グロス=コブリッツの公式
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数学において、 Gross and Koblitz (1979) によって導入されたグロス=コブリッツの公式(グロス=コブリッツのこうしき、英: Gross–Koblitz formula)とは、p進ガンマ関数の値の積を用いてあるガウス和を表現したものである。通常のガンマ関数に対するチョウラ=セルバーグの公式と類似のものである。ハッセ=ダベンポートの関係式を含み、シュティッケルベルガーの定理を一般化するものである。Boyarsky (1980) は、Dwork の結果を用いてグロス=コブリッツの公式に対する別証明を与え、Robert (2001) は初等的な証明を与えた。
内容
[編集]グロス=コブリッツの公式とは、ガウス和 τ を p-進ガンマ関数 Γp によって表現した次の式のことを言う。[1]
但し記号は次のようなものとする。
- q は素数 p のべき pf。
- r は 0 ≤ r < q − 1 を満たす整数。
- r(i) は r の p-進展開の i-回反復ドワークシフト(Dwork's shift)[* 1]
- sp(r) は r の p-進展開における各位の数の和。
- τ は次のガウス和。
- ただしこの和は拡大 Qp(π) 内の 1 の冪根について取られる。
- Γp は p 進ガンマ関数。
- π は πp − 1 = −p を満たすもの。
- ζπ は π2 を法として 1+π と合同な、1 の p 乗根。
注
[編集]注釈
[編集]- ^ (Young 1994) 整数 α のドワークシフト α' は、pα' − α ∈ {0, 1, …, p − 1} を満たす唯一の整数
出典
[編集]- ^ Paul Thomas Young (1994), On Gross-Koeblitz formula, Contemporary math, 168
参考文献
[編集]- Boyarsky, Maurizio (1980), “p-adic gamma functions and Dwork cohomology”, Transactions of the American Mathematical Society 257 (2): 359–369, doi:10.2307/1998301, ISSN 0002-9947, MR552263
- Cohen, Henri (2007). Number Theory – Volume II: Analytic and Modern Tools. Graduate Texts in Mathematics. 240. Springer-Verlag. pp. 383–395. ISBN 978-0-387-49893-5. Zbl 1119.11002
- Gross, Benedict H.; Koblitz, Neal (1979), “Gauss sums and the p-adic Γ-function”, Annals of Mathematics. Second Series 109 (3): 569–581, doi:10.2307/1971226, ISSN 0003-486X, MR534763
- Robert, Alain M. (2001), “The Gross-Koblitz formula revisited”, Rendiconti del Seminario Matematico della Università di Padova. The Mathematical Journal of the University of Padova 105: 157–170, ISSN 0041-8994, MR1834987