ジャストスポット
ジャストスポットとは、かつて関東地方に展開されていた日本のコンビニエンスストアチェーンである[1]。
概要
[編集]コンビニエンスストアチェーンのニコマートが1993年(平成5年)6月23日と24日に連続して不渡りを出し銀行取引停止となり事実上倒産し[2]、エリアフランチャイザー契約が宙に浮いた状態となったことから[3]、飯野リティル・パスコリテール・大森商店の3社が[4]同年10月1日に店舗名を「ニコマート」から「ジャストスポット」に変更したのが始まりである[3]。 発足時の店舗数は約100店舗であった[3]。
ニコマートのエリアフランチャイザーとしての制約が無くなったことから[4][5]、パスコリテールも[5]飯野リティルも東京都への出店が可能となり[4]、両社ともに東京都心部への出店を積極的に進めた[5][4]。
3社の内「飯野リティル」と「パスコリテール」は共同仕入を行い、1996年(平成8年)末時点では、パスコリテールが72店舗、飯野リティルが62店舗を展開していた[4]。
1998年(平成10年)4月にパスコリテールはポプラに買収されて「株式会社関東ポプラ」に社名変更され[6]、同年7月1日の浜松町店を皮切りに「ジャストスポット」からポプラに店名変更した[7]。この買収時点ではパスコリテールは73店舗を展開していた[6]。
飯野リティルは2002年(平成14年)7月に新鮮組に売却され[8]、同年に株式会社ジャストスポットに社名変更した[9]。同社は2007年(平成19年)に新鮮組本部に吸収されたが[広報 1]、店舗名は2008年(平成20年)2月に新選組がローソンに全店舗を加盟させて同年5月末までにジャストスポットを含む全店舗をローソンへ店名を変更するまで使用された[10]。
参加した3社
[編集]- パスコリテール(神奈川県横浜市) - 1986年(昭和61年)7月にニコマートの神奈川県全域でのエリアフランチャイザーとなった[11]航空測量のパスコの子会社として設立され[12][13]、ニコマートでは神奈川地区49店舗を担当していた[1]。
1998年(平成10年)4月にパスコリテールはポプラに買収されて「株式会社関東ポプラ」に社名変更され[6]、同年7月1日の浜松町店を皮切りに「ジャストスポット」からポプラに店名変更した[7]。
- 飯野リテイル[注釈 1](千葉県松戸市) - 1987年(昭和62年)4月に飯野海運が子会社「コンビニサービス株式会社」を設立して[14]、同年5月に当社のエリアフランチャイザーとなり[15]、同年7月30日に同社の1号店として浦安店を開店したのが始まりである[16]。
2002年(平成14年)にローソンから買収が発表されたが[17][18]、社員の待遇面や[19]折り合いがつかなかったことを原因として買収を断念し[20]、同年7月に新鮮組に売却さて[8]、同年に株式会社ジャストスポットに社名変更した[21]。2007年(平成19年)に新鮮組本部に吸収されたが[広報 1]、店舗名は2008年(平成20年)2月に新選組がローソンに全店舗を加盟させて同年5月末までにジャストスポットを含む全店舗をローソンへ店名を変更するまで使用された[10]。
沿革
[編集]- 1986年(昭和61年)7月 - パスコがニコマートの神奈川県全域でのエリアフランチャイザーとなる[11]。
- 1987年(昭和62年)
- 1987年(昭和62年)4月 - 大森商店がニコマートの茨城県のエリアフランチャイザーとなる[15]。
- 1993年(平成5年)
- 1995年(平成7年)7月24日 - パスコリテールのジャストスポットが70店を達成[23]。
- 1998年(平成10年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 2007年(平成19年)11月 - 株式会社ジャストスポットが親会社の新鮮組本部に吸収される[広報 2]。
- 2008年(平成20年)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 文献によってはイイノリティール、飯野リテール、飯野リティルと表記ゆれがある
出典
[編集]- ^ a b 「ニコマート加盟各社の大半、本部と契約解除、独自チェーンに――店名3つに“分裂”。」『日経流通新聞』1993年10月26日。
- ^ a b 帝国データバンク特別取材班 “企業倒産最前線(25)一気に噴き出した急成長の歪み ニコマート”. Credit & law 1993年7月号 (商事法務研究会) (1993年7月20日).pp48
- ^ a b c d e “業界スケッチ”. Franchise age 1993年12月号 (日本フランチャイズチェーン協会) (1993年12月1日).pp20
- ^ a b c d e f 岡田俊雄 “顧客ニーズに機敏に対応する限り将来は明るいきた”. Kaiun 1993年1月号 (日本海運集会所) (1997年1月10日).pp112
- ^ a b c “パスコリテール、今年度中に都内中心に15店出店 今期100億超目指す”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (1994年4月6日). pp4
- ^ a b c d “新規登録銘柄の会社概要”. 証券業報 1999年2月号 (日本証券業協会) (1999年2月).pp50
- ^ a b c “業界スケッチ”. Franchise age 1998年9月号 (日本フランチャイズチェーン協会) (1998年9月1日).pp34
- ^ a b c “コンビニ事業を新撰組本部に売却 飯野海運”. 海事プレス(海事プレス社). (2002年8月1日)
- ^ a b 「<数表>2002年度コンビニエンスストア調査――全店舗売上高ランキング。」『日経MJ(流通新聞)』2003年7月24日。
- ^ a b c d 板倉千春(2008年1月30日). “独立系CVSチェーンの新鮮組、ローソンに加盟 5月までに全店転換へ”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). pp4
- ^ a b 『多角化・新規事業開発情報総覧5000』 アーバンプロデュース出版部、1987年6月15日。pp412
- ^ 「パスコ、コンビニ子会社売却、来春ポプラに――航空測量に回帰。」『日経産業新聞』1997年9月18日。
- ^ a b 「パスコリテール、ジャストスポット、東京都心出店に力――大手コンビニの空白狙え。」『日経流通新聞』1993年11月25日。
- ^ a b 福島武夫 “海運会社の事業多角化作戦 その後 飯野海運 コンビニエンス・ストア事業が育ってきた”. Kaiun 1993年1月号 (日本海運集会所) (1993年1月10日).pp70
- ^ a b c d 『FCビジネス成長の条件』 日本経済新聞社、1987年7月10日。pp104
- ^ a b “多角化 ストアやレストラン 海運・造船会社が異業種へ”. Kaiun 1987年8月号 (日本海運集会所) (1987年8月10日).pp35
- ^ “ローソン、ジャストスポットなど70店を買収、首都圏の密度増す”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2002年3月6日). pp3
- ^ 「飯野海運子会社の「ジャストスポット」、ローソンが買収。」『日経MJ(流通新聞)』2002年3月5日。
- ^ 「ローソン、飯野リティル買収を見送り。」『日経MJ(流通新聞)』2002年4月2日。
- ^ “ローソン、飯野リテイルの買収を断念”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (2002年4月3日). pp3
- ^ 「<数表>2002年度コンビニエンスストア調査――全店舗売上高ランキング。」『日経MJ(流通新聞)』2003年7月24日。
- ^ 『全国食品会社名鑑 1985年版 東日本編』 日本食糧新聞社、1985年5月31日。pp220
- ^ “パスコリテール、24日「代々木店」オープンへ ジャストスポット70店に”. 日本食糧新聞(日本食糧新聞社). (1995年7月17日). pp4
- ^ 「ポプラ、月内に、関東の店改装、子会社解散へ。」『日本経済新聞』2002年12月5日、地方経済面 広島。
広報資料・プレスリリースなど一次資料
[編集]- ^ a b “株式会社新鮮組ホームページ 企業情報”. 株式会社新鮮組本部. 2023年7月23日閲覧。
- ^ “新鮮組本部ホームページ 企業情報”. 新鮮組本部. 2023年5月28日閲覧。