シナハマグリ
シナハマグリ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Meretrix petechialis (Lamarck, 1818) | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
シナハマグリ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Hard clam |
シナハマグリ(支那蛤、Meretrix petechialis)は、マルスダレガイ上科マルスダレガイ科ハマグリ属の二枚貝。日本には本来分布していない外来種。
分布
[編集]日本では外来種である。在来のハマグリ(Meretrix lamarcki)の減少に伴い、その食用としての需要を満たすため1960年代より輸入が始まる。1969年に三重県で[3]、1975年に香川県で畜養が始まる。東京湾では1997年から2001年にかけて本種を放流している。浮遊幼生の逸出を経て分布を広げたと考えられる。また、潮干狩り用に各地に放流された例もある[4]。千葉・東京・富山・和歌山・岡山・香川・熊本・鹿児島の各都県で記録がある[2]。
盛口満は、1975年10月に高ノ島(館山市富士見)で本種の殻を採集した[5]。総本家貝新新七商店(桑名市江場貝戸)の証言によると、桑名では1995年頃にハマグリはいなくなり、本種に置き換わった[6]。環境省指定要注意外来生物[2]および日本の侵略的外来種ワースト100[4]に選定されている。
形態
[編集]殻長70ミリメートル(最大150ミリメートルに達するとする文献もある[4])。殻は丸みを帯びた三角形で、ハマグリに比べて殻高は高く、後背縁は丸く張り出す。外套線湾入はきわめて浅い[1]。殻の内側は、後背部が紫に染まることが多い[7]。
生態
[編集]内湾の潮間帯下部から水深10メートルの砂泥底に生息[1]。
マシジミとタイワンシジミのように、ハマグリと本種の交雑が起こっているという報告がある[8]。
人間との関わり
[編集]食用[9]。ただし、ハマグリの方が身が分厚くて美味である、とする文献もある[6]。
乱獲や開発により減少したハマグリの代用として中国・韓国から[10]輸入され、シナハマグリであっても「ハマグリ」と表示されて販売されている[11]。
出典
[編集]- ^ a b c 奥谷 2017, p. 1250.
- ^ a b c “シナハマグリ”. 侵入生物データベース. 国立研究開発法人国立環境研究所. 2022年4月28日閲覧。
- ^ 自然環境研究センター 2019, p. 283.
- ^ a b c DECO 2006, p. 273.
- ^ 盛口 2011, p. 150-151.
- ^ a b 盛口 2011, p. 160-162.
- ^ 黒住et al. 2021, p. 120.
- ^ 山川(矢敷)彩子、今井秀行「東アジアにおけるハマグリ類の遺伝的多様性と集団構造」『Bull. biogeogr. Soc. Japan』第68巻、日本生物地理学会、2013年12月20日、79頁。
- ^ 望月賢二 著、魚類文化研究会, 雅麗 編『図説 魚と貝の事典』柏書房、2005年5月10日、312頁。ISBN 4-7601-2657-0。
- ^ 佐々木猛智『東京大学コレクションⅩⅤ 貝の博物誌』東京大学総合研究博物館、2002年10月1日、172頁。ISBN 4-13-020215-4。
- ^ “「魚介類の名称のガイドラインについて(中間とりまとめ)」の改正案に寄せられたご意見等の概要とご意見等に対する考え方について” (PDF). 水産庁. 2022年4月28日閲覧。
参考文献
[編集]- 盛口満『おしゃべりな貝―拾って学ぶ海辺の環境史』八坂書房、2011年3月26日。ISBN 978-4-89694-972-8。
- 奥谷喬司(編著)『日本近海産貝類図鑑』(第二版)東海大学出版部、2017年1月30日。ISBN 978-4-486-01984-8。
- 黒住耐二(文)、大作晃一(写真)『くらべてわかる 貝殻』山と渓谷社、2021年10月5日。ISBN 978-4-635-06356-2。
- 一般財団法人自然環境研究センター(編著)『最新 日本の外来生物』平凡社、2019年10月25日。ISBN 978-4-582-54260-8。
- DECO 編『外来生物事典』池田清彦(監修)、東京書籍、2006年9月7日。ISBN 4-487-80118-4。