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スキョル (モニター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1912年の「スキョル」[1]
「スキョル」の図面

スキョル (Skjold) はデンマーク海軍の艦艇。低乾舷モニターである[2]。デンマーク海軍での類別は装甲砲台 (panserbatteri)、次いで装甲沿岸防御艦 (pansrede kystforsvarsskib)[3]。後に装甲沿岸防御艦は沿岸防御艦と改称されている[3]。艦名のスキョルは伝説上のデンマークの王である[4]

1894年1月起工[4]。1896年5月8日進水[4]。1897年5月25日竣工[4]。建造費は2658000クローネであった[4]

鋼鉄製の船体で、排水量2160トン、全長69.36メートル、水線間長67.36メートル、幅11.16メートル[5]吃水は艦首3.92メートル、艦尾4.18メートルであった[4]。乾舷が低く、1メートルほど高くされた艦首甲板とその上のブルワークで凌波性向上を図っている[6]。二重船底を有し、また衝角を持つ[7]

主砲はクルップ40口径9インチ515ctr M/93型後装砲1門をカネー製装甲砲塔に搭載[7]。射程は9800メートルで、発射速度は2分に1発であった[7]。副砲はクルップ40口径12cm速射砲3門で、カネー製砲塔に搭載[8]。射程は7300メートルで、発射速度は1分に5から8発であった[8]。他に、ホチキス44口径47mm速射砲4門を搭載した[8]。これは1906年に50口径47mm半自動砲に換えられ、さらに1910年から1911年には「イーヴァ・ヴィトフェルト」に搭載されていた44口径57mm砲に換えられた[9]。また、マキシム8mm機銃2挺、ホチキス37mm5銃身回転機砲1門が後に追加されている[9]

機関はブアマイスタ&ウェーイン社製直立3気筒3段膨張式蒸気往復動機関2基、海軍工廠製水管缶4基で、出力2400または2700指示馬力[8]。2軸推進で、速力13.4ノット、または14ノット[8]

装甲は、ハーヴェイ鋼板英語版の水線装甲帯が厚さ175mmから225mm[8]。主砲と司令塔は200mmハーヴェイ鋼板と25mm厚鋼板2枚、副砲は120mmの特殊鋼であった[8]。甲板の装甲は中央部が厚さ19mm+32mm、両端部が10mm+26mmであった[8]

「スキョル」は小型でコストがあまりかからなかったことから、外国への派遣に何度も用いられた[10]。1929年5月21日に売却され、その後解体[9]

脚注

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  1. ^ 『海防戦艦』62ページ
  2. ^ 『海防戦艦』58-61ページ
  3. ^ a b 『海防戦艦』27ページ
  4. ^ a b c d e f 『海防戦艦』59ページ
  5. ^ 『海防戦艦』59-60ページ
  6. ^ 『海防戦艦』58、60ページ
  7. ^ a b c 『海防戦艦』60ページ
  8. ^ a b c d e f g h 『海防戦艦』61ページ
  9. ^ a b c 『海防戦艦』63ページ
  10. ^ 『海防戦艦』58、62ページ

参考文献

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  • 橋本若路『海防戦艦 設計・建造・運用 1872~1938』イカロス出版、2022年、ISBN 978-4-8022-1172-7

関連項目

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