シロカネソウ属
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シロカネソウ属 | ||||||||||||||||||
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Dichocarpum W.T.Wang et P.G.Hsiao[1][2] | ||||||||||||||||||
タイプ種 | ||||||||||||||||||
Dichocarpum sutchuenense (Franch.) W.T.Wang & P.G.Hsiao [3] | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
シロカネソウ属 | ||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||
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シロカネソウ属(シロカネソウぞく、学名:Dichocarpum、和名漢字表記:白銀草属)は、キンポウゲ科の属の1つ[1]。
特徴
[編集]根茎のある多年草または二年草で、種によって匍匐茎が地上または地中をはうものがある。根出葉は1-数個あり、または無いか退化して鱗片状になる。茎につく葉は対生または互生し、鳥足状複葉で小葉は3-13個になるか、または単葉になる。茎は上部で多少とも分枝する。花は茎先または葉腋につき、集散花序に数個つくか、または単生する。萼片は花弁状で5個あり、色は白色、黄白色または淡黄緑色になるものがあり、背面に紫色の条や帯があるものが多い。花弁は萼片内の小さなもので5個あり、黄色またはオレンジ色で、舷部と長い柄からなり、舷部は広楕円形または半球形で、形状は皿状、コップ状またはスプーン状になる。舷部に蜜腺があり、蜜を分泌する。雄蕊は5-25個あり、葯は白色、黄色または淡紅紫色になる。雌蕊は2個あり、基部で合着する。果実は2個の袋果が基部で合着し、魚の尾状に二又に分かれる[1][2]。
分布
[編集]日本産のものはすべて日本固有種[4]。日本では、本州、四国、九州に、日本国外では中国大陸、台湾、インド北部、ミャンマー北部、ネパールに分布し、15種ほどある[1][2]。
種
[編集]日本に分布する種
[編集]和名、学名はYistおよび『改訂新版 日本の野生植物 2』[1]による。
- サバノオ(鯖の尾)Dichocarpum dicarpon (Miq.) W.T.Wang et P.K.Hsiao - 多年草。茎の高さは10-20cm、やや開出する毛がまばらに生える。根出葉は1-数個。花弁状の萼片は白色から緑白色で紫色の条がある。本州(岐阜県)と九州に分布し、温帯林の林床に生育する[1][5]。
- ハコネシロカネソウ(箱根白銀草)Dichocarpum hakonense (F.Maek. et Tuyama ex Ohwi) W.T.Wang et P.K.Hsiao - 多年草。茎の高さは5-20cm、繊細で無毛。根出葉は1-4個。花弁状の萼片は白色で背面がわずかに紫色を帯びる。本州(神奈川県、静岡県)に分布し、温帯林の林床に生育する[1][5]。準絶滅危惧(NT)(環境省2015年)。
- アズマシロカネソウ(東白銀草)Dichocarpum nipponicum (Franch.) W.T.Wang et P.K.Hsiao - 多年草。茎の高さは10-20cm、繊細で無毛。根出葉は1-4個または無い。花弁状の萼片は黄緑色で背面が紫色を帯びる。本州(秋田県、岩手県から鳥取県、岡山県)の日本海側に偏って分布し、温帯林の林床に生育する[1][5]。
- サンインシロカネソウ(山陰白銀草)Dichocarpum sarmentosum (Ohwi) Murata - 多年草。茎の高さは10-20cm、繊細で無毛。根出葉は1-3個または無い。花弁状の萼片は黄白色で背面の基部が赤紫色を帯びる。花後、地上に伸びる匐枝をもつ。本州(福井県から島根県)の日本海側に偏って分布し、温帯林の林床に生育する[1][5]。
- コウヤシロカネソウ Dichocarpum numajirianum (Makino) W.T.Wang et P.K.Hsiao - 多年草。茎の高さは10-20cm、繊細で無毛。根出葉は1-2個または無い。花弁状の萼片は白色または緑白色で背面が赤紫色を帯びる。本州(三重県、奈良県、和歌山県)および四国(香川県、徳島県)に分布し、温帯林の林床に生育する[1][5]。絶滅危惧IB類(EN)(環境省2015年)。
- キバナサバノオ(黄花鯖の尾)Dichocarpum pterigionocaudatum (Koidz.) Tamura et Lauener - 多年草。茎の高さは10-25cm、繊細で無毛。根出葉は退化して鱗片状になる。花弁状の萼片は黄緑色で背面がわずかに赤紫色を帯びる。本州(福井県、滋賀県、京都府、兵庫県)の日本海側に偏って分布し、温帯林の林床に生育する[1][5]。絶滅危惧II類(VU)(環境省2015年)。
- ツルシロカネソウ(蔓白銀草)Dichocarpum stoloniferum (Maxim.) W.T.Wang et P.K.Hsiao - 多年草。茎の高さは10-25cm、繊細で無毛。根出葉は1-2個またはそれ以上ある。花弁状の萼片は両面とも白色。地中に伸びる匐枝をもつ。本州(神奈川県から奈良県)の太平洋側に偏って分布し、温帯林の林床や苔むした岩場に生育する[1][5]。
- トウゴクサバノオ(東国鯖の尾)Dichocarpum trachyspermum (Maxim.) W.T.Wang et P.K.Hsiao - 二年草。茎の高さは5-30cm、繊細で無毛。根出葉は数個ある。花弁状の萼片は黄白色から黄緑色。本州(岩手県以南)、四国および九州に分布し、温帯林の林床や苔むした岩場に生育する[1][5]。
- サイコクサバノオ(西国鯖の尾)Dichocarpum univalve (Ohwi) Tamura et Lauener - 多年草。茎の高さは10-20cm、無毛かときに開出する毛がまばらに生える。根出葉は1-4個または無い。葉柄や花柄に開出する毛がある。花弁状の萼片は白色から緑白色で紫色の帯がある。本州(近畿地方)および四国に分布し、温帯林の林床に生育する[1][5]。
その他の種
[編集]学名は Dichocarpum, The Plant Listから、および分布地[2]
- Dichocarpum adiantifolium (Hook.f. & Thomson[6]) W.T.Wang & P.K.Hsiao
- Dichocarpum arisanense (Hayata) W.T.Wang & P.K.Hsiao - 台湾
- Dichocarpum auriculatum (Franch.) W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
- Dichocarpum basilare W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
- Dichocarpum carinatum D.Z.Fu - 中国大陸
- Dichocarpum dalzielii (J.R.Drumm. & Hutch.) W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
- Dichocarpum fargesii (Franch.) W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
- Dichocarpum franchetii (Finet & Gagnep.) W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
- Dichocarpum hypoglaucum W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
- Dichocarpum malipoenense D.D.Tao - 中国大陸
- Dichocarpum sutchuenense (Franch.) W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
- Dichocarpum trifoliolatum W.T.Wang & P.K.Hsiao - 中国大陸
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n 『改訂新版 日本の野生植物2』pp.149-151
- ^ a b c d Dichocarpum W.T.Wang & P.G.Hsiao, Flora of China
- ^ Dichocarpum W.T. Wang & P.G. Xiao, Tropicos
- ^ 『日本の固有植物』p.54
- ^ a b c d e f g h i 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』pp.223-227
- ^ Thomas Thomson (1817-1878) botanist or Carl Gustaf Thomson (1829-1899) entomologist
参考文献
[編集]- 加藤雅啓・海老原淳編著『日本の固有植物』、2011年、東海大学出版会
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 2』、2016年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- 日本のレッドデータ検索システム
- Dichocarpum W.T.Wang & P.G.Hsiao, Flora of China
- Dichocarpum W.T. Wang & P.G. Xiao, Tropicos
- Dichocarpum, The Plant List