サッポロ 開拓使麦酒仕立て
サッポロ 開拓使麦酒仕立て | |
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温かみのあるえんじ色を基調とし、伝統を想起させる缶のデザイン。仙台工場製造である旨が明記されている。中央に「LAGAR」のミススペルがある。 | |
基本情報 | |
種類 | ビール(麦芽100%生ビール) |
度数 | 6% |
発泡 | あり |
主原料 | 麦芽、ホップ |
原産国 | 日本 |
製造元 | サッポロビール仙台工場(宮城県名取市) |
詳細情報 |
サッポロ 開拓使麦酒仕立て(サッポロ かいたくし ばくしゅじたて)は、サッポロビール(以下、企業名については「サッポロ」と表記)とファミリーマート(以下、「ファミマ」)が共同開発し、2021年に数量限定で発売された缶ビールである。パッケージの誤記により一度は発売中止を決定したが、多くの消費者から寄せられた要望により中止を撤回して販売され、食品ロスが回避された事例となった。
パッケージ
[編集]350ml缶と500ml缶の2種類が販売された。デザインは赤レンガをイメージしたえんじ色を基調とし、表面・裏面にクリーム色の円形のラベルが描かれている[1][注釈 1]。ラベルを左右に「開拓使麦酒仕立て」のロゴが書かれたリボンが横切り、その上半分に金色の★印、下半分に民営化後の札幌ビール製麦所のイラスト[注釈 2]が描かれた。「開拓使麦酒仕立て」のリボンの下部左右に「LAGAR」「BEER」と書かれた小さなリボンが添えられたが、「ラガービール」の正しいスペルは「LAGER」であった。
発売中止と撤回
[編集]2021年1月5日のサッポロのプレスリリースで、同年1月12日よりファミマ約16,300店で数量限定発売する旨が発表されたが[1]、パッケージの誤記を受け、「商品のパッケージもお客さまに提供する品質の一つ」であるとして[2]1月8日に発売中止が発表された[3]。
中身の品質には問題がなく、サッポロではできるだけ廃棄が出ないよう検討したが、発売中止決定時点ではすでに缶に詰められた状態であった[2]。食品ロス問題を扱うジャーナリストの井出留美がFacebookで取り上げたところ、スポーツ用品メーカーモルテンの広報室長から「EじゃなくてもAじゃないか!キャンペーン」のアイデアが寄せられた[4]。Twitterでも「#EじゃなくてもAじゃないか」のハッシュタグを付けたツイートが相次いで投稿され、お客様相談室には多くの消費者からこのビールの販売を求める声が寄せられた[5]。
参議院議員の竹谷とし子は食品表示法を所管する消費者庁および酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の所管官庁である国税庁にそれぞれ確認したところ、いずれの法律にも抵触しないとの回答が得られた[6][注釈 3]。サッポロも関連法規を確認し、所轄官庁とも相談の上で、販売することに問題ないと判断[8]。発売中止のリリースから成人の日の連休を挟んだ5日後の1月13日に、サッポロ・ファミマの両社より発売中止を撤回し、2月2日に発売を開始することが発表された[9][10]。この件については食品ロス削減に取り組む消費者庁も関心を寄せており、1月21日にサッポロ社長の高島英也が消費者庁を訪ね、井上信治消費者担当大臣に直接面会して経緯を報告した[11]。
本件について、市場調査会社の日本トレンドリサーチが1月17日から18日にかけて2200人を対象にアンケート調査を行ったところ、食品・飲料のパッケージの商品名に誤記があった場合に製造元が廃棄することについて86.0%が「もったいない」と回答。自分が買うつもりだった食品・飲料のパッケージに商品名の誤記があった場合、36.1%が「購入する」、54.8%が「値引きなど条件によっては購入する」と回答し、「購入しない」は9.1%にとどまった[12]。
製法と味
[編集]麦芽とホップのみを原料とした麦芽100%生ビールである。サッポロの公式サイトによると、開拓使麦酒醸造所で行われていた3回煮沸製法で濃厚な麦汁を作ることにより、しっかりとした飲みごたえと、深く豊かな味わいに仕上げたとしている[13]。
アルコール度数は6%で、ヱビスビールや黒ラベルの5%に比べ高めであり、サッポロ冬物語とは同度数である。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ニュースリリースでは「『開拓使麦酒醸造所』のレンガを想起させるエンジ色」となっていたが、サッポロビールの歴史紹介によれば、1876年に建てられた開拓使麦酒醸造所は木造であった。
- ^ ニュースリリースには「『開拓使麦酒醸造所』の当時の姿をデザイン」とあったが、実際に描かれていたのは、現在サッポロビール博物館およびサッポロビール園開拓使館として使われている、1892年(明治25年)に建てられた赤レンガの建物であって、開拓使時代(1869年 - 1882年)にはまだ存在しない。
- ^ 井出の元には「ビールの表示に関する公正競争規約及び施行規則第6条に抵触するのではないか、との意見も寄せられたが[7]、結果的に販売できることとなった。
出典
[編集]- ^ a b 『伝統的な製法を用いた濃醇なビールが登場「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」新発売』(プレスリリース)サッポロビール、2021年1月5日 。2021年2月5日閲覧。
- ^ a b ““スペルミス”を強調してビール発売 サッポロとファミマの騒動とは何だったのか”. ITmediaビジネスオンライン: p. 1. (2021年2月2日) 2021年2月5日閲覧。
- ^ 『「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」発売中止について』(プレスリリース)サッポロビール、2021年1月8日 。2021年2月5日閲覧。
- ^ “誤表記缶ビールでもA(ええ)じゃないか 発案はモルテン広報室長「廃棄心配で」 FBにコメント、一転発売に”. 中国新聞. (2021年1月29日) 2021年2月5日閲覧。
- ^ “LAGAR誤表記ビール、一転販売へ 「売って」声多数”. 朝日新聞. (2021年1月13日) 2021年2月6日閲覧。
- ^ “サッポロビールとファミマの共同開発品 EがAのスペルミスでも販売して法律上問題ありません”. 竹谷とし子 (2021年1月12日). 2021年2月5日閲覧。
- ^ “サッポロさん・ファミマさん、「EじゃなくてもAじゃないか!」キャンペーンはいかがでしょう?”. Yahoo!ニュース. (2021年1月10日) 2021年2月5日閲覧。
- ^ “「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」発売中止から発売へ。サッポロビールに話を聞いてみた”. 日本ビアジャーナリスト協会 (2021年1月18日). 2021年2月5日閲覧。
- ^ 『「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」発売についてのお知らせ』(プレスリリース)サッポロビール、2021年1月13日 。2021年2月5日閲覧。
- ^ 『「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」発売についてのお知らせ』(プレスリリース)ファミリーマート、2021年1月13日 。2021年2月5日閲覧。
- ^ ““スペルミス”を強調してビール発売 サッポロとファミマの騒動とは何だったのか”. ITmediaビジネスオンライン: p. 2. (2021年2月2日) 2021年2月5日閲覧。
- ^ “【パッケージの誤表記】商品名に表記ミス、54.8%が「付加価値あれば購入する」”. 日本トレンドリサーチ (2021年1月19日). 2021年2月5日閲覧。
- ^ “サッポロ 開拓使麦酒仕立て”. サッポロビール. 2021年2月6日閲覧。