ジョバンニ・バウサン (防護巡洋艦)
竣工時の「ジョバンニ・バウサン」 | |
基本情報 | |
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艦種 | 防護巡洋艦 |
前級 | クリストフォロ・コロンボ |
艦歴 | |
発注 | アームストロング社エルジック造船所 |
起工 | 1882年8月21日 |
進水 | 1883年12月15日 |
就役 | 1885年5月9日 |
除籍 | 1920年1月15日 |
その後 | 同年3月売却後に5月15日解体 |
要目 | |
常備排水量 | 3,128トン |
満載排水量 | 3,330トン |
全長 | 84.1m |
水線長 | 89.3m |
最大幅 | 12.8m |
吃水 |
常備:5.6m 満載:5.9m |
機関 |
形式不明石炭専焼円缶4基 +横置型二段膨脹式二気筒レシプロ機関2基2軸推進 |
最大速力 | 17.0kt |
燃料 | 石炭:560トン(満載) |
航続距離 | 10ノット/5,000海里 |
乗員 | 267名 |
兵装 |
アームストロング 25.4cm(20口径)後装填式ライフル砲6基 アームストロング 15.2cm(33口径)単装ライフル砲6基 アームストロング 1884年型 5.7cm(40口径)単装速射砲2基 オチキス 3.7cm(23口径)ガトリング機砲6基 35.6cm水中魚雷発射管単装1基 35.6cm水上魚雷発射管単装2基 |
装甲 |
甲板:11mm(主甲板) 防盾:-mm(最厚部) 司令塔:-mm(最厚部) |
ジョバンニ・バウサン(ボザン、Giovanni Bausan)とは、イタリア海軍の初の防護巡洋艦で同型艦はない。設計者はジョージ・レンデル。
概要
[編集]砲艦に巨砲を搭載するレンデル式砲艦で名が残るジョージ・レンデルの設計によりアームストロング社で防護巡洋艦「エスメラルダ」の起工が発表されると、当時の日本と同じく海軍の範をイギリスに採っていたイタリアは同型艦1隻を同社に発注し、日本も「浪速型」を手に入れた。本艦の建造はエルジック造船所で行われ1885年に竣工した。これが本艦で、本艦はアドリア海を挟んで対峙するオーストリア=ハンガリー帝国海軍の防護巡洋艦に対抗してアームストロング社に発注された艦である。
艦形
[編集]船体形状は小型の船体に準戦艦級の主砲を積む関係から水面から乾舷が低い平甲板型船体となっており、同時期にイギリスで建造された大日本帝国海軍の防護巡洋艦「浪速型」に似た艦容である。
艦の構造を前部から記述すると、水面下に衝角と35.6cm水中魚雷発射管1門を内蔵させた艦首、艦首甲板上に主砲の25.4cmライフル砲を基部のみ装甲で覆う露砲塔に1基が配置され、その後方に単脚式の前部マストが立つ。その後方から上部構造物が始まり、司令塔を組み込んだ両脇に船橋(ブリッジ)を持つ操舵艦橋が立つ。船体中央部に2本煙突が立ち、その周囲には煙管型の通風塔が立ち並び、空いた場所は艦載艇置き場となっており、艦載艇は2番煙突後方のグース・ネック(鴨の首)型クレーン1基により運用された。
左右の舷側に張りだしが設けられ、そこに副砲である15.2cm速射砲が防盾の付いた単装砲架で等間隔に片舷3基ずつ計6基が配置された。後部マストで上部構造物が終了し、その下の後部甲板上に2番主砲塔が1基配置された。
主砲、その他部装
[編集]主砲はアームストロング社製「25.4cm(30口径)ライフル砲」を採用した。この砲をフード付き露砲塔に収めた。そのバーベットの装甲は厚さ51mmで砲身の装填・回転機構を覆った。砲身の旋回角度は240度であった。
副砲として「15.2cm(33口径)速射砲」を単装砲架で6基、近接戦闘用にフランスのオチキス社製「5.7cm(40口径)速射砲」を5基、3.7cm(23口径)5連装ガトリング砲を5基搭載した。他に対艦攻撃用に艦首水面部に35.6cm水中魚雷発射管を1基と35.6cm水上魚雷発射管を2門装備した。
関連項目
[編集]参考図書
[編集]外部リンク
[編集]- Cruiser protected 'Giovanni Bausan' (1882)「ジョバンニ・バウサン」の写真とスペックがあるページ。