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ジトーミル市電

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジトーミル市電
ジトーミル市電初のボギー車・タトラT4SU(2009年撮影)
ジトーミル市電初のボギー車タトラT4SU2009年撮影)
基本情報
ウクライナの旗ウクライナ
所在地 ジトーミル州ジトーミル
種類 路面電車[1][2][3]
路線網 1系統(2020年現在)[1]
開業 1899年8月22日(旅客輸送)[1][4][5]
運営者 ジトーミル市路面電車・トロリーバス管理部門
(КП «ЖИТОМИРСЬКЕ ТРАМВАЙНО-ТРОЛЕЙБУСНЕ УПРАВЛІННЯ»)[1][2][3]
路線諸元
営業キロ 6.8 km[1]
軌間 1,000 mm[1]
複線区間 全区間[1]
電化区間 全区間[1]
路線図
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ジトーミル市電ウクライナ語: Житомирський трамвай)は、ウクライナの都市・ジトーミル市内に存在する路面電車2020年現在はトロリーバスジトーミル・トロリーバスロシア語版)と共にジトーミル市の路面電車・トロリーバス管理部門(КП «ЖИТОМИРСЬКЕ ТРАМВАЙНО-ТРОЛЕЙБУСНЕ УПРАВЛІННЯ»)によって運営されている[4][5][2]

歴史

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ジトーミル市内における最初の電気鉄道は1895年に建設計画が始まり1897年から運行を開始した貨物専用鉄道で、現在のジトーミル市電のルーツにあたる旅客鉄道は1899年8月22日に開通した。開業当初、この旅客路線は4つの系統によって運行され、1910年代には更なる系統の増強も計画されたが、第一次世界大戦ロシア革命の影響で実現することは無く、路面電車自体も一時運行を休止する事態になった。しかし1921年には運行を再開し、以降は各地の系統の延伸工事が実施された他、オデッサオデッサ市電)の中古車両などによる車両の増備も行われた[4][5][3]

第二次世界大戦大祖国戦争)期には枢軸国側の占領下に置かれるなどジトーミルは大きな被害を受けたが、路面電車はその間も貨物列車を中心に一部区間で営業運転を続けた。解放後、ジトーミル市電は復旧工事が行われたものの、当時ソビエト連邦(ソ連)ではジトーミル市電の軌間である1,000 mm(狭軌)向けの電車の新造は行われておらず、戦争で酷使された車両の代替は各都市からの譲渡車両によって行われた。1950年までに路線の復旧が完了した一方、1952年までに貨物営業は終了している[4][5][3][6]

1957年以降は東ドイツ(現:ドイツ)やチェコスロバキア(現:チェコ)など東側諸国の狭軌向け電車の導入が続き、路線の近代化が行われたが、1962年トロリーバスの運転が開始されて以降は多くの路線がトロリーバスへ置き換えられる形で廃止され、1974年以降は2020年現在まで1つの系統のみが残存している。また、1977年には車庫が移設され、トロリーバスと同一の車両基地で管理されている。その後、ソビエト連邦の崩壊を経てジトーミル市当局は何度か路面電車の完全廃止の計画を発表したものの、それらが実現する事はなく2020年現在もジトーミル市内における路面電車の活躍が続いている[4][5][3]

運行

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2020年現在、ジトーミル市電は勝利広場(Майдан Перемоги)電停とロノコンビナート(Льонокомбінат)電停を結ぶ、全長6.8 km・全線複線の路線のみを有する[注釈 1]。前述の通り軌間1,000 mm(狭軌)で、各都市で1,524 mm(広軌)への改軌が行われたソ連時代もそのままの軌間が維持された数少ない路線である。運賃トロリーバスと共に3フリヴニャである[1][7][3][6]

車両

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タトラT4SU
タトラKT4SU
"レトロ"

2020年現在、ジトーミル市電に在籍する車両は以下の通りである[5][8][9]

ジトーミル市電 現有車両 主要諸元[5][8][9]
形式 タトラT4SU タトラKT4SU "レトロ"
車種 ボギー車 2車体連接車 2軸車
製造企業 ČKDタトラ ゴータ車両製造[注釈1 1]
定員 着席定員 28人 34人 30人
最大定員 80人 141人
全長 14,000mm 18,110mm 10,900mm
全幅 2,200mm
全高 3,063mm 3,110mm 3,115mm
出力 176kw 180kw 120kw
制御方式 抵抗制御
脚注
  1. ^ 改造元となった車両の製造企業。

脚注

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注釈

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  1. ^ 1974年までは「5号線」という系統名が付けられていた[5]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i ZHYTOMYR”. UrbanRail.Net. 2020年6月23日閲覧。
  2. ^ a b c Житомирское трамвайно-троллейбусное управление получило немецкий грант”. Пассажирский Транспорт (2019年12月18日). 2020年6月23日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Аліна ДОМБРОВСЬКА (2018年2月10日). “«Останній з могікан»: хто і навіщо хоче знищити житомирський трамвай?”. Пассажирский Транспорт. 2020年6月23日閲覧。
  4. ^ a b c d e Житомирський трамвай святкує свій 120 день народження”. Житомирське ТТУ (2019年8月22日). 2020年6月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l Житомирский трамвай вот уже 120 лет перевозит пассажиров”. Пассажирский Транспорт (2019年8月22日). 2020年6月23日閲覧。
  6. ^ a b 服部重敬「定点撮影で振り返る路面電車からLRTへの道程 トラムいま・むかし 第10回 ロシア」『路面電車EX 2019 vol.14』、イカロス出版、2019年11月19日、96-97頁、ISBN 978-4802207621 
  7. ^ Схема маршруту трамваю”. Житомирське ТТУ. 2020年6月23日閲覧。
  8. ^ a b c d e Моделі трамваїв”. Житомирське ТТУ. 2020年6月23日閲覧。
  9. ^ a b c d e f Roster Zhytomyr, Tramway”. Urban Electcic Transit. 2020年6月23日閲覧。
  10. ^ Аліна ДОМБРОВСЬКА (2011年4月10日). “Ретро трамвай Житомира”. Товары и услуги компании "Патріот". 2020年6月23日閲覧。

外部リンク

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