ショウナイトウヒレン
ショウナイトウヒレン | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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山形県鶴岡市 2018年9月下旬
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Saussurea shonaiensis Kadota[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ショウナイトウヒレン(庄内塔飛廉)[1] |
ショウナイトウヒレン(庄内塔飛廉、学名:Saussurea shonaiensis)は、キク科トウヒレン属の多年草[1]。
特徴
[編集]茎はほぼ直立し、高さは60-85cmになる。茎に幅3-5mmになるはっきりとした翼があり、褐色の軟毛がまばらに生えて、上部は4-8回分枝する。花時に根出葉は存在しない。茎の下部につく葉は革質から草質で、葉身は広卵形から円形または卵形、長さ17-25cm、幅13-20cm、先は鋭頭または尾状に短くとがり、基部は深いまたは浅い心形になり、縁に粗い鋸歯がある。葉の表面に褐色の軟毛が生え、裏面は無毛。葉柄は長さ8-18cmになり、翼がある。茎の上部につく葉は、小型で短い葉柄がある[1]。
花期は8-10月。頭状花序は総状に2-3個がまばらにつき、花柄は長さ2-3mmになり、褐色の軟毛が密生する。総苞は緑色、長さ13-15mm、径7-10mmになる筒形で、くも毛が密生する。総苞片は8列あり、総苞外片は卵形で長さ7-8mm、上部は鋭突頭になり斜上する。頭花は筒状花のみからなり、花冠の長さは12-13mm、色はごく淡い紅紫色から白色になる。果実は長さ5mmになる痩果で、明るい灰色で紫色の条と斑点がある。冠毛は2輪生で、落ちやすい外輪は長さ4mm、花後にも残る内輪は長さ9mmになる[1]。
分布と生育環境
[編集]日本固有種。本州の山形県の庄内地方、秋田県南部・山形県北部にまたがる鳥海山山麓の日本海沿岸地域に分布し、沿岸の低地から低山の夏緑林やクロマツ林の林縁や林下、海岸の草原などに生育する[1][2]。
名前の由来
[編集]和名ショウナイトウヒレンは、「庄内塔飛廉」の意で、山形県庄内地方に多く見られることによる。種小名(種形容語)shonaiensis も「庄内」による[1]。
2015年に門田裕一(国立科学博物館)によって、『植物研究雑誌』Vol.90、「アジア産トウヒレン属 (キク科) の分類学的研究 VII. 北海道産の1新種と本州産の 4 新種」において、カムイトウヒレン-Saussurea kenji-horieana、フカウラトウヒレン-Saussurea andoana、カムロトウヒレン-Saussurea sawae、ウゴトウヒレン-Saussurea ugoensisとともに新種として命名記載された[2]。
ギャラリー
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総苞片の先はとがり斜上する。総苞は筒形でくも毛が密生する。
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下部の葉の葉柄に翼がある。
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頭花が多数ついて、茎がたわんだものもある。
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花柄に褐色の軟毛が密生する。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社
- 門田裕一「アジア産トウヒレン属(キク科)の分類学的研究 VII.北海道産の1新種と本州産の4新種」『植物学雑誌 (The Journal of Japanese Botany)』第90巻第3号、ツムラ、2015年、158-178頁、doi:10.51033/jjapbot.90_3_10580。