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沙門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャモンから転送)
ヒンドゥー教用語
サマナ
サンスクリット語 श्रमण;
(IAST: Śramaṇa)
タミル語 Samanam
ジャイナ教の僧侶

沙門(しゃもん、: Śramaṇa, シュラマナ: Samaṇa, サマナ)は、原義は「(とある高尚・宗教的な目的のために)労働・苦労・奮闘する者」[1][2]、「質素・禁欲な生活の探求者」[3] との意味である。

後にこの語は、古代インド社会に於いて生じた、ヴェーダの宗教から分岐したバラモン教ではない禁欲運動を指すようになった[4]。「つとめる人」の意[4][5][6][7] 。沙門の伝統は、ジャイナ教[8]仏教[9]アージーヴィカ教順世派などが含まれる[10][11][12]。桑門、勤息、貧道とも言う。後に仏教では比丘と同義になった[13]

これらの沙門運動は「サンサーラ」「解脱」といった、すべてのインド哲学における主要コンセプトを共有している[14]

由来

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語源はサンスクリットで努力を意味する śram から来ているとされるが、静まるを意味する śam から来ていると言う説もある。前者の意味として功労、後者の意味として息心と意訳される事があり、上記の勤息は両方の意味を合わせた訳語である。

一説には、シャーマンの語源を沙門とするが、これは、未だ俗説の域を出ていない。シャーマンの語源はツングース系語族の「薩満」であるというのが、有力な学説である。[要出典]

または一説には、シャーマンの由来であるツングース語のシャマンは、さらにシナ語の沙門由来するというのが多くの学者の認めるところである。[15]

パーリ仏典における記載

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脚注

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  1. ^ Dhirasekera, Jotiya. Buddhist monastic discipline. Buddhist Cultural Centre, 2007.
  2. ^ Shults, Brett. "A Note on Śramaṇa in Vedic Texts." Journal of the Oxford Centre for Buddhist Studies 10 (2016).
  3. ^ Monier Monier-Williams, श्रमण śramaṇa, Sanskrit-English Dictionary, Oxford University Press, p. 1096
  4. ^ a b 「沙門」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
  5. ^ Olivelle 1993, pp. 11, 12.
  6. ^ Jaini 2001, p. 48.
  7. ^ Ghurye, G. S. (1952). “Ascetic Origins”. Sociological Bulletin 1 (2): 162–184. doi:10.1177/0038022919520206. JSTOR 42864485. 
  8. ^ Zimmer 1953, p. 182-183.
  9. ^ Svarghese, Alexander P. 2008. India : History, Religion, Vision And Contribution To The World. pp. 259–60.
  10. ^ Basham 1951, pp. 94–103.
  11. ^ James G. Lochtefeld (2002). The Illustrated Encyclopedia of Hinduism, Vol. 2: N–Z. The Rosen Publishing Group. p. 639. ISBN 978-0823922871. https://books.google.com/books?id=g6FsB3psOTIC&pg=PA639 
  12. ^ P. Billimoria (1988), Śabdapramāṇa: Word and Knowledge, Studies of Classical India Volume 10, Springer, ISBN 978-94-010-7810-8, pp. 1–30
  13. ^ 「沙門【しゃもん】」 - 百科事典マイペディア
  14. ^ Flood, Gavin. Olivelle, Patrick. 2003. The Blackwell Companion to Hinduism. Malden: Blackwell. pp. 273–274.
  15. ^ 渡辺照宏,宮坂宥勝『沙門空海』

参考文献

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関連項目

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