コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジョイ・ダンロップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョイ・ダンロップ
1992年マン島TT、ブレイ・ヒルを駆け抜けるダンロップ
国籍 北アイルランド
生年月日 (1952-02-25) 1952年2月25日
Ballymoney, Co. Antrim, N. Ireland, UK
死亡年月日 2000年7月2日(2000-07-02)(48歳没)
Tallinn, Estonia
ゼッケン 3
レースでの経歴
マン島TTレースでの経歴
出場回数25 (1976 - 2000)
優勝回数26
初勝利1977 Jubilee Classic
最終勝利2000 Ultra-Lightweight 125 TT
表彰台40

ウィリアム・ジョゼフ・"ジョイ"・ダンロップWilliam Joseph "Joey" Dunlop, OBE, 1952年2月25日 - 2000年7月2日)は北アイルランドバリーマネー出身のオートバイレーサー。ワールドチャンピオンであり、ヨーロッパで最も有名なライダーの一人である。2005年にはモーターサイクル・ニューズ誌によって「歴史上最も偉大なライダーランキング」の5位に選ばれた。


略歴

[編集]
1992年マン島TT

レースを始めたのは1969年。後にダンロップのトレードマークとなる黄色いヘルメットとゼッケン3はこの頃からのものである[1]

マン島TTレースにおいて通算26勝を記録し、"キング・オブ・ザ・ロード"(King of the Roads )の異名をとった。1985年、1988年、2000年の大会ではハットトリック(1大会で3クラス制覇)を達成[2]。また、マン島と並んでヨーロッパ有数の公道レースであるアルスターグランプリでも24勝しており、1982年から1986年まではTT-F1世界選手権で5年連続チャンピオンに輝いた[3]

レースにおける業績によって1986年にMBE勲章を受章。1996年にはルーマニアの孤児院での人道的な活動によりOBE勲章が与えられた。ダンロップはしばしば自身が所有するレース機材搬送用の輸送機に物資を積み込み、ボスニアとルーマニアの紛争地域に衣類や食料を届けていたのである。これらの人道活動は、注目を引かないようにダンロップの名前を表に出すことなく行われていた[4]

事故死

[編集]

2000年、エストニア共和国タリンで行われた公道レースで750ccと600ccで勝利を収めたダンロップは、続いて125ccのレースに出場した。ウェットコンディションとなったレースでトップを走っていたダンロップであったが突如マシンのコントロールを失い、路傍の木に激突した。即死だった。

ダンロップの死後間もなくエストニア政府は公式ウェブサイトで追悼の意を表し、北アイルランドのテレビは葬儀の模様を生中継で伝えた。葬儀にはイギリスやアイルランドの各地からバイカーや関係者が集まり、参列者は5万人にのぼった[5][6]

影響

[編集]
スネーフェル・マウンテン・コースに建つダンロップの像

現在、その年に最もTTレースで活躍したライダーにはジョイ・ダンロップ杯が贈られている。ダンロップの故郷であるバリーマネーには記念の像が建てられた。

マン島マウンテンコースのバンガロー・ベントを見下ろす丘にはホンダ・VTR1000 SPWに乗ったダンロップの像が建てられ、コースの26マイル標識のある 26th Mile Stone にはジョイの名が付けられ Joey's とされた[7]

アイルランドの出版社であるオブライエンプレスはフルカラーの追悼写真集を出版し、北アイルランドのロックバンド Therapy? はダンロップを歌った Joey という曲を収めたアルバム Shameless を2001年にリリースした。

主な戦績

[編集]

マン島TTレース

[編集]
クラス チーム マシン 順位 タイム 平均速度
1976 クラシック Yamsel DNF
シニア ヤマハ 18位 2° 17′ 49″ .0 98.55mph
ジュニア Yamsel 16位 1° 53′ 22″ .8 99.83mph
ライトウェイト250cc DNF
1977 ジュビリー ヤマハ 1位 1° 23′ 10″ .6 108.86mph
クラシック ヤマハ 7位 2° 09′ 11″ .8 105.13mph
シニア Yamsel 4位 1° 49′ 47″ .0 103.1mph
ジュニア250cc Rea Yamsel 10位 1° 11′ 32″ .2 94.93mph
1978 クラシック ヤマハ DNF
フォーミュラ2 ベネリ 5位 1° 36′ 56″ .0 95.32mph
ジュニア ヤマハ 11位 1° 56′ 40″ .0 97.02mph
シニア スズキ DNF
フォーミュラ1 スズキ DNF
1979 クラシック ヤマハ 6位 2° 04′ 39″ .2 108.96mph
フォーミュラ2 ベネリ 13位 1° 39′ 55″ .0 90.62mph
ジュニア250cc DNF
シニア スズキ DNF
フォーミュラ1 ベネリ DNF
1980 シニア ヤマハ 9位 2° 07′ 11″ .2 106.79mph
ジュニア ヤマハ 12位 1° 31′ 58″ .2 98.45mph
クラシック ヤマハ 1位 2° 00′ 29″ .8 112.72mph
1981 クラシック DNF
フォーミュラ1 ホンダ 3位 2° 04′ 07″ .6 109.42mph
1982 クラシック ホンダ DNF
フォーミュラ1 ホンダ 2位 2° 04′ 26″ .0 109.15mph
1983 クラシック ホンダ 3位 2° 00′ 24″ .4
フォーミュラ1 ホンダ 1位 1° 59′ 06″ .4 114.03mph
1984 シニア ホンダ DNF
プロダクション251 - 750cc ホンダ DNF
クラシック ホンダ 2位 1° 57′ 12″ .4 115.88mph
ジュニア ホンダ DNF
フォーミュラ1 ホンダ 1位 2° 01′ 37″ .0 111.68mph
1985 シニア ロスマンズホンダ 1位 1° 59′ 28″ .2 113.69mph
プロダクション251 - 750cc ホンダ 22位 1° 09′ 01″ .8 98.38mph
ジュニア ホンダ 1位 2° 03′ 35″ .0 109.91mph
フォーミュラ1 ロスマンズホンダ 1位 1° 59′ 12″ .0 113.95mph
1986 シニア ロスマンズホンダ 4位 2° 01′ 21″ .2 111.92mph
プロダクション・クラスC ロスマンズホンダ 4位 1° 06′ 55″ .4 101.48mph
ジュニア ホンダ DNF
フォーミュラ1 ロスマンズホンダ 1位 1° 20′ 09″ .4 112.96mph
1987 シニア シェル・ジェミニ・ホンダ 1位 1° 30′ 41″ .2 99.85mph
プロダクション・クラスB ホンダ 18位 1° 04′ 51″ .2 104.71mph
ジュニア 250cc シェル・ジェミニ・ホンダ 8位 2° 08′ 03″ .4 106.06mph
フォーミュラ1 ロスマンズホンダ RVF 1位 1° 58′ 04″ .4 115.03mph
1988 シニア シェル・ジェミニ・ホンダ 1位 1° 55′ 42″ .6 117.38mph
プロダクション・クラスC シェル・ジェミニ・ホンダ 11位 1° 25′ 52″ .0 105.45mph
プロダクション・クラスB シェル・ジェミニ・ホンダ 5位 1° 21′ 49″ .4 110.66mph
ジュニア シェル・ジェミニ・ホンダ 1位 1° 20′ 56″ .6 111.87mph
フォーミュラ1 シェル・ジェミニ・ホンダ RVF 1位 1° 56′ 50″ .2 116.25mph
1990 シニア ジェミニ・ホンダ 16位 2° 11′ 48″ .8 103.04mph
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ RS125R DNF
ジュニア DNF
フォーミュラ1 ジェミニ・ホンダ RVF 8位 1° 59′ 20″ .6 113.81mph
1991 シニア シルコリン・ホンダ RVF 2位 1° 53′ 30″ .2 119.66mph
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ RS125R 2位 1° 27′ 59″ .2 102.91mph
スーパースポーツ 600 ホンダ 6位 1° 20′ 37″ .2 112.31mph
ジュニア ホンダ 5位 1° 20′ 47″ .8 112.07mph
フォーミュラ1 RVF DNF
1992 シニア RVF DNF
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ 1位 1° 25′ 01″ .6 106.49mph
スーパースポーツ 600 ホンダ CBR600 9位 1° 20′ 53″ .8 111.93mph
ジュニア DNF
フォーミュラ1 750 ホンダ RVF 3位 1° 55′ 13″ .0 117.88mph
1993 シニア 750 ホンダ RVF 11位 1° 59′ 27″ .4 113.7mph
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ RS125R 1位 1° 24′ 25″ .0 107.26mph
クラシック・ライトウェイト アエルマッキ DNF
スーパースポーツ 600 CBR600 DNF
ジュニア 250 ホンダ 3位 1° 18′ 59″ .8 114.62mph
フォーミュラ1 ホンダ RVF 14位 2° 00′ 09″ .0 113.04mph
1994 シニア カストロールホンダ RC45 3位 1° 56′ 20″ .2 116.75mph
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ RS125 1位 1° 25′ 38″ .0 105.74mph
スーパースポーツ 600 CBR FM ホンダ CBR600F2 7位 1° 19′ 48″ .6 113.45mph
ジュニア カストロールホンダ 1位 1° 18′ 57″ .8 114.67mph
クラシック・ジュニア アエルマッキ 2位 1° 32′ 52″ .2 97.5mph
フォーミュラ1 カストロールホンダ RC45 3位 1° 56′ 23″ .6 116.69mph
1995 シニア カストロールホンダ RC45 1位 1° 54′ 01″ .9 119.11mph
ジュニア V&M ダッカムスホンダ CBR600F3 4位 1° 19′ 01″ .6 114.58mph
ライトウェイト カストロールホンダ RS250R 1位 1° 18′ 16″ .4 115.68mph
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ RS125R DNF
フォーミュラ1 カストロールホンダ RC45 2位 1° 55′ 33″ .9 117.53mph
1996 シニア ホンダ・ブリテン RC45 2位 1° 54′ 37″ .2 118.5mph
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ RS125 1位 42′ 34″ .6 106.33mph
ライトウェイト ホンダ・ブリテン RS250 1位 1° 18′ 31″ .5 115.31mph
フォーミュラ1 ホンダ・ブリテン RC45 7位 1° 59′ 53″ .4 113.29mph
1997 フォーミュラ1 ホンダ・ブリテン RC45 6位 1° 56′ 29″ .4 116.6mph
シニア ホンダ RC45 7位 1° 56′ 01″ .3 117.07mph
ジュニア ハリス・ホンダ 5位 1° 17′ 42″ .6 116.52mph
ウルトラ・ライトウェイト マクメネミー・ホンダ RS15R 10位 1° 26′ 20″ .7 104.87mph
ライトウェイト ホンダ・ブリテン RS250 1位 1° 18′ 20″ .1 115.59mph
1998 シニア RC45 DNF
ウルトラ・ライトウェイト マクメネミー・ホンダ RS125R 9位 1° 06′ 25″ .8 102.23mph
ライトウェイト ホンダ・ブリテン RS250 1位 46′ 51″ .8 96.61mph
1999 シニア ホンダ UK RC45 5位 1° 53′ 28″ .5 119.69mph
ウルトラ・ライトウェイト マクメネミー・ホンダ RS125R 27位 1° 33′ 26″ .1 96.91mph
ライトウェイト 250 パイン・ホンダ RS250R 5位 1° 19′ 50″ .8 114.48mph
ジュニア 600cc ハリス・ホンダ CBR600F4 5位 1° 17′ 13″ .3 117.26mph
フォーミュラ1 ホンダ UK RC45 2位 1° 14′ 52″ .8 120.92mph
2000 シニア ビムト・ホンダ VTR SPW 3位 1° 52′ 33″ .8 120.66mph
ジュニア 600cc ハリス・ホンダ CBR600F4 4位 1° 16′ 26″ .7 118.45mph
ウルトラ・ライトウェイト ホンダ・ブリテン RS125 1位 1° 24′ 30″ .8 107.14mph
ライトウェイト 250 パイン・ホンダ RS250 1位 58′ 32″ .2 116.01mph
フォーミュラ1 ホンダ VTR SPW 1位 1° 52′ 15″ .3 120.99mph

鈴鹿8時間耐久オートバイレース

[編集]
チーム ペアライダー 車番 マシン タイヤ 予選順位 予選タイム 決勝順位 周回数
1981 ホンダ U.K. ロン・ハスラム 9 ホンダ・RS1000 D 3 2'17”42 14位 184
1984 Team Ikuzawa Jim Wells 11 ホンダ・White Bull D 11 2'27”55 Ret 135
1985 ロジャー・マーシャル 7 ホンダ・White Bull II D 16 2'26”545 Ret 62

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]