コスタ・クルーズ
種類 | 公開会社 |
---|---|
本社所在地 |
イタリア ジェノバ |
設立 | 1854年 |
業種 | 海運業 |
事業内容 | クルーズ客船の所有・運営 |
従業員数 | 18,000人(2009年) |
関係する人物 | ジャコモ・コスタ(設立者) |
外部リンク | https://www.costajapan.com/ |
コスタクルーズ(Costa Cruises)はイタリアのジェノヴァに本社を置く、クルーズ客船運航会社。
歴史
[編集]1924年にコスタ・ラインとして設立され、当初貨物船を運航していたが、1947年にイタリア~南米間で定期客船の運航を開始。
1959年にはクルーズ客船の運航を開始し、1986年にはクルーズ専門となる。1990年代「コスタ マリーナ級」、「コスタ クラシカ級」、「コスタ ビクトリア」といった新船の導入などで負債が膨らみ、1997年にカーニバル・コーポレーションとエアツアーに株式を売却。その後カーニバルはエアツアーの所有する株も取得し、カーニバルの完全子会社となった。
2020年現在14隻の船隊を有し、地中海、北欧、南米、カリブ海、中東、極東などの地域でコスタクルーズ ブランドでクルーズを行っている。
近年は13万トン超の客船の建造に力を入れており、2019年10月に就航したコスタ スメラルダは同社の船舶燃料としては初となるLNGを採用[1]。なお、スメラルダ級はアイーダクルーズのアイーダ ノヴァ(183,800トン)及びMSCクルーズのメラビリアクラス[2]を抜き、ロイヤルカリビアンインターナショナルのオアシスクラスに次ぐ世界第二位の大きさ(en:List of largest cruise ships)となった。
海難事故
[編集]2012年1月13日、乗客乗員4000人以上を乗せたコスタ・コンコルディアがイタリア・ジリオ島付近にある浅瀬に座礁、浸水・転覆し乗員乗客の死者32人を出す海難事故を起こした[3][4]。
座礁より約2年弱後の2014年11月3日に、最後の行方不明者だった乗務員のインド人給仕係が発見され、総死者数は32人となった[4]。この間同年初頭には、座礁船船引き揚げ作業にあたっていたスペイン人潜水士が、水中作業中に金属板で脚に深い切り傷を負い、出血多量で死亡しており同船の座礁による死者数を一人増やした[5]。
2015年2月、コスタ・コンコルディアの元船長は、過失致死罪や乗客を船内に残したまま船を離れた罪を問われ、禁錮16年を言い渡された[6]。
新型肺炎対応
[編集]- 2020年1月30日、コスタ・スメラルダの乗客の2人から新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患と思われる発熱の症状が見られたため、チビタベッキア港に停泊したまま一時6000人が翌日まで下船できない状態となった[7]。
船隊
[編集]コスタ スメラルダ級
[編集]船名 | 英名 | 完成年 | 就航年 | 総トン数 |
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コスタ スメラルダ | Costa Smeralda | 2019年 | 2019年 - 現在 | 185,000[8] |
コスタ トスカーナ | Costa Toscana | 建造中 | (2021年就航予定)[9] | 185,000 |
コスタ ベネチア級
[編集]船名 | 英名 | 完成年 | 就航年 | 総トン数 |
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コスタ ベネチア | Costa Venezia | 2019年 | 2019年 - 現在 | 135,500[10] |
コスタ フィレンツェ | Costa Firenze | 2020年 | 2020年 - 現在[11] | 135,500 |
コスタ コンコルディア級
[編集]船名 | 英名 | 完成年 | 就航年 | 総トン数 |
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コスタ セレーナ | Costa Serena | 2007年 | 2007年 - 現在 | 114,500 |
コスタ パシフィカ | Costa Pacifica | 2009年 | 2009年 - 現在 | 114,500 |
コスタ ファヴォロサ | Costa Favolosa | 2011年 | 2011年 - 現在 | 114,500 |
コスタ ファシノサ | Costa Fascinosa | 2012年 | 2012年 - 現在 | 114,500 |
コスタ フォーチュナ級
[編集]船名 | 英名 | 完成年 | 就航年 | 総トン数 |
---|---|---|---|---|
コスタ フォーチュナ | Costa Fortuna | 2003年 | 2003年 - 現在 | 105,000 |
コスタ マジカ | Costa Magica | 2004年 | 2004年 - 現在 | 105,000 |
コスタ ルミノーザ級
[編集]船名 | 英名 | 完成年 | 就航年 | 総トン数 |
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コスタ ルミノーザ | Costa Luminosa | 2009年 | 2009年 - 現在 | 92,700 |
コスタ デリチョーザ | Costa Deliziosa | 2010年 | 2010年 - 現在 | 92,700 |
コスタ アトランチカ級
[編集]船名 | 英名 | 完成年 | 就航年 | 総トン数 |
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コスタ アトランチカ | Costa Atlantica | 2000年 | 2000年 - 現在 | 85,619 |
コスタ メディタラネア | Costa Mediterranea | 2003年 | 2003年 - 現在 | 85,619 |
退役船
[編集]コスタ歴代の船舶を、就航年順に並べた。
- ジョバンナ C(1947年 - 1953年)
- ルイサ C(1947年 - 1951年)
- マリア C(1947年 - 1953年)
- アンドレア C(旧称 Ocean Virtue)(1948年 - 1981年)
- アンナ C Anna C I(1948年 - 1981年)
- フランカ C Franca C(1952年 - 1977年)
- フェデリコ C Federico C(1958年 - 1983年)
- ビアンカ C Bianca C(1959年 - 1961年)
- エンリコ C / エンリコ・コスタ(1965年 - 1994年)
- ユージェニオ C Eugenio C(1966年 - 1996年)
- カーラ C Carla C / カーラ・コスタ(1967年 - 1985年、1986年 - 1992年)
- ファルヴィア C Fulvia C (1969年 - 1970年)
- フラヴィア C Flavia(1968年 - 1982年)
- マリーナ C Costa_Marina(1969年 - 2001年)
- アンナ C II(1971年 - 1981年)→ 1981年にギリシャの海運会社 Chaldeos Freighters Ltd に売却、ダメンハム Damenham に改称後、払い下げられて1984年6月にパキスタンのバローチスターン州ガダニ海岸で解体。
- イタリア Italia(1974年 - 1983年)
- アンジェリーナ・ラウロ Angelina Lauro(1978年 - 1979年)
- ダナエ(1979年 - 1992年)
- ダフネ(1979年 - 1997年)
- アメリカニス(1980年 - 1984年)
- コロンブス C Columbus C(1981年 - 1984年)
- コスタ リビエラ Costa Riviera(1981年 - 2002年、1994年 - 2002年)
- コスタ マリーナ Costa Marina([1988年 - 2011年)
- コスタ プラヤ Costa Playa(1995年 - 1998年)
- コスタ アトランティカ Costa Atlantica(2000年 - 2020年)
- コスタ トロピカル Costa Tropicale(2001年 - 2005年)
- コスタ ヨーロッパ Costa Europa(2002年 - 2010年)
- コスタ コンコルディア Costa Concordia(2006年 - 2012年 座礁事故により退役)
- コスタ アレグラ Costa Allegra(1990年 - 2012年 火災により退役[12]
- コスタ ヴォイジャー Costa Voyager(2011年 - 2014年)2014年、中国へ売却
- コスタ クラシカ(1991年 - 2018年)2014年の改装後、コスタ・ネオクラシカに改名。2018年にバハマ・パラダイス・クルーズライン社へ売却。
- コスタ ネオリヴィエラ Costa neoRiviera(2013年 - 2019年)
- コスタ オリンピア Costa Olympia(未就航)→ コスタビクトリアの姉妹船にする予定はブレマーバルカン造船所 の財政破綻により中断。ノルウェー・クルーズラインが未完成の船体を買い取り、ノルウェースカイ(Norwegian Sky)として就航。
- コスタ スプレンダー Costa Splendor(未就航)→ 納品先変更、カーニバル・スプレンダー(Carnival Splendor)に改称。
- コスタ セレブレーション Costa Celebration(未就航)→ イベロクルーセロス社(Iberocruceros)から下取りして大幅改装後、就航前日にバハマ・パラダイス・クルーズライン社へ売却。
- コスタ ネオロマンチカ Costa neoRomantica (1993年 - 2019年)1993年に「コスタ ロマンチカ」として就航し2012年に現名称に改名。2020年、セレスティアルクルーズに売却[13]
- コスタ ビクトリア(1995年 - 2019年)2020年内に解体[14]
- コスタ・ルミノーザ (2009年 - 2022年)、カーニバルクルーズラインに売却
脚注
[編集]- ^ LNG次世代型新造船コスタスメラルダ
- ^ 僚船のMSCグランディオーサ(181,000トン)よりも上
- ^ “伊座礁船から遺体を収容、当局発表”. www.afpbb.com (2013年10月9日). 2022年6月30日閲覧。
- ^ a b “イタリア豪華客船座礁、最後の不明者の遺体発見”. www.afpbb.com (2014年11月4日). 2022年6月30日閲覧。
- ^ “Diver Dies On Costa Concordia Salvage”. SkyNews.com (2014年2月1日). 2014年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月9日閲覧。
- ^ 「イタリア豪華客船座礁、元船長に禁錮16年」『Reuters』2015年2月12日。2022年6月30日閲覧。
- ^ “新型肺炎疑いで足止めの伊客船、体調不良の乗客は陰性 下船可能に”. AFP (2020年1月31日). 2020年2月23日閲覧。
- ^ 船舶情報(コスタ・スメラルダ)
- ^ 世界の艦船:コスタ・トスカーナ建造開始(2019年8月)
- ^ クルーズ客船入港情報(大阪市:2019年5月)
- ^ “コスタ・フィレンツェ | フネコ - Funeco”. funeco.jp. 2022年7月9日閲覧。
- ^ “航行不能のイタリア客船、漁船に曳航されセーシェルへ”. CNN. (2012年2月29日) 2012年2月29日閲覧。
- ^ コスタネオロマンチカがセレスティアルクルーズに移籍へ
- ^ 「コスタ ビクトリア」解体へWebクルーズ 2020年7月3日
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 海人社『世界の艦船』2003年7月号 No.612
- 海人社『世界の艦船 増刊 世界のクルーズ客船 2009-2010』2009年12月号増刊 No.716
- 海事プレス社『クルーズシップ・コレクション2012-2013』4月臨時増刊