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サンキュー (デュラン・デュランのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『サンキュー』
デュラン・デュランカバー・アルバム
リリース
録音 1992年 – 1994年
ジャンル オルタナティヴ・ロックポップ・ロック
時間
レーベル キャピトル・レコード (US)
パーロフォン/EMI
プロデュース ジョン・ジョーンズ (John Jones)
デュラン・デュラン
デュラン・デュラン アルバム 年表
デュラン・デュラン
(1993)
Thank You
(1995)
Medazzaland
(1997)
『サンキュー』収録のシングル
  1. Perfect Day
    リリース: 1995年3月25日
  2. White Lines
    リリース: 1995年7月1日
  3. Lay Lady Lay
    リリース: 1995年(イタリアブラジルのみ)
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専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
AllMusic1/5stars[1]
Encyclopedia of Popular Music2/5stars[2]
エンターテインメント・ウィークリーC[3]
NME48/10[4]
ローリング・ストーン2.5/5stars[5]
The Rolling Stone Album Guide2/5stars[6]
Select1/5medals[7]
スピン2/10[8]

サンキュー』(Thank You) は、1993年発表の前作『デュラン・デュラン』(通称「ウェディング・アルバム」)に続く作品として、1995年4月にリリースされたデュラン・デュランによるカバー・アルバム。チャートでは好成績を残し、Billboard 200 では19位[9]全英アルバムチャートでは12位[10]まで上昇したが音楽評論家たちからは酷評された。

このアルバムには、「史上最低の音楽 (worst music releases of all time)」だという酷評が集まっている。『Q』誌の編集部は、2006年に作成した「史上最低のアルバム50枚! (The 50 Worst Albums Ever!)」のリストの首位にこのアルバムを挙げた[11]2014年、『アイリッシュ・タイムズ』紙のブライアン・ボイド (Brian Boyd) は、「「録音された音楽の歴史上、まさしく最低の1枚」として間違いなく知られる (accurately known as 'the single worst album in the history of recorded music')」としてこのアルバムに言及した[12]

タイトル曲であるレッド・ツェッペリンの曲「サンキュー (Thank You) は、1994年の映画きっと忘れない』のサウンドトラック盤に5分06秒の短いバージョンで収録されたのが初出である[13]。さらに短い4分12秒のバージョンを収録した、レッド・ツェッペリンへのトリビュート・アルバムEncomium: A Tribute to Led Zeppelin』がリリースされたのは、フル・バージョンがこのアルバムに収録されるひと月前のことであった[14]

評価

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このアルバムからのシングルは、グランドマスター・メリー・メルの「ホワイト・ラインズ (White Lines (Don't Don't Do It))」[15]と、ルー・リードの「パーフェクト・デイ (Perfect Day)」であった[16]イタリアスペインでは、「レイ・レディ・レイ (Lay Lady Lay)」もシングル化された[17]

ローリング・ストーン』誌のJ・D・コンシディン英語版は、「ここで演奏されるアイデアのいくつかは、驚くほど間違った考えによったもので、エルヴィス・コステロの「ウォッチング・ザ・ディテクティヴス (Watching the Detectives)」がイージーリスニング風に編曲されていたり、レッド・ツェッペリンの「サンキュー」がクリス・デ・バーのカバーのように演奏されている。しかし、イギー・ポップの「サクセス (Success)」をゲイリー・グリッターの曲のように仕立てたり、「911イズ・ア・ジョーク (911 Is a Joke)」をパブリック・エネミー[要曖昧さ回避]というよりベックのように聞かせるというのは、ある種の呆けた天才がなければできないことだ」と述べている[5]

アルバム『サンキュー』からの最初のシングル「パーフェクト・デイ」は、そこそこのヒットとなり、全英シングル・チャートで28位まで上昇した。アメリカ合衆国では、Billboard Hot 100 にはわずかに届かず、1995年6月24日付101位が最高だった。そのB面に収録されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「ファム・ファタル(宿命の女) (Femme Fatale)」は、1993年のアルバム『デュラン・デュラン』(ウェディング・アルバム)にも収録されていた[18]

ルー・リードは、デュラン・デュランのバージョンの「パーフェクト・デイ」について、このアルバムに付録として付けられたエレクトロ・プレス・キット (EPK) で、「自分の曲としては最高のカバーだ (The best cover ever completed of one of my own songs)」と述べている[19]

トラックリスト

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#タイトル作詞作曲・編曲オリジナル・アーティスト時間
1.ホワイト・ラインズ (White Lines)」  グランドマスター・メリー・メル
2.アイ・ワナ・テイク・ユー・ハイヤー (I Wanna Take You Higher)」  スライ&ザ・ファミリー・ストーン
3.パーフェクト・デイ (Perfect Day  ルー・リード
4.ウォッチング・ザ・ディテクティヴス (Watching the Detectives  エルヴィス・コステロ
5.レイ・レディ・レイ (Lay Lady Lay)」  ボブ・ディラン
6.911イズ・ア・ジョーク (911 Is a Joke)」  パブリック・エナミー
7.「サクセス (Success)」  イギー・ポップ
8.水晶の舟 (Crystal Ship)」  ドアーズ
9.ボール・オブ・コンフュージョン (Ball of Confusion)」  テンプテーションズ
10.サンキュー (Thank You)」  レッド・ツェッペリン
11.「ドライヴ・バイ (Drive By)」  デュラン・デュラン
12.「アイ・ワナ・テイク・ユー・ハイヤー・アゲイン (I Wanna Take You Higher Again)」  スライ&ザ・ファミリー・ストーン
日本盤ボーナス・トラック
#タイトル作詞作曲・編曲オリジナル・アーティスト時間
13.ダイアモンドの犬 (Diamond Dogs)」  デヴィッド・ボウイ
14.ファム・ファタル(宿命の女) (Femme Fatale)」  ヴェルヴェット・アンダーグラウンド & ニコ
「パーフェクト・デイ」UKシングル盤 ディスク1
#タイトル作詞作曲・編曲オリジナル・アーティスト時間
1.「ダメージ・ダン (The Needle & the Damage Done)」  ニール・ヤング

脚注

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  1. ^ AllMusic review
  2. ^ Larkin, Colin (2011). The Encyclopedia of Popular Music (5th concise ed.). Omnibus Press. ISBN 0-85712-595-8 
  3. ^ Thank You Review - Music Reviews and News - EW.com”. EW.com. 2018年11月1日閲覧。
  4. ^ 21 1990s Albums NME Has Given 10/10 - NME” (2014年3月10日). 2018年11月1日閲覧。
  5. ^ a b RollingStone.com: Thank You : Duran Duran : Review”. 2005年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月1日閲覧。
  6. ^ Sheffield, Rob (2004). “Duran Duran”. The Rolling Stone Album Guide (4th ed.). Simon & Schuster. ISBN 0-7432-0169-8 
  7. ^ Morris, Mark (1995-04-04). “Duran Duran: Thank You”. Select: 93. http://selectmagazinescans.monkeon.co.uk/showpage.php?file=wp-content/uploads/2013/01/albums12.jpg 2017年9月5日閲覧。. 
  8. ^ Hannaham, James (May 1995). “Duran Duran: Thank You: Capitol”. Spin: 96. https://books.google.ge/books?id=bkSKIhZnTyEC&lpg=PP1&pg=PA96&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false 2017年8月25日閲覧。. 
  9. ^ Thank You: Charts & Awards”. allmusic. 2010年9月23日閲覧。
  10. ^ Duran Duran|full Official Chart History”. Official Charts Company. 2023年1月20日閲覧。
  11. ^ Q – The 50 Worst Albums Ever!
  12. ^ Boyd, Brian (2014年4月25日). “Version aversion: Going the covers route brings out the best – and worst – in bands”. 'Wayback Machine'. The Irish Times. 2014年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月17日閲覧。
  13. ^ Original Soundtrack: With Honors - オールミュージック
  14. ^ Various – Encomium: A Tribute To Led Zeppelin - Discogs
  15. ^ Duran Duran – White Lines (Don't Do It) - Discogs (発売一覧)
  16. ^ Duran Duran – Perfect Day - Discogs (発売一覧)
  17. ^ Duran Duran – Lay Lady Lay - Discogs (発売一覧)
  18. ^ Bottom Feeders: The Ass End of the ’90s, Vol. 23”. Popdose.com. 2013年12月5日閲覧。
  19. ^ Thank You EPK, 1995.