シアノ酢酸
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シアノ酢酸 | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 372-09-8 |
PubChem | 9740 |
ChemSpider | 9357 |
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特性 | |
化学式 | C3H3NO2 |
モル質量 | 85.06 g/mol |
外観 | 白色固体 |
密度 | 1.287 g/cm3 |
融点 |
69-70 ℃ |
沸点 |
108 ℃ (15 mm Hg) |
水への溶解度 | 1000 g/L (20 ℃) |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
半数致死量 LD50 | 1500mg/kg(ラット、経口) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
シアノ酢酸(シアノさくさん、Cyanoacetic acid)は、分子式C3H3NO2で表される有機化合物である。吸湿性をもつ白色固体であり、ニトリルとカルボン酸の2つの官能基を持っている。 接着剤の成分である、シアノアクリレートの前駆体として利用されている[1]。
日本では毒物及び劇物取締法により、有機シアン化合物として劇物に指定されている。
合成法
[編集]クロロ酢酸のナトリウム塩とシアン化ナトリウムを反応させ、酸で処理することにより得る[1][2]。また、二酸化炭素をアノード側、アセトニトリルをカソード側にした電気合成においても得ることができる[3]。
性質
[編集]シアノ酢酸は、酢酸の2番炭素(カルボキシ基ではない炭素)に直結している水素のうちの1つが、シアノ基に置換された構造をしている。シアノ基は電子求引性基の1つであり、隣のカルボキシ基が電離してプロトンを手放した際に残る負電荷(電子)を分散させてくれる。このため酢酸イオンよりも、シアノ酢酸イオンの方が安定であり、シアノ酢酸の方が酸性度が数百倍高い。具体的には、25 ℃における酢酸のpKaが4.76なのに対して、同じ25 ℃におけるシアノ酢酸のpKaは2.45である[4]。なお、160℃に加熱すると、脱炭酸が起きてアセトニトリルとなる。
利用
[編集]シアノ酢酸は、様々な化合物の合成中間体として利用される。デキストロメトルファン、アミロライド、スルファジメトキシン、アロプリノールなど、様々な医薬品のビルディングブロックである[1]。シアノアセチル化を行う際の試薬として利用されている[3]。
脚注
[編集]- ^ a b c Harald Strittmatter, Stefan Hildbrand and Peter Pollak Malonic Acid and Derivatives" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2007, Wiley-VCH, Weinheim. doi: 10.1002/14356007.a16_063.pub2
- ^ Inglis, J. K. H. (1928). “Ethyl Cyanoacetate”. Organic Syntheses 8: 74. doi:10.15227/orgsyn.008.0074.
- ^ a b Barba, Fructuoso; Batanero, Belen (2004). “Paired Electrosynthesis of Cyanoacetic Acid”. The Journal of Organic Chemistry 69 (7): 2423-2426. doi:10.1021/jo0358473 .
- ^ CYANOACETIC ACID