コストラーニ・デジェー
コストラーニ・デジェー(Kosztolányi Dezső, 1885年 - 1936年) は、 ハンガリーの詩人、小説家、ジャーナリスト。
生涯
[編集]1885年、オーストリア=ハンガリー帝国の一部であり、現在は セルビア北部に位置するスボティツァに生まれた。この街は、彼の小説「Skylark」や「Golden Kite」の舞台となる架空の街"Sarszeg"のモデルとなっている。ブダペスト大学在学中に、バビチ・ミハーイ、ユハース・ジュラの2人の詩人と知り合った。ウィーンに短期間滞在した後、大学を中退、ジャーナリストとなった。これ以降、生涯ジャーナリストを職業としている。
1908年、パリに去った詩人アディ・エンドレの後を継ぎ、『ブダペシュト日報』(Budapest Naplo)の記者となった。そして1910年、最初の詩集である「The Complaints of a Poor Little Child」が国内で成功を収める。これ以降旺盛に作品を作り、ほぼ毎年本を出版することとなった。
作品歴
[編集]ハンガリーの文芸復興に非常に重要な役割を果たした文芸雑誌『ニュガト』(Nyugat:ハンガリー語で"西"の意)が1908年に創刊されると、コストラーニは早くから同誌に詩を寄稿し、"ニュガト第一世代"の一翼を成した。
1920年代初めより「Nero」「Bloody Poet」「Skylark」「The Golden Kite」「Anna Edes」といった小説、散文作品を書き始める。ちなみに「Bloody Poet」のドイツ語版においてはトーマス・マンが序文を書いている。1924年には、初期作品を彷彿とさせる韻文の作品集「The Complaints of the Sad Man」を出版。
また、コストラーニはハンガリーにおける文学翻訳の先駆者でもあり、シェイクスピアの『冬物語』やルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』などをハンガリー語に翻訳した。
日本語に翻訳された作品
[編集]- 石膏の天使
- 徳永康元訳
- 『世界短編名作選 東欧編』(新日本出版社 1979年9月)
- 徳永康元訳
- 水浴
- 徳永康元訳
- 『新・ちくま文学の森 6 いのちのかたち』(筑摩書房 1995年2月)
- 『青ひげ公の城―ハンガリー短編集』(恒文社 1998年2月)
- 『深海の放浪者―ハンガリー短編小説集』(恒文社 1966年)
- 徳永康元訳
- 幼稚園
- 岩崎悦子訳
- 『トランシルヴァニアの仲間―ハンガリー短編集』(恒文社 1997年5月)
- 『ハンガリー短篇集 1』(大学書林 1985年3月)
- 岩崎悦子訳
- ありふれた市電車中のぞっとするような描写
親族
[編集]従弟に作家、音楽批評家、医師のチャート・ゲーザがいる。
外部リンク
[編集]- ハンガリー政府観光局HP
- フレーム左メニュー“ハンガリー文学紹介”より、コストラーニの短篇「ありふれた市電車中のぞっとするような描写」が読める