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ザ・パシフィック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ザ・パシフィック
ジャンル テレビドラマ
原作 ユージン・B・スレッジ
『ペリリュー・沖縄戦記』
ロバート・レッキー
『南太平洋戦記―ガダルカナルからペリリューへ』
脚本 ブルース・C・マッケンナ
ロバート・シェンカン
グレアム・ヨスト
ジョージ・P・ペレケーノス
ローレンス・アンドリース
ミシェル・アシュフォールド
監督 ティム・ヴァン・パタン
デヴィッド・ナッター
ジェレミー・ポデスワ
グレアム・ヨスト
カール・フランクリン
トニー・トー
出演者 ジェームズ・バッジ・デール
ジョゼフ・マゼロ
ジョン・セダ
時代設定 第二次世界大戦太平洋戦争
製作
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ
トム・ハンクス
ゲイリー・ゴーツマン
制作 HBO
放送
音声形式英語
日本語
イタリア語
ギリシャ語
フランス語
放送国・地域アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
日本の旗 日本
放送期間アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2010年3月14日 - 5月16日
日本の旗 日本
2010年7月18日 - 9月19日
回数10
ザ・パシフィック 公式サイト
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ザ・パシフィック』(The Pacific) は、実話を基に太平洋戦争における米海兵隊員達日本軍の死闘を描くテレビドラマシリーズ。

作品概要

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バンド・オブ・ブラザース制作委員会が第1海兵師団海兵隊員達を主人公に太平洋戦争の戦いを描く、実話を基にしたテレビドラマシリーズである。脚本は元海兵隊員ユージーン・スレッジのノンフィクション作品『ペリリュー・沖縄戦記』と、同じく元海兵隊員ロバート・レッキーの回想記『南太平洋戦記―ガダルカナルからペリリューへ』に加え、議会名誉勲章受章者である海兵隊員ジョン・バジロン一等軍曹のエピソードを基にしており、物語はこの3人を中心にして描かれている。

製作にはセブン・ネットワークプレイトーンドリームワークスオーストラリア政府もかかわっており、HBOでは2010年3月14日に初放送され[1]2010年5月16日に最終回が放送された。また、日本では2010年7月18日から9月19日までWOWOWで放送された。なお、沖縄県那覇市では日本での放送に先立ち2010年6月11日に試写会が行われた[2]

作品自体高い評価を受けてプライムタイム・エミー賞 作品賞 (ミニシリーズ部門)を受賞した。

製作費

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当初予算は1億ドルであったが[3]、最終的に総製作費は2億ドル以上となり、米国の連続テレビドラマでは過去最高の製作費であると報じられた[4][5][6](日本円でいえば通常は高くても100億円だが、この作品では200億円を使ったことになる[7])。

マレーシアン・インサイダー紙によると、総製作費は2億7千万ドルに上り、うちおよそ1億3千400万豪ドルがオーストラリア国内で使われた[8]。豪ヘラルドサン紙は、「ザ・パシフィックはオーストラリアに4,000の雇用を生み出し、1億8千万豪ドルの経済効果があった」としている[9]

サブタイトル

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  1. Part One "Guadalcanal/Leckie": 第1章〜ガダルカナル 前編〜
  2. Part Two "Basilone": 第2章〜ガダルカナル 後編〜
  3. Part Three "Melbourne": 第3章〜メルボルン〜
  4. Part Four "Gloucester/Pavuvu/Banika": 第4章〜グロスター岬/パヴヴ〜
  5. Part Five "Peleliu Landing": 第5章〜ペリリュー 前編〜
  6. Part Six "Peleliu Airfield": 第6章〜ペリリュー 中編〜
  7. Part Seven "Peleliu Hills": 第7章〜ペリリュー 後編〜
  8. Part Eight "Iwo Jima": 第8章〜硫黄島〜
  9. Part Nine "Okinawa": 第9章〜沖縄〜
  10. Part Ten "Home": 最終章〜帰還〜

パート1と2はガダルカナル島の戦いを(1ではテナルの戦い、2ではヘンダーソン基地艦砲射撃のシーンもある)、パート3では第1海兵師団が休養と再編を行うべくオーストラリアメルボルンに向かい、バジロンが名誉勲章を授与され戦時国債購入促進キャンペーンの為に本国に帰還するエピソードが、パート4では前半は迫撃砲の操作要員として訓練を受けるスレッジと西部ニューブリテン島の戦いが描かれたが、後半は過酷な戦場での様子と戦場で受けたストレス (PTSD) が元でレッキーが夜尿症を発症し病院に入院して退院する内容が中心になっている。パート5・6・7ではキャンペーン活動に従事するバジロンの姿とペリリューの戦いが、パート8では部隊に復帰し新兵の訓練を行うバジロンと彼らが参加した硫黄島の戦いが、パート9では沖縄戦が、パート10では日本の降伏をうけ帰郷した隊員達の様子が描かれている。

キャスト

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※括弧内は日本語吹替。階級は最終のもの。

中心人物
第1連隊
第5連隊
第7連隊
その他

その他

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総製作費には200億円が費やされ[10]、エキストラを含めた総出演者数は26,000人以上に上りセリフのある登場人物だけでも138人に及ぶ[11][出典無効]。各話ごとに監督を代える、オープニングに第1海兵師団に所属していた実在の人物らによる当時を振り返えるインタビューが入っている等多くの面でバンド・オブ・ブラザーズの様式を踏襲している。出演者は軍事アドバイザーデイル・ダイの元で当時の装備を使用した9日間の軍事訓練を受けている[11][出典無効]

砲撃を受けて片腕を失った米兵がよろめく、米兵が日本兵の死体や瀕死の日本兵から金歯を漁る(米兵の遺体損壊)、負傷して捕虜にされかけた日本兵が米兵[注 1]を道連れに手榴弾で自爆する様などの残虐表現が含まれている。

ジャップニップ毛唐ヤンキーイエローモンキー、「ネズミども (rats)」「吊目野郎 (slant-eye)」などの蔑称もあえてそのまま使用している。

なお、9話で乳飲み子を抱えた沖縄の女性がダイナマイトを腰に巻いて日本兵に自爆攻撃を強要されている描写[注 2]や日本兵が住民を盾にして海兵隊を攻撃する描写、海兵隊員が非武装の少年を射殺する描写は原作[注 3]には無い演出である。 HBO公式サイトによる9話の脚本は Written by Bruce C. McKenna

原作日本語訳

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  • ヒュー・アンブローズ英語版.『ザ・パシフィック 上』, ACクリエイト/AC Books. 2010年8月. ISBN 978-4-90-424920-8 (ISBN 4-90-424920-8)
  • ヒュー・アンブローズ.『ザ・パシフィック 下』, ACクリエイト/AC Books. 2010年9月. ISBN 978-4-90-424921-5 (ISBN 4-90-424921-6)
  • ロバート・レッキー.『南太平洋戦記 - ガダルカナルからペリリューヘ英語版』, 中央公論新社. 2014年8月. ISBN 978-4-12-004639-1 (ISBN 4-12-004639-7)
  • ユージーン・スレッジ.『ペリリュー・沖縄戦記』, 講談社学術文庫. 2008年8月. ISBN 978-4-06-159885-0 (ISBN 4-06-159885-6)

脚注

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注釈

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  1. ^ 敵兵の救助は人道上の理由だけではなく、捕虜から情報を引き出すという重要な意味がある。米軍は日系人を中心に通訳を育成し、組織的な情報収拾を行なっていた。
  2. ^ 民間人が軍役に付いている知人から手榴弾を入手するなどして自決すること、あるいは本土決戦に備えて少年兵に対戦車自爆攻撃の訓練を行ったことなどは実際にあったが、女性や幼児による自爆攻撃は、米軍側の資料を含め、史実に残されていない。しかし民間人の女性救護班員、協力隊員が最後の切り込め隊に参加したことは伊江島の戦いなどで記録された。その他、女性隊員に自決用の手榴弾など爆発物を支給した証言も残されている。
  3. ^ ペリリュー・沖縄戦記講談社学術文庫版。

出典

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  1. ^ Stanhope, Kate (December 16, 2009). “HBO to Premiere The Pacific March 14”. TVGuide.com. http://www.tvguide.com/News/HBO-Premiere-Pacific-1013190.aspx April 3, 2010閲覧。 
  2. ^ 悲惨すぎる!日本軍と米軍どちらも悪い!沖縄で太平洋戦争での残虐さ描くドラマの試写会シネマトゥデイ 2010年6月12日
  3. ^ Bodey, Michael (2007年5月16日). “Seven trumps Nine by landing war miniseries”. The Australian. News.com.au. 2010年4月30日閲覧。
  4. ^ Askmen.com: The Pacific: 5 Things you Didn't Know
  5. ^ Popeater.com (AOL News): How HBO Made the Most Expensive Mini-Series of All-Time
  6. ^ Manila Bulletin: 'The Pacific', a $200 million HBO mini-series
  7. ^ 映画.com×「ザ・パシフィック」
  8. ^ Dunn, Emily; Maddox, Garry (2008年12月3日). “Stay in Touch: Thanks Hanks”. The Sydney Morning Herald. http://www.smh.com.au/news/entertainment/stay-in-touch/watts-to-pose-nude-for-archie/2008/12/02/1227980016042.html 2010年4月3日閲覧。 
  9. ^ “Movies on a Roll”. ヘラルドサン. (2008年4月3日) 
  10. ^ 『ザ・パシフィック』が描く日本人”. ニューズウィーク日本版編集部 (2010年7月23日). 2011年12月7日閲覧。
  11. ^ a b WOWOWでの番組紹介ページ 制作秘話より

関連項目

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外部リンク

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