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コブハクジラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コブハクジラ
コブハクジラ
コブハクジラ
コブハクジラ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : ハクジラ亜目 Odontoceti
: アカボウクジラ科 Ziphiidae
亜科 : トックリクジラ亜科 Hyperoodontinae
: オウギハクジラ属 Mesoplodon
: コブハクジラ M. densirostris
学名
Mesoplodon densirostris
(Blainville1817)
和名
コブハクジラ
英名
Blainville's Beaked Whale
コブハクジラの生息域
コブハクジラの生息域

コブハクジラ(瘤歯鯨、Mesoplodon densirostris)はハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属に属するクジラである。

名称

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コブハクジラの頭骨。

種小名の「densirostris」は「dense beak[注 1]」を意味するラテン語である。

和名は、牙の付け根がコブの様に盛り上がっていることに由来する。

形態

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ヒトとの大きさの比較。
雄の牙には寄生生物が付着している場合がある。

雄の成体の体長は少なくとも4.4メートル、体重は少なくとも800キログラム、雌の成体については体長は少なくとも4.8メートル、体重は少なくとも1,000キログラムである。産まれた直後は体長は1.9メートル、体重は60キログラム程度である。

コブハクジラの体型はオウギハクジラ類としては典型的であるが、同属の他種に比べて若干細長い。頭部のメロンは平らでありほとんど目立たない。

雄の外観は非常に特徴的であり、他のオウギハクジラ類と同様に下顎の一部が上顎からはみ出してフェンス状になっている。そのフェンス状のはみ出し部分は、下顎の付け根のあたりから口吻の中ほどあたりまで延びている。またそのはみ出し部分にはフジツボが付着していることもある。更に別の大きな特徴として、口吻を構成するの密度が非常に高い点が挙げられ、これは上述の種小名の由来でもある。おそらく同種の雄同士で争う際の防御の意味があると考えられている。

体色は背側は濃い灰色あるいは暗い青灰色、腹側は明るい灰色、頭部は褐色であることが多い。雄の体表には雄同士で争った傷やダルマザメによる噛み傷があることが多い。

生息域

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バハマ諸島におけるアメリカ海軍による生態調査。

オウギハクジラ類としては生息範囲が最も広汎であり、おそらく最も研究が進んでいるだと思われる。

世界中の熱帯から温帯の海域に生息し、生息域の経度は非常に幅広い。回遊は行なわず、水深500 - 1,000メートルの海域を好む。

座礁例はカナダノバスコシア州アイスランドブリテン諸島日本ブラジルリオグランデ・ド・スル州南アフリカチリオーストラリアタスマニア州ニュージーランドにおいて報告されている。

また、多くの目撃例はアメリカハワイ諸島ソシエテ諸島バハマの沖において報告されている。

生態

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3頭から7頭程度の小さな群を成して行動する。

潜水時間は少なくとも22分以上に達する。海面に浮上する際は非常にゆっくりであり、水をはねることもほとんどない。

おそらくイカなどの頭足類魚類を食べる。

保護

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バハマ諸島における保護プロジェクトのロゴ。

オウギハクジラ類としては比較的良く知られた種であるが、全生息数は不明である。IUCNレッドリストにおいては「データ不足」に分類されている。

捕鯨された例はあるが、積極的に捕鯨の対象となったことはない。集団座礁の例が報告されており、海軍の音響ソナーが原因として指摘されることもあるが、関連はまだ明らかにはされていない。

バハマの北東沖において多数の目撃例が報告されており、2002年頃より写真を用いた個体識別プロジェクトが始まっている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 「高密度な口吻」の意である。 詳細は後述。

出典

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参考文献・外部リンク

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  1. Cetacean Specialist Group (1996). Mesoplodon densirostris 2006 IUCN Red List of Threatened Species. IUCN 2006.
  2. Encyclopedia of Marine Mammals, William F. Perrin, Bernd Wursig and J. G. M. Thewissen Eds., Academic Press (2002). ISBN 0-12-551340-2
  3. Randall R. Reeves, Brent S. Steward, Phillip J. Clapham and James A. Owell, Sea Mammals of the World, A & C Black, London (2002). ISBN 0-7136-6334-0.
  4. Colin D. MacLeod, "Possible functions of the ultradense bone in the rostrum of Blainville's beaked whale (Mesoplodon densirostris)," Canadian Journal of Zoology, 80(1): 178-184 (2002). (PDFファイル
  5. Blainville's beaked whale (Mesoplodon densirostris)のメディア - ARKive英語版 ウィキデータを編集
  6. Blainville's Beaked Whale Australian Museum, Fact sheets
  7. Blainville's Beaked Whale Texas A&M University-Corpus Christi
  8. Mesoplodon densirostris CMS (Conservation on Migratory Species)