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コアジサイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コアジサイ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: アジサイ科 Hydrangeaceae
: アジサイ属 Hydrangea
: コアジサイ H. hirta
学名
Hydrangea hirta (Thunb.) Siebold et Zucc. (1828)[1]
シノニム
和名
コアジサイ(小紫陽花)

コアジサイ(小紫陽花[3]学名 Hydrangea hirta )は、アジサイ科[注 1]アジサイ属落葉低木。別名、シバアジサイ(柴紫陽花)[4]ともよばれる。アジサイよりも全体に小さく、花序には装飾花がないのが特徴である。

特徴

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落葉広葉樹低木で、よく枝分かれして株立ちし、樹高は1 - 1.5メートル (m) になる[4]。 樹皮は灰褐色から茶褐色で縦に裂けて薄く剥がれる[3]。枝は紅紫色で毛が生えている[3]に長さ1.2 - 4センチメートル (cm) になる葉柄があり、に対生する。葉の形は卵形から倒卵形で、先は鋭尖形、基部は円形または広いくさび形になり、長さ5 - 8.5 cmになる。葉縁は規則的で大きな鋸歯がつき、葉の表面、裏面ともに毛が散生し[4]、芽吹いた葉にも毛が多い[3]。秋になると葉が黄葉する[5]。本種はアジサイ類の中でも特に黄色が濃く鮮やかに紅葉するので、暗い林内でも大変よく目立つ[5]

花期は6 - 7月で[4]、径5 cmほどの花序を枝先に複散房状につける。アジサイ属に特徴的な装飾花はなく、すべてが普通花で両性花だけからなるのが特徴で[4]、白色から淡青色の5弁花が密集する。1つの花は直径約4ミリメートル (mm) で、雄蕊が10本つく[4]果実は直径3 mmほどの蒴果で、萼片が残る[4]

冬芽は、側芽の先端が内側に曲がって枝に対生し、枝先の頂芽は小さい[3]。頂生側芽は大きく、頂芽2つついているように見える[3]。冬芽を包んでいる芽鱗は5 - 6枚つき、毛がある[3]。側芽のすぐ下にある葉痕は三角形やV字形で、維管束痕が3個つく[3]。冬でも果序や枯れ葉が残ることもある[3]

分布と生育環境

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日本固有種で、本州関東地方以西、四国九州に分布し[4]、低地や山地、丘陵など山野の明るい林内や林縁などに自生する[4][5]

本種は山野の自生種は珍しくないが、栽培は困難である。そのため本種に代わって栽培が容易で、花が似て花づきがよりよいオクタマコアジサイ(ガクウツギとコアジサイの交雑種)がコアジサイと称して栽培されることも多い。

脚注

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注釈

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  1. ^ APG体系クロンキスト体系ではアジサイ科 (Hydrangeaceae) に分類されるが、古い新エングラー体系ではユキノシタ科 (Saxifragaceae) に分類されていた[1]

出典

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参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、88頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月27日。ISBN 978-4-8299-0187-8 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、206頁。ISBN 4-522-21557-6 
  • 佐竹義輔ほか編『日本の野生植物 木本I 』平凡社、1989年。