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サメハダホシムシ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サメハダホシムシ科
Phascolosoma turnerae
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
亜界 : 真正後生動物亜界 Eumetazoa
階級なし : 旧口動物Protostomia
上門 : 冠輪動物上門 Lophotrochozoa
: 星口動物Sipuncula
: サメハダホシムシ綱 Phascolosomatidea
: サメハダホシムシ目 Phascolosomatiformes
: サメハダホシムシ科 Phascolosomatidae
学名
Phascolosomatidae
Stephen & Edmonds, 1972

サメハダホシムシ科(サメハダホシムシか、Phascolosomatidae)は星口動物サメハダホシムシ綱。3からなり、サメハダホシムシの唯一の科である。

サメハダホシムシ綱は触手が口の背側のみにあり、口を囲まないことが特徴。この綱にはサメハダホシムシ目のほかにタテホシムシ目(タテホシムシ科1科のみ)が含まれるが、タテホシムシ類は体幹部に体表の一部が硬くなった盾状部を持ち、サメハダホシムシ類は持たないことで区別できる[1]

構成種

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属の特徴は西川[2]による。学名と分類体系はWorld Register of Marine Species[3]に従い、有効名とされるもののみを挙げた。

なお、2012年に発表された分子系統学に基づく分類体系では、以下の3属のうちアンチラサメハダホシムシ属を独立の新科Antillesomatidaeに昇格させ、本科にはイトクズホシムシ属サメハダホシムシ属の2属のみを含めている[4]

アンチラサメハダホシムシ属

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アンチラサメハダホシムシ属Antillesoma (Stephen & Edmonds, 1972)は、陥入吻表面に鉤を持たないこと、体腔内で食道に沿って伸びる管(収縮管)に柔毛が生えることで、他の属と区別できる。

イトクズホシムシ属

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イトクズホシムシ属Apionsoma Sluiter, 1902は、アンチラサメハダホシムシ属とは違って吻に鉤を持つこと、収縮管に柔毛がないことに加えて、体壁の縦筋が分離しないことで他の属と区別できる。Apiosoma Sluiter, 1902Edmondsius (Gibbs & Cutler, 1987)の2亜属に分類される。Edmondsiusは、後述するサメハダホシムシ属の亜属とされることもある[2]

サメハダホシムシ属

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サメハダホシムシ属Phascolosoma Leuckart1828は、イトクズホシムシ属と同じく吻に鉤を持ち、収縮管に柔毛を持たない。イトクズホシムシ属との違いは、縦筋が分離することである。Fisherana (Stephen, 1965)とサメハダホシムシ亜属Phascolosoma Leuckart1828の2亜属に分類される。

利用

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厦門の食堂の土筍凍

食用や釣り餌用に利用されることがある。

中国福建省の料理である土筍凍は、現地で「土筍」、「可口革嚢星虫」と呼ばれるサメハダホシムシ属のPhascolosoma esculenta[5][6]煮こごりにしてタレをかけたものである。「土筍」は蒸し物、の具などとしても食されており、浙江省などで養殖も行われている[7]

参考文献・脚注

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  1. ^ 西川輝昭 著「星口動物門」、白山義久編 編『無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)』岩槻邦男・馬渡峻輔監修、裳華房、2000年、pp.193-195頁。ISBN 4785358289 
  2. ^ a b 西川輝昭 著「星口動物門 Sipuncula」、西村三郎(編著) 編『原色検索 日本海岸動物図鑑』 I、保育社、1992年、299-303頁。ISBN 4586302011 
  3. ^ Saiz-Salinas, J (2011年). “Phascolosomatidae”. World Sipuncula database. 2011年8月25日閲覧。下位分類群については同データベース内のそれぞれのページを参照。
  4. ^ Kawauchi, Gisele Y.; Sharma, Prashant P.; Giribet, Gonzalo (2012). “Sipunculan phylogeny based on six genes, with a new classification and the descriptions of two new families”. Zoologica Scripta英語版 41 (2): 186-210. doi:10.1111/j.1463-6409.2011.00507.x. 
  5. ^ 周迎松、丁理発、徐継林、李広宇、厳小軍「可口革嚢星虫主要営養要素的分析」『営養学報』2007年第4期、2007年、中国営養学会・軍事医学科学院、天津
  6. ^ 「弓形革嚢星虫」Phascolosoma (Phascolosoma) arcuatum J.E.Gray, 1828のシノニム
  7. ^ 呉洪喜、陳琛ほか、「可口革嚢星虫人工繁殖試験」『海洋科学』2010年第34巻第3期、pp21-25、2010年、中国科学院海洋研究所、青島