2004/02/03/his-moment-in-the-sun/ba54b852-684f-475b-aa7e-91bba6dc1467/?utm_term=.46a65cebb09b. 
  12. ^ Yoder (2003), p. 11.
  13. ^ Davis (1985), p. 107.
  14. ^ The Original Groundhog Day Involved Eating the Groundhog”. Time. 2017年12月21日閲覧。
  15. ^ Pittsburgh Gazette, Sept. 27, 1903。Davis (1985), p. 106, note 12で引用。
  16. ^ a b c Davis (1985), p. 113.
  17. ^ a b Davis (1985), p. 117.
  18. ^ パンクサトーニーグラウンドホッグクラブ公式サイトの年表
  19. ^ David Park, PhD (2006年). “Happy Groundhog Day to You!”. 2009年2月2日閲覧。
  20. ^ 写真
  21. ^ Davis (1985), p. 115.
  22. ^ Davis (1985), p. 105.
  23. ^ Yoder (2003), p. xii.
  24. ^ Rosenberger, Homer Tope (1966). The Pennsylvania Germans: 1891–1965. Lancaster, PA: Pennsylvania German Society. pp. 194–199. OCLC 1745108 
  25. ^ Rosenberg, Eli (February 2, 2016). “Staten Island Groundhog Makes Star Turn, This Year Without de Blasio”. N.Y./Region (The New York Times). オリジナルのFebruary 14, 2016時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160214203421/http://www.nytimes.com/2016/02/03/nyregion/on-groundhog-day-staten-island-chuck-no-shadow-early-spring-prediction.html?_r=0 February 14, 2016閲覧。 
  26. ^ Colleges in the Midwest: Compare Colleges in Your Region (24 ed.). Peterson's. (2009). p. 298. ISBN 9780768926903. https://books.google.com/books?id=4mc4PN1nxFEC February 1, 2013閲覧。 
  27. ^ “Hopeful Canadians look to Groundhog Day for predictions of an early spring”. Canadian Press. (February 2, 2014). http://www.huffingtonpost.ca/2014/02/02/hopeful-canadians-look-to_n_4711653.html February 20, 2014閲覧。 
  28. ^ “Groundhog Day: Quebec groundhog disagrees with Shubenacadie Sam, Wiarton Willie”. The Gazette (Montreal, CA). (February 2, 2012). オリジナルの2012年2月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120205001825/http://www.montrealgazette.com/travel/Groundhog+Quebec+groundhog+disagrees+Shubenacadie+Wiarton+Willie/6090473/story.html 
  29. ^ Le jour de la marmotte, science ou folklore?”. Radio-Canada (February 2, 2017). December 26, 2015閲覧。
  30. ^ Fred la marmotte : encore six semaines d'hiver!”. Radio-Canada (February 2, 2015). February 2, 2015閲覧。 “la marmotte officielle du Québec”
  31. ^ “Shubenacadie Sam prepping for Groundhog Day”. King's County Register. (January 30, 2014). http://www.kingscountynews.ca/Living/2014-01-30/article-3596355/Shubenacadie-Sam-prepping-for-Groundhog-Day/1 February 20, 2014閲覧。 
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  33. ^ Yoder (2003), p. 42.
  34. ^ Yoder (2003), pp. 52–53.
  35. ^ Yoder (2003), p. 54.
  36. ^ Johnson Uwe の考察、典拠:Grambow, Jürgen (1994), “Möglichkeiten einer intellektuellen Kritik an diesem Mecklenburg”, Johnson-Jahrbuch (Vandenhoeck & Ruprecht) 1: p. 77, https://books.google.com/books?id=xr8YqZnpxqcC&pg=PA77 
  37. ^ "Wenn sich der Dachs zu Lichtmeß sonnt, so gehet er wieder auf vier Wochen in sein Loch." ("If the badger is in the sun at Candlemas, he will have to go back into his hole for another four weeks), in: Lewenau, Joseph Arnold Ritter von (1823), Der angewandte Fresenius; oder, Sammlung geordneter allgemeiner Witterungs- und sogenannter Bauernregeln, Vienna, J.G. Mösle, p. 20.
  38. ^ a b Yoder (2003), p. 52.
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  44. ^ Yoder (2003), pp. 52, 42–43.
  45. ^ Yoder (2003), p. 53.
  46. ^ Drake, Samuel Adams (1900). The Myths and Fables of To-day. Frank T. Merill (illustr.). Boston: Lee and Shepard. pp. 43–44. https://books.google.com/books?id=1p4bV8dYtcwC&pg=PA43 
  47. ^ Minard, Antone (2012), “Imbolc”, The Celts (ABC-CLIO) 1: p. 444, ISBN 978-1-5988-4964-6, https://books.google.com/books?id=3cHdQC1cXLEC&pg=PA444 
  48. ^ Danaher, Kevin (1972) The Year in Ireland, Cork/Dublin, Mercier Press, pp. 13–14, cited by MacLeod, Sharon Paice (2003). “Oenach Aimsire na mBan: Early Irish Seasonal Celebrations, Gender Roles and Mythological Cycles”. Proceedings of the Harvard Celtic Colloquium 23: 274. https://books.google.com/books?id=C14pAQAAIAAJ&q=hedgehog.  and note 81.JSTOR 25660739: "To see a hedgehog come out of its hole was a good sign. If the animal stayed out, this indicated the return of good weather". "This custom was transformed into Groundhog Day in the United States".
参考文献

外部リンク

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