ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン (ゲーテ)

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鉄の手のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン
Götz von Berlichingen mit der eisernen Hand
ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの像
作者 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
神聖ローマ帝国の旗 神聖ローマ帝国
言語 ドイツ語
ジャンル 戯曲、史劇
幕数 5幕
発表年 1773年
刊本情報
出版元 自費出版
出版年月日 1773年
初演情報
場所 ドベリンシュ劇場(ベルリン)
初演公開日 1774年4月12日
日本語訳
訳者 高橋義孝
高橋健二
佐藤晃一井上正蔵
ポータル 文学 ポータル 舞台芸術
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鉄の手のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン』(Götz von Berlichingen mit der eisernen Hand)は、1773年に発表されたヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテによる戯曲。史実の人物ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンを題材にした史劇である。ゲーテの処女戯曲であり、友人のヨハン・ハインリヒ・メルクから援助を受けて自費出版されるとドイツ中の注目を集め、ゲーテの名を一躍有名にした。

作中ではゲッツは英雄的な人物として描かれ、若くして死んでいくが、史実のゲッツは「盗賊騎士」と揶揄された血の気の多い人物で80歳過ぎまで生きながらえている。

主人公ゲッツが「Leck mich im Arsch!」(糞食らえ!、直訳は俺の尻をなめろ!)と叫ぶシーンは有名になり、ドイツ語ではGötz(ゲッツ)という言葉が同じ意味の侮辱語として通用するほどになっており、モーツァルトが作曲した「俺の尻をなめろ」という戯歌も存在する。この台詞は元々はゲッツの生まれ故郷の言い回しで、ゲーテが戯曲で取り上げたことから一般化した。なお、この台詞が書かれているのは1773年に自費出版した初版だけで、以後は削除されているが、この作品の代表的な台詞として定着している。

日本語訳[編集]

  • 中田美貴訳「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」、『ゲーテ全集 4』潮出版社、新版2003年
  • 井上正蔵訳「ゲッツ・フオン・ベルリヒンゲン」、『ゲーテ全集 3』人文書院、1960年

登場人物[編集]

  • Kaiser Maximilian(皇帝マクシミリアン)
  • Götz von Berlichingen(ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン)
  • Elisabeth(エリーザベト) ゲッツの妻
  • Maria(マリア) ゲッツの妹
  • Carl(カール) 幼い息子
  • Georg(ゲオルグ) ゲッツの小姓
  • Bischof von Bamberg(バンベルグの僧正)
  • Bruder Martin(僧マルティン)
  • Adelbert von Weislingen(アデルバート・フォン・ヴァイスリンゲン)
  • Franz(フランツ), ヴァイスリンゲンの小姓
  • Adelheid von Walldorf(アーデルハイト・フォン・ヴァウドルフ)
  • Liebetraut(リーベトラウト)
  • Abt von Fulda(フルダの僧院長)

外部リンク[編集]