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ジョウカイボン科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョウカイボン科 Cantharidae
ジョウカイボン Athemus suturellus
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目(多食亜目) Polyphaga
上科 : ホタル上科 Elateroidea
: ジョウカイボン科 Cantharidae
英名
Soldier beetle
下位分類群

本文参照

ジョウカイボン科(ジョウカイボンか、Cantharidae)は、コウチュウ目に属する昆虫の一群である。見かけはややカミキリムシに似るが、甲虫としては全体に柔らかな虫である。

概要

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ジョウカイボン科の昆虫は、細長い体に糸状の長い触角を持ち、見かけではカミキリムシ科の昆虫に、あるいはむしろカミキリモドキ科の昆虫に似ている。しかし分類的にはそれらとは遠く、ホタル科などとともにホタル上科に属する。この群は甲虫としては非常に柔らかな体をしている。

食性は肉食で、成虫、幼虫ともに小型の昆虫などを捕食している。成虫は草の上や花などに見られることが多く、幼虫は地上性。

名前は日本の普通種であるジョウカイボン Athemus suturellus の名から来ている。ただし、この名の意味、由来については不明である。一説によれば平清盛(浄海坊)がマラリアで死んだ姿が、ジョウカイボンの近似種の有毒なカミキリムシ(アオカミキリモドキ)が与える火傷に似ているという説がある。それ以外の種では、この名からボンを外し、○○ジョウカイという風に呼ぶ。英名はSoldier beetle であるが、これはイギリスの軍服に似た色彩(赤・黄色・黒)の種にちなんでとのこと[1]

特徴

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小型から中型の甲虫で、小さいものは3mm程度から、20mmを越えるものまである。

全体に細長く、腹背にやや扁平ながら、ほぼ円筒形のプロポーションである。全体に柔らかく、特に前翅が柔らかい。

頭部は前胸に比べて狭くなく、その点で頭部の幅が狭く、往々に前胸に隠れるホタル科やベニボタル科とは異なる。触角は糸状で細長いものが多い。大顎は鋭く噛む形で、上唇は薄くて認めがたい。

前翅は基部が特に幅広くなく、ほぼ同じ幅で伸びる。ただし、一部の種では退化して短くなる。

幼虫はやや腹背に扁平なイモムシ状、胸部に三対の短い歩脚を持つ。体表はビロード状で、頭部は幅広く、短い触角と頑丈な顎を持つ[1]。胸部と腹部はキチン化が弱く、柔らかい。

習性など

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成虫は花や葉の上に見られ、小型の昆虫などを捕食する。特に一部の種は花によく見られ、花粉等も食べる。

幼虫は林床など地表に生息し、やはり昆虫を捕食する。

出典

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  1. ^ a b マクガヴァン(2000)、p.111

参考文献

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  • 森本桂・林長閑、『原色日本甲虫図鑑(I)』、(1986)、保育社
  • 黒沢良彦・久松定成・佐々木寛之、『原色日本甲虫図鑑(III)』、(1985)、保育社
  • ジョージ・C・マクガヴァン、『完璧版 昆虫の写真図鑑 地球自然ハンドブック』、(2000)、ヴォーグ社