コーフ城
コーフ城(Corfe Castle)は、イギリスのドーセット州パーベック半島のコーフカッスル村にある要塞である。11世紀、ウィリアム1世によって建設され、ウェアハムとスワネージ間の通行路にあるパーベック丘陵地帯を見下ろすようになっている。12世紀から13世紀の城建築の変化を受け、イギリスの多くの建築が土と木で作られていた中で、石造りでつくられた城で石造りの城では最古の城の一つである。
歴史
[編集]コーフカッスル村は6000年前にはケルト人が居住していたといわれ[1]、城の周囲にはケルトの首長の妻たちを葬ったとされる「十二人の花嫁」と呼ばれる塚がある。村の中心であるコーフ城は交通の要衝にあり、古来より戦略的に重要視されていた。伝説によれば、979年にエドワード殉教王はこの城で暗殺されている[1]。その後、ノルマン・コンクエストによってコーフ城は破壊されたが、1090年に再建され、中世には王家の5つの城のひとつに数えられた。ジョン王がフランス人22人を幽閉し餓死させるなど、牢獄としても利用された。
ヘンリー7世が母マーガレット・ボーフォートにコーフ城を譲渡した後、息子ヘンリー8世の代に王家の元に戻った。1572年にエリザベス1世から大法官クリストファー・ハットンに売却され、英西戦争に備えて要塞化された[1]。
1635年、サー・ジョン・バンクスが購入し、清教徒革命(イングランド内戦)中に拠点とした。2度の包囲戦が行われ、ジョン・バンクスの妻メアリー・バンクスが防衛を主導し議会派に抵抗した。1643年の防衛には成功したが、イングランド南部において王党派の最後の拠点となった1645年の2度目の防衛で陥落した。その年の3月、議会の決定でコーフ城は取り壊された。
ナショナル・トラストが購入し、一般公開され2010年には19万人の人々を受け入れた[2][3]。第一級指定建築物として保護されている[4]。
文化
[編集]2022年、ナショナル・トラストとXboxによるコラボレーション企画で、Minecraft上で再建したものが公開された[5]。
脚注
[編集]- ^ a b c シャーン・エヴァンズ 『英国の幽霊伝説:ナショナル・トラストの建物と怪奇現象』 田口未和訳 原書房 2015年初版第1刷 ISBN 9784562051250 pp.76-79.
- ^ “Corfe Castle, Dorset: Excavation History”, Pastscape (English Heritage) 2012年1月5日閲覧。
- ^ Have a haunting time on the Halloween trail at Corfe Castle this week
- ^ National Trust Unveils Conservation Plans For Corfe Castle
- ^ “Minecraft: Corfe Castle recreated by YouTuber Grian - CBBC Newsround” (英語). 2022年8月2日閲覧。
関連項目
[編集]- エレノア・オブ・ブリタニー
- Turncoat - イングランド内戦でコーフ城を陥落させるために、議会派がコートを裏返して潜入したことから、宗旨替え・裏切りの慣用句となっている。