シマソケイ
シマソケイ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ochrosia iwasakiana (Koidz.) Koidz. (1924)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
シマソケイ |
シマソケイ(島素馨、学名: Ochrosia iwasakiana)は、キョウチクトウ科ヤロード属の常緑の小高木[5]。
特徴
[編集]植物体は全株無毛である。小枝は円く太い。葉は3-6個が輪生し、葉柄は長さ1-4cmになる。葉身はさじ状長楕円形から倒卵状楕円形で、革質、長さ7-20cm、幅4-9cmで、先端はふつう微凸頭であるが、ときにやや微凹頭円形になり、基部はくさび形になり、葉柄につづく[5][6][7]。
枝先に複集散花序が伸び、多数の白色の花をつける。萼は長さ約3mmと小さく、5裂し、裂片の先端は円頭になる。花冠は多肉質で径約1cm、長さ約3mmになる筒部があり、先は5裂して裂片は平開する。花冠喉部に短い縦じわがある。雄蕊は5個あり、花糸はごく短く、基部に微毛があり、葯は卵形で先端は鋭頭になる。子房は2心皮からなる。果実は楕円形の核果が2個対生し、長さ6-8cm、幅2-5cmになり、橙黄色に熟す[5][6][7]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種[8]。先島諸島の宮古島、伊良部島、石垣島、西表島に分布し、海岸近くや低地の林内に生育する。ただし、自生地は少なく、個体数も少ない[6][7]。同属の O. oppositifolia と同種とする意見もあり、その場合の分布地は、先島諸島のほか、マレーシア、ミクロネシア、アンダマン諸島、スリランカなどのアジア熱帯地域となる[5][6][7][8]。
名前の由来
[編集]和名シマソケイは、松村任三による[9]。石垣島の地方名は、ヤマフクン[7][9]。
種小名(種形容語)iwasakiana は、1922年に、石垣島の屋良部半島でタイプ標本を採集した Takuya Iwasaki への献名[9]。
種の保全状況評価
[編集]絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)
都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は、沖縄県が絶滅危惧IB類(EN)となっている[7][10]。
また、石垣市では、2015年に自然環境保全条例保全種に、竹富町では、2017年に希少野生動植物種に指定されている[7]。
ギャラリー
[編集]-
枝先に複集散花序が伸び、多数の白色の花をつける。花冠は多肉質で、先は5裂して裂片は平開する。
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葉は3-6個が輪生し、葉身はさじ状長楕円形から倒卵状楕円形で、革質、先端は微凸頭ときにやや微凹頭円形になり、基部はくさび形になる。
脚注
[編集]- ^ a b シマソケイ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ シマソケイ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ シマソケイ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ シマソケイ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d 山城孝 (2017)「キョウチクトウ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』pp.313-314
- ^ a b c d 『レッドデータプランツ : 絶滅危惧植物図鑑』, p. 165, 藤田卓 (2015)「シマソケイ」
- ^ a b c d e f g h 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物』, p. 246, 横田昌嗣ら (2018)「シマソケイ」
- ^ a b 『日本の固有植物』, p. 116, 國府方吾郎 (2011)「キョウチクトウ科」
- ^ a b c Gen'iti Koidzumi 1923, p. 50-51
- ^ a b シマソケイ、日本のレッドデータ検索システム、2023年12月11日閲覧
参考文献
[編集]- 加藤雅啓、海老原淳『日本の固有植物』東海大学出版会〈国立科学博物館叢書 ; 11〉、2011年3月。ISBN 978-4-486-01897-1。国立国会図書館書誌ID:000011153348 。
- 矢原徹一、藤井伸二、伊藤元己、海老原淳、永田芳男『レッドデータプランツ : 絶滅危惧植物図鑑』(増補改訂新版)山と溪谷社、2015年。ISBN 9784635090452。国立国会図書館書誌ID:026152523 。
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 4』、2017年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム
- Gen'iti Koidzumi「Contributiones ad Cognitionem Florae Asiae Orientalis」『植物学雑誌 The botanical magazine』第37巻第436号、東京植物学会、1923年、50-51頁、doi:10.15281/jplantres1887.37.436_en37。
- 「維管束植物」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物』(第3版)沖縄県〈(レッドデータおきなわ)-菌類編・植物編-〉、2024年 。
外部リンク
[編集]- シマソケイ、琉球の植物データベース、国立科学博物館
- Jr., Inocencio E. Buot; Okitsu, Susumu; Aguilar, Norma O.「An Interpretation of the Present Range of Distribution and Dispersal of Ochrosia oppositifolia (Lam.) K. Schum. (Apocynaceae) in the Philippine Beach Forest」『千葉大学園芸学部学術報告』第51巻、千葉大学園芸学部、1997年3月、119-126頁、ISSN 0069-3227。
- 西表島の隆起サンゴ礁における林分構造と希少植物の生育環境、指村奈穂子(琉球大学)ら、日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨(ポスター発表)