ケラムボス
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ケラムボス(古希: Κέραμβος, Kerambos)は、ギリシア神話の人物である。海神ポセイドーンとオトリュス山のニュムペーのエイドテアーの子エウセイロスの子[1]。オトリュス山麓に住む羊飼い、音楽家。
神話
[編集]コロポーンのニーカンドロスの『変身物語』に基づくアントーニーヌス・リーベラーリスの物語によると、ケラムボスはオトリュス山麓で羊の世話をしながら暮らしていた。ケラムボスは歌い手として優れた才能を持ち、山のニュムペーたちを歌で楽しませた。また羊飼いの笛を発明し、誰よりも早くリュラー(竪琴)の魅力に気づいて演奏をはじめ、多くの歌を作曲した。そのため、牧神パーンはケラムボスに忠告し、来たる冬が非常に厳しいものとなるので、山を下りて平野で牧畜することを勧めた。しかしケラムボスは傲慢さから山から下りようとしなかった。さらにニュムペーたちの父がゼウスではなく、河神スペルケイオスとデイノー(写本ではデイナ[2])の間に生まれたと言ったり、またポセイドーンとニュムペーの1人ディオパトラーの恋物語を語って嘲笑した。するとニュムペーたちは激怒し、霜を降らせて渓谷の水を凍てつかせた。さらに大雪を降らせ、ケラムボスの羊たちを雪の下に埋もれさせてしまった。ケラムボス自身はニュムペーたちによってカブトムシ(ケラムビュクス)に変えられた[1]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- アントーニーヌス・リーベラーリス『ギリシア変身物語集』安村典子訳、講談社文芸文庫(2006年)