ゲヒルン
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒102-0073 東京都千代田区九段北1-3-6 セーキビル 7F 北緯35度41分46.6秒 東経139度45分5.4秒 / 北緯35.696278度 東経139.751500度 |
設立 | 2010年7月6日 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 4011001065837 |
事業内容 | セキュリティコンサルティング及び助言型脆弱性診断、防災・気象情報の解析及び情報配信等 |
代表者 | 代表取締役 石森 大貴 |
資本金 | 1,578万円 |
従業員数 | 14名(正職員11名、2020年4月末時点) |
主要株主 | さくらインターネット株式会社 100% |
外部リンク | https://www.gehirn.co.jp/ |
特記事項:電気通信事業届出番号 A-23-12058 予報業務許可(地震動) 許可第 214 号 |
ゲヒルン株式会社は、東京都千代田区に本社を置く、セキュリティコンサルティングや防災情報の提供を行う企業である。さくらインターネットの完全子会社。
概要
[編集]ITエンジニアの石森 大貴(いしもり だいき、1990年生まれ、宮城県石巻市出身)が設立した企業である。石森は、小学6年生の頃からホスティングサーバサービスの運営を行うなど幼少期からコンピューターネットワーク環境に精通しており、高校2年生の2007年にはセキュリティキャンプに参加[1]、さらにテレビドラマ『ブラッディ・マンデイ』のクラッキングシーンをブログで仔細に考察する[2]などしてネット上で話題となり、2008年のセキュリティ&プログラミングキャンプに講師補助として参加したときに「ブラッディ・マンデイ」のセキュリティシーンの監修を務めたサイバーディフェンス研究所と交流を持つ[3][4]。その後筑波大学に進学してもあまり学校に通っていなかった石森を見て、サイバーディフェンス研究所の関係者が起業を勧め、在学中だった2010年7月にセキュリティコンサルティングを主業務として設立したものである[3]。「ゲヒルン」の名称はドイツ語で「頭脳」の意味だが、これは石森が好きだというアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の組織「ゲヒルン」から採ったものである[1]。
社員はわずか十数名で、ほぼ平成生まれの若者で構成されている。金融機関をはじめとした大手企業のセキュリティ診断を手がけている[1]。
石森が個人で運用していた防災情報を発信するTwitterアカウント「特務機関NERV」において、東日本大震災発生後から積極的な情報発信に取り組んだことを契機に防災情報の提供をゲヒルンの社業として行うようになり、現在では「情報セキュリティ(脆弱性診断)」「インフラストラクチャ(サーバー管理)」に加えて「防災(防災情報配信)」が主要業務の一つとなっている。
歴史
[編集]- 2010年2月 - 石森が様々な防災情報を発信するTwitterアカウント「特務機関NERV」の運用を開始する[5][6]。
- 2010年7月6日 - ゲヒルン株式会社を設立。
- 2011年3月 - 東日本大震災が発生しTwitterアカウントの認知度を上げる[5]。
- 2016年4月25日 - さくらインターネットに対し、ゲヒルンの株式譲渡に関する契約を結び(同年5月27日付で譲渡完了)[7]、さくらインターネットの子会社となる。
- 2019年9月1日 - 防災の日に合わせ防災情報を国内最速レベル[6][注釈 1]で配信するiPhone専用アプリの「特務機関NERV防災」をリリース開始する[5]。
- 2020年1月 - 三菱自動車、スカパーJSATと共同で、災害時に防災情報配信サービスの継続と近隣自治体への支援を目的として、アウトランダーPHEVをベースとした災害対策車「特務機関NERV制式 電源供給・衛星通信車両 5LA-GG3W(改)」を制作[5][10][11][12]。
- 2020年8月31日 - 神奈川県足柄下郡箱根町と災害時支援業務協定(防災協定)を締結。災害対策基本法に規定する災害発生時に、箱根町から要請があり次第、前述の災害対策車を派遣し、通信サービス等の提供を行う[13]。箱根町がエヴァンゲリオンシリーズに登場する架空の都市「第3新東京市」のモデルとされたことの縁による。
- 2022年4月18日 - 「TBS NEWS DIG Powered by JNN」(TBSテレビを初めとするJNN[注釈 2]加盟の全28局が共同で運営するニュース動画の配信サイト)から配信される防災関連のコンテンツ向けに、防災情報の提供を開始[15]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 気象庁のホームページに掲載するよりも早く、他社の防災アプリに比べて25分前に通知を行うという[8]。2018年の大阪府北部地震では、Twitterアカウント「特務機関NERV」での発信で、日本気象協会の地震速報アカウントや日本放送協会 (NHK) の速報配信よりも早いツイートを実現している[9]。
- ^ 防災情報の提供開始からおよそ1ヶ月前の2022年3月11日には、石森の出身地が大きな被害に見舞われた東日本大震災の発災から11年目に当たることを背景に、『Nスタスペシャル 東日本大震災11年「つなぐ、つながる」』(TBSテレビの制作による全国ネット向けの震災特別番組)で特務機関NERVの活動や石森のインタビューが放送された[14]。
出典
[編集]- ^ a b c “これからのセキュリティ業界を担う、平成生まれのスーパーハッカー!――ゲヒルン 石森大貴さん”. EnterprizeZine. 翔泳社 (2014年8月22日). 2020年7月4日閲覧。
- ^ “「ブラッディ・マンデイ」を考察する”. isidaiの考察日記 (2008年10月12日). 2020年7月5日閲覧。
- ^ “22歳のセキュリティーコンサルタントが立ち上げたのはたった315円で利用できるインフラサービス”. TechCrunch Japan (2012年11月12日). 2020年7月4日閲覧。
- ^ a b c d “特務機関NERV災害対策車両 整備計画、始動”. 三菱自動車. 2020年7月4日閲覧。
- ^ a b “【暴風警報】西日本から北日本で爆弾低気圧に警戒を、リアルタイムで天気確認する6つの方法”. BUSINESS INSIDER (Jan. 08, 2020). 2020年7月4日閲覧。
- ^ 『主要株主の異動に関するお知らせ』(プレスリリース)ゲヒルン株式会社、2016年5月27日 。2020年7月4日閲覧。
- ^ “災害情報を“国内最速レベル”で通知! 話題の「特務機関NERV」防災アプリは何がスゴいのか”. FNNプライムオンライン. 2020年7月4日閲覧。
- ^ 川口穣 (2018年8月16日). “謎の災害速報アカウント「特務機関NERV」とは何者か”. AERA dot.. 2020年7月4日閲覧。
- ^ “災害時に活躍、衛星通信可能な『アウトランダーPHEV 特務機関NERV仕様』…東京オートサロン2020”. Response (2020年1月19日). 2020年7月4日閲覧。
- ^ “「特務機関NERV仕様」三菱アウトランダーPHEVで実車化へ【東京オートサロン2020】”. Auto Messe Web (2020年1月11日). 2020年7月4日閲覧。
- ^ “クルマは災害時、「ライフライン」になる”. Forbes JAPAN (2020年6月29日). 2020年7月4日閲覧。
- ^ 『ゲヒルン、神奈川県箱根町と災害時支援業務協定を締結』(プレスリリース)ゲヒルン株式会社、2020年9月1日 。2020年9月12日閲覧。
- ^ “TBSテレビ NスタSP東日本大震災11年「つなぐ、つながる」で、特務機関NERVの活動や代表取締役 石森のインタビューが放送されました”. ゲヒルン公式サイト (2022年3月11日). 2022年4月21日閲覧。
- ^ 『JNN系列28局の統合ニュースサイト「TBS NEWS DIG Powered by JNN」が4月18日(月)スタート』(プレスリリース)株式会社毎日放送、2022年4月18日 。2022年4月21日閲覧。