コンパルソリーフィギュア
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2021年6月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
コンパルソリーフィギュア(Compulsory figures)は、フィギュアスケートの男子シングルと女子シングルで1990年まで行われていた種目のひとつ。スクールフィギュア、規定とも呼ばれていた。氷上を滑走して課題の図形を描き、その滑走姿勢と滑り跡の図形の正確さを競う種目である。このフィギュアという言葉がフィギュアスケートの由来となった。
歴史
[編集]コンパルソリーフィギュアは、フリースケーティングとともにフィギュアスケート競技黎明期から実施されており、1896年の第1回世界選手権でも実施された。競技会の最初の種目として実施された。コンパルソリーフィギュアに特化した競技がスペシャルフィギュアであった。
1968年まで競技全体における得点の6割をコンパルソリーフィギュアが占めていたが、1969年には5割に減少。1973年にショートプログラムが本格導入され、コンパルソリーフィギュアの比重が4割となった。 1975年ISU総会で廃止の議案が提出され、当時の会長ジャック・ファバールは強く支持した。しかし、米国などが「規定はフリーの基本」と主張し反対したため、廃止されずに定着した[1]。 その後、1976年以降は3割、1989年には2割と徐々に比重が減少していった。1988年のISU総会で米国、カナダ、イギリス、ニュージーランドの4ヶ国が廃止に反対したが廃止が決定され、1990年3月の世界選手権を最後に国際スケート連盟の競技会では完全廃止された[2]。
現在、競技としてのコンパルソリーフィギュアが行われることはほとんどない。
日本のバッジテストでは、1990年代後半の規定改定により1級で1番 - 3番、2級で4番のみになった。その後2008年の改訂でコンパルソリーと言えるものは初級のハーフサークルのみとなったが、一方で採点方式の変化への対応のためステップとしてブラケット、ロッカー、カウンター、ループなどがテストされるようになった。
競技方法
[編集]選手は、1つの課題に対して左右の足3回ずつ計6回滑る。奇数人の審判員が、滑走姿勢や滑り跡の図形を判定して0.0から6.0の範囲で採点する。この採点に課題ごとの難易度係数を掛けて、各課題の得点の合計がコンパルソリーの得点となる。
ショートプログラムやフリーと違い、音楽はなく、選手は地味な衣装を着用していた[3]。
課題
[編集]- フォア・アウト・サークル
- フォア・イン・サークル
- バック・アウト・サークル
- バック・イン・サークル
- フォア・チェンジ
- バック・チェンジ
- スリー・スリー
- アウト・スリー
- イン・スリー
- フォア・アウト・ダブルスリー
- フォア・イン・ダブルスリー
- バック・アウト・ダブルスリー
- バック・イン・ダブルスリー
- フォア・アウト・ループ
- フォア・イン・ループ
- バック・アウト・ループ
- バック・イン・ループ
- アウト・ブラケット
- イン・ブラケット
- アウト・ロッカー
- イン・ロッカー
- アウト・カウンター
- イン・カウンター
- フォア・ワンフットエイト
- バック・ワンフットエイト
- アウト・チェンジ・スリー
- イン・チェンジ・スリー
- フォア・チェンジ・ダブルスリー
- バック・チェンジ・ダブルスリー
- フォア・チェンジ・ループ
- バック・チェンジ・ループ
- アウト・チェンジ・ブラケット
- イン・チェンジ・ブラケット
- フォア・パラグラフ・スリー
- バック・パラグラフ・スリー
- フォア・パラグラフ・ダブルスリー
- バック・パラグラフ・ダブルスリー
- フォア・パラグラフ・ループ
- バック・パラグラフ・ループ
- フォア・パラグラフ・ブラケット
- バック・パラグラフ・ブラケット
脚注
[編集]- ^ 「風 規定克服こと女王の道」朝日新聞1984年11月14日(17)
- ^ “No More Figures In Figure Skating”. The New York Times. (1988年6月9日) 2015年8月23日閲覧。
- ^ 寝ても覚めても:面白くはなかったが=冨重圭以子 - 毎日新聞 - ウェイバックマシン(2014年1月10日アーカイブ分)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- JOCスケートの歴史
- 大阪大学体育会フィギュアスケート部 コラム コンパルソリーのお話 - ウェイバックマシン(2013年12月2日アーカイブ分)
- 『運動年鑑. 昭和17年度 附録』 - 国立国会図書館デジタルコレクション 朝日新聞社体力部 編「フィギュアスケーティングに於けるスクール・フィギュア」 pp.213-221