ジョン・ウィルバー
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ジョン・ウィルバー | |
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研究分野 | 電子工学 • 計算機科学 • 土木工学 |
主な業績 | 連立方程式求解機の発明。シャンプレーン湖の橋、ケープコッド運河の橋などを設計[1]。 |
プロジェクト:人物伝 |
ジョン・ウィルバー(John Benson Wilbur)は、アメリカ合衆国の科学者、技術者である。 1934年、マサチューセッツ工科大学の助教授に就任し、アナログ計算機の研究者として知られているヴァネヴァー・ブッシュの元で計算機の研究を行う[2]。1936年 9元立までの連立一次方程式を解くアナログ計算機を作り出した。
歴来
[編集]- 1926年 マサチューセッツ工科大学で土木工学科の助手に就任し1928年まで務めた[1]。
- 1930年 同大学の講師に就任[1]。
- 1934年 同大学の助教授に就任する[1]。
- 1936年 9元立までの連立一次方程式を解く連立方程式求解機を完成させる(Wilbur 1936)。
- 1937年 The Review of Economics and Statistics 誌にて Interrelation of Prices, Output, Savings, and Investment (Leontief 1937)を発表した[2]。
著作
[編集]1922年、フランク・ゲージと共に「マサチューセッツ工科大学の歌」(Sons of M.I.T.)を制作する[1]。
日本への影響
[編集]日本ではウィルバーの研究に注視した東京帝国大学航空研究所の佐々木達治郎・志賀亮・三井田純一らによって、ウィルバー式・連立方程式求解機の研究がなされた[3]。開発当初では3元連立の一次方程式を解くことから研究が始められ、1944年(昭和19年)頃には9元立の連立一次方程式を解くまでになり、日本で初の大型計算機が完成した[4][3]。なおウィルバーの開発したオリジナルの計算機は現存しないが、日本で作られたウィルバー式・連立方程式求解機は、国立科学博物館の常設展で展示されている。
参考文献
[編集]- Wilbur, John B. (1936-12). “The mechanical solution of simultaneous equations” (PDF). Journal of the Franklin Institute 222 (6): 715-724. ISSN 0016-0032. OCLC 4645426044 .
- Leontief, Wassily W. (1937-08). “The Review of Economics and Statistics”. The Review of Economics and Statistics (The MIT Press) 19 (3): 109-132 .
- 和田英一「情報処理技術遺産 九元連立方程式求解機」『情報処理』第50巻第9号、情報処理学会、2009年9月15日、914-918頁、ISSN 04478053、NAID 110007358101。
- 前島正裕「<研究報告>九元連立方程式求解機の来歴と計算方法について」『国立科学博物館研究報告E類 : 理工学』第24巻、国立科学博物館、2001年、25-29頁、ISSN 03878511、NAID 110004312187。