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ジェームズ・クック (海洋調査船)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
船歴
進水 2006年5月
就航 2007年3月
性能諸元
排水量 5,800t
全長 89.2m
全幅 18.6m
吃水 5.6m
機関 ディーゼル・エレクトリック
2軸推進 5,000kW
トンネルスラスター ×3
アジマススラスター ×1
発電機 ×4基(合計7,080kW)
速力 巡航12ノット、最大16ノット
行動日数 50日
定員 乗員22名 + 科学者32名

ジェームズ・クック英語:RRS James Cook)はイギリス海洋調査船。18世紀の海洋探検家ジェームズ・クックに因んで命名されている。

概要

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イギリスの自然環境研究評議会(Natural Environment Research Council、略称:NERC)に所属し、同評議会が保有する調査船RRSチャールズ・ダーウィン(1984年建造)の代替として発注された。サウサンプトン海洋学センター(National Oceanography Centre, Southampton、略称:NOCS)によって運用され海洋科学の多様な研究調査に従事する。建造はノルウェーのFlekkefjord Slipp & Maskinfabrikk A/Sで、船体価格は4000万ポンド[1]。2007年2月にアン王女によって命名され、その翌月に就役した。

熱帯から氷海まで幅ひろい運用海域を想定して設計されており、最大32名の科学者を乗せ、385トンの科学調査機材用ペイロードを有する。 マルチビームサウンダ―、超音波ドップラー多層流向流速計(ADCP)・反射法地震探査システムなどを装備し、採水器や海底土壌のサンプル収集器を各種搭載。洋上の定点に留まる必要がある作業に対応するためGPSと連動した自動船位保持装置を持つ。

船内には科学調査の分野別に8つの研究室を持つほか、コンテナ状の研究室を後甲板下に追加して搭載可能であり、航海ごとに柔軟な研究設備の変更が行える。

潜水調査用の機材としては、遠隔操作無人探査機(ROV)「HyBIS」「Isis」、マルチビームサウンダ―を搭載し6000mまで潜航可能な自律型無人潜水機(AUV)「Autosub6000」などを調査対象に応じて選択し運用可能であり、それらの着水・揚収を行うクレーンを備えている。

船歴

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2010年1月、南極海の東スコシア海嶺において、深海の熱水噴出孔に密集する新種の蟹を発見し「ホッフ・クラブ(Hoff Crab)」と仮に命名した[2]

2010年4月にはケイマン海溝の深度5000mの海底で、従来観測されたうちで最も深い位置にある熱水噴出孔(ブラックスモーカー)を発見し調査を行っている[3]

2011年1月19日、南極海のブランスフィールド海峡で、熱水噴出孔を調査するため着水させたIsisが本船の左舷スクリューと接触し大破する事故が起きた[4]。同年6月に無人潜水機の復旧予算が承認されたため国立海洋学センターにて再建が行われ、翌2012年8月には修復のなったIsisのテスト潜航が行われた[5]

2015年10月から11月にかけて、統合国際深海掘削計画(IODP)の科学調査にイギリスの調査船として初めて参加。大西洋中央海嶺アトランティス山塊「ロストシティー」周辺にリモート操作の海底設置型ドリル2基(イギリス地質調査所のRD2、ブレーメン大学海洋環境科学センターのMeBo)を着底させ、深海の蛇紋岩化作用と強アルカリ環境下の微生物を研究する最長80mのコアサンプルを採取した[6]

脚注

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  1. ^ £40m ocean research ship named”. BBC (2007年2月6日). 2015年1月4日閲覧。
  2. ^ Oxford researchers discover Hasselhoff crab”. Cherwell.org (2012年1月9日). 2015年1月4日閲覧。
  3. ^ カリブの海底に世界最深の熱水噴出孔”. ナショナルジオグラフィックニュース (2010年4月13日). 2016年6月14日閲覧。
  4. ^ Incident involving the ROV Isis”. National Oceanography Centre (2011年1月20日). 2015年1月4日閲覧。
  5. ^ Isis returns to the deep”. National Oceanography Centre (2012年8月30日). 2015年1月4日閲覧。
  6. ^ Expedition seeks Atlantis microbes”. BBC (2015年10月22日). 2017年5月6日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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