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シロバナハナグマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シロバナハナグマ
シロバナハナグマ
シロバナハナグマ Nasua narica
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書III[2]
(ホンジュラス個体群)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 食肉目 Carnivora
: アライグマ科 Procyonidae
: ハナグマ属 Nasua
: シロバナハナグマ N. narica
学名
Nasua narica (Linnaeus, 1766)[3]
シノニム[3]

Viverra narica Linnaeus, 1766
Nasua nelsoni Merriam, 1901

和名
シロバナハナグマ[4]
英名
Northern coati[5]
White-nosed coati[5]
分布域
分布域

シロバナハナグマNasua narica)は、哺乳綱食肉目アライグマ科ハナグマ属に分類される食肉類。別名ハナジロハナグマ[5]

分布

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アメリカ合衆国エルサルバドルグアテマラコスタリカコロンビアベリーズニカラグアパナマホンジュラスメキシコ[1]

アメリカ合衆国のアリゾナ州南東部から中央アメリカにかけて分布し[5]、南アメリカではコロンビアに分布する[3]

形態

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頭胴長(体長)43 - 66センチメートル、尾長42 - 68センチメートル、体重3 - 6キログラム[5]。オスはメスよりも大型になる[5]コスメル島の亜種は大陸個体群より小型で[3]、頭胴長42 - 44センチメートル、尾長33 - 35センチメートル[5]

毛衣は黒色や暗褐色、赤みを帯びた淡色などで、銀色や黄色みを帯びることもある[3]。首と肩は白色または黄色みを帯び、吻・顎・喉は白い[3]。目の周囲は濃褐色で囲まれる[5]。鼻先から目の間にかけて白い筋模様が伸びる[3][5]。耳介の先端は白く、後ろには白色または黄色みを帯びた斑紋がある[3][5]。体の下面は黄色味を帯びるか暗褐色で、足は黒い[3][5]。尾には褐色の輪状斑があるが、不鮮明[5]

分類

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以下の亜種の分類は、Gompper (1995) に従う[3]。分布(模式産地)は中里 (1991) に従う[5]

Nasua narica molaris Merriam, 1902
コリマ州(メキシコ)
Nasua narica narica (Linnaeus, 1766)
ベラクルス州(メキシコ)
Nasua narica nelsoni Merriam, 1901
コスメル島(メキシコ)
Nasua narica yukatanica Allen, 1904
ユカタン州(メキシコ)

以前は本種をアカハナグマNasua nasuaの亜種とする説もあり、一方でコスメル島の個体群が独立種コスメルハナグマN. nelsoniとされていた[5]。1991年にコスメルハナグマを本種の亜種とする説が提唱された[6][7]

生態

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おもに森林に生息する[5]。社会性で、メスとその家族からなる4 - 25頭の群れ(band)で暮らすが、成獣のオスは単独で生活する[3][5]。樹上性および地上性[5]。昼行性だが、成獣のオスは夜間にも活動する[5]

食性は雑食で、果実、小鳥や鳥の卵、小型哺乳類、爬虫類、昆虫などの小動物を食べる[5]。捕食者としてネコ類、猛禽類、ヘビ、霊長類が挙げられる[3]。成獣オスが幼獣を共食いする例も報告されている[3]

年に1回[3]、1月から3月の間に繁殖する[5]。繁殖期間は2 - 4週間[3]。妊娠期間は70 - 77日[3]。妊娠したメスは群れを離れて樹上に巣を作り[5]、1 - 6頭の幼獣を産む[3]。出産直後の幼獣は頭胴長15.5 - 16.5センチメートル、尾長10 - 11センチメートル[3]、体重100 - 180グラム[5]。生後4 - 11日で開眼する[3]。授乳期間は約2か月[3]。生後40日で母親と共に元の群れに加わる[3]。生後約2年で性成熟に達し、オスは群れを離れて単独で暮らすようになる[5]。飼育下では17年生存した記録がある[3]

出典

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  1. ^ a b Cuarón, A.D., Helgen, K., Reid, F., Pino, J. & González-Maya, J.F. 2016. Nasua narica. The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T41683A45216060. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-1.RLTS.T41683A45216060.en. Accessed on 17 October 2022.
  2. ^ CITES, Appendices I, II and III valid from 22 June 2022, Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora, Accessed on 17 October 2022.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v Matthew E. Gompper, Nasua narica, Mammalian Species, No. 487, American Society of Mammalogists, 1995, Pages 1–10.
  4. ^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 中里竜二「アライグマ科の分類」、今泉吉典 監修『世界の動物 分類と飼育 2(食肉目)』東京動物園協会、1991年、58-66頁。
  6. ^ Denise M. Decker and W. Chris Wozencraft, “Phylogenetic Analysis of Recent Procyonid Genera,” Journal of Mammalogy, Volume 72, Issue 1, American Society of Mammalogists, 1991, Pages 42–55.
  7. ^ Denise M. Decker, “Systematics Of The Coatis, Genus Nasua (Mammalia, Procyonidae),” Proceedings of the Biological Society of Washington, Volume 104, No. 2, Biological Society of Washington, 1991, Pages 370-386.

外部リンク

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