シムルグ (ロケット)
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シモルグ(シムルグ) | |
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基本データ | |
運用国 | イラン |
開発者 | IAO |
使用期間 | 2016年 - |
射場 | セムナーン射場 |
打ち上げ数 | 7(?)(成功1) |
原型 | サフィール |
物理的特徴 | |
総質量 | 77 t |
全長 | 27 m |
軌道投入能力 | |
低軌道 |
100 kg 500 km |
シモルグまたはシムルグ (ペルシア語: سیمرغ スィーモルグ、英語: Simorgh) はイラン宇宙庁 (IAO) が開発している小型衛星打ち上げ用使い捨て型ロケット (ELV) である。「スィーモルグ」は、ペルシア神話に出てくる不死鳥シムルグのこと。
概要
[編集]2010年2月3日に、イラン初の人工衛星オミードの打ち上げ後1周年を記念する式典において新型の国産人工衛星3機とともに公表された。2012年8月イラン航空宇宙機関のファーゼリー長官が、2013年3月に打ち上げ予定であることを明らかにしたが[1]、打ち上げは遅れた。最終的には2016年4月に衛星軌道に載らない弾道飛行に成功したものの、2020年2月の4回目の打ち上げ時点で衛星軌道への投入には成功していない[2]。
構成・諸元
[編集]第1段に4基の主エンジンをクラスター化した全長27m全備質量77tの多段式ロケットである。この第1段主エンジンは、サフィールの第1段エンジンと同じものであり、北朝鮮のノドンのエンジンを改良したものであると見られており[3]、銀河2号や銀河3号と同様の構成になると推測されている。第1段には主エンジンの他にバーニアが備えられており、これにより誘導制御が行われる。
公式には高度500kmの低軌道に100kgの打ち上げ能力をもつとされているが[4][5]、打ち上げ能力は約60kgであるという報道もある[6][7]。
また、将来的には同様の第1段エンジンを用いて高度1,000kmの軌道に700kgの衛星を投入することも可能であるとされている[4]。
打ち上げ実績
[編集]No | 日時 (UTC) | 積荷 | 形式 | 成否 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2016年4月19日 | (なし) | Simorgh | 成功 | 弾道飛行試験 |
2 | 2017年7月27日 | (なし) | Simorgh | 失敗 | — |
3 | 2019年1月15日 | Payam (旧称"AUT-SAT") | Simorgh | 失敗 | — |
4 | 2020年2月9日 15:45 | Zafar-1 | Simorgh | 失敗 | — |
5(?) | 2021年6月12日 | Simorgh | 失敗 | 打上の有無が議論中 | |
6 | 2021年12月30日 | 3基の研究機器 | Simorgh | 失敗 | — |
7 | 2024年1月28日 | Mahda Keyhan-2 Hatef-1 |
成功 | 初めての軌道投入成功 |
出典・脚注
[編集]- ^ “イランが衛星ロケット「スィーモルグ」の打ち上げ実施”. IRIB. (2012年8月13日) 2012年12月16日閲覧。
- ^ “イラン、国産ロケット『シムルグ』(Simorgh)打ち上げ失敗”. ZAPZAP!. (2020年2月11日) 2020年3月5日閲覧。
- ^ 白承宰 (2010年2月5日). “ミサイル:「イランのロケットはノドンのエンジンを改良」” (日本語). 朝鮮日報 2010年2月6日閲覧。
- ^ a b “Iran Unveiled New Generation of Satellites” (英語). Iranian Space Agency (2010年2月3日). 2010年2月13日閲覧。
- ^ “Iran uncovers three new home-made satellites” (英語). Iranian Students News Agency. (2010年2月3日) 2010年2月13日閲覧。
- ^ “Iranian DM: Simorgh to Carry Tolou, Mesbah Satellites into Space” (英語). Fars News Agency. (2010年2月4日) 2010年2月13日閲覧。
- ^ sorae.jp編集部宇宙班 (2010年2月4日). “イラン、新型ロケットと人工衛星3基を公開” (日本語). sorae.jp 2010年2月4日閲覧。